眺めの窓、風の窓 K邸|d&bアーキテクチャー

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視界が広がるフィックス窓から山並みの風景を楽しみ、

カウンター下のルーバー窓から気持ちいい風を体感。

和泉山脈を望む高台の住宅地。その一角にあるKさんの家からは、遠くの山々が濃淡を織り成す風景が楽しめます。この眺望を取り込むため、LDKの南側全面はガラス張りに。
「SE構法は耐力壁による制約に悩まされないので、約7mの全面開口も難なく実現できました」と設計事務所・工務店「d+bアーキテクチャー」の代表・木内一徳さん。同社の営業エリアである大阪府内・阪神間では阪神淡路大震災の経験から、SE構法の耐震性の高さも支持されていると話します。

また、この家では「眺めの窓」と「通風用の窓」を分け、眺望と風通しを両立させていることもポイント。両端の片引き窓を除いて、LDKの大開口には眺めを楽しむフィックス窓を使っていますが、カウンター下には通風用のルーバー窓を設置。開け放せる引き戸を家全体に取り入れ、風の通り道をつくっています。


LDKのプライバシーを守る斜面は緑のスペースに活用。
洗練されたデッキの目隠しで外からの視線をカット。

周囲には竹林を切り崩して宅地造成された家々が並んでいますが、この敷地だけは南側の一部が傾斜したまま残されていました。そこで生まれたのが、斜面に植栽を施して緑の庭に活用するというアイデアです。竣工から7年を経て、斜面に植えた木々は豊かに葉を茂らせ、地面を覆う下草もすっかりなじんで、家族や近隣の目を楽しませています。

k02 また、LDKでは大開口に沿って設けた多目的カウンターの外側に、同じ高さでデッキが張り出しています。これは眺めを楽しむと同時に、外からの視線を遮る工夫。道路と建物の間は高低差3mの斜面と駐車スペースで距離を保っていますが、それに加えてデッキ
の奥行きも目隠しに利用。外から見上げても室内で過ごす人の姿が見えない設計になっています。

「眺めや日あたりがいい部屋でも、外から丸見えだとカーテンで閉め切ってしまうでしょう。かといって目隠しフェンスでは開放感が損なわれてしまう。軒の出に合わせたデッキなら自然に見えます」と木内さん。むしろ道路からはLDK の天井面がよく見えるため、ダウンライトや間接照明で建物を美しく演出しながら、くつろげるライティングを取り入れています。

プランは1 階にLDKと水回り、ホビールームがあり、2階は寝室と子ども室。「気持ちのいいLDKに家族が集まり、それぞれが自由に過ごせる家にしたい」との要望から、各部屋はコンパクトなつくり。そんな中にもキッチンと水回りを最短で結ぶ家事動線や、1 階全体を回遊できる動線、どの部屋からも緑が見える心配りが盛り込まれています。
空間の広がりを調節し、多目的に活用する建具の工夫。
1階の土間のあるホビールームは、Kさんたっての希望でつくられた部屋。家づくりの打ち合わせをしていた当時は、釣り道具の手入れをする空間でしたが、現在は自転車のメンテナンスやDIYを楽しむ作業場として活用しています。

k03土間のガラス戸と雨戸を開けると、中庭のノムラモミジが現れて内外がひとつになりました。夏は網戸を立てれば心地いい風も流れてきます。奥の板間は引き込みの障子で間仕切れば臨時の客間に早変わり。「限られた空間を多目的に利用できる」と喜ばれています。

玄関ホール脇のスケルトン階段を上り、2階へ。シンプルな洗面ボウルを据えた手洗いカウンターの先には、緑の眺めを切り取ったピクチャーウインドーが広がっています。窓からの光は左官壁の凹凸をくっきりと浮き上がらせ、穏やかな陰影をつくり出します。
南側の子ども部屋は、現在はひとつの部屋を二人で使っていますが、将来的には間仕切りを設けて二部屋にすることも考慮されています。
また、最も奥まった場所にある寝室では、テラス越しに見える植栽の緑と竹林の眺めに癒されます。

この家では開放的な風景を楽しめる一方で、洗練された目隠しや窓の配置の工夫により、外からの視線が巧みに遮られています。心からくつろげる住まいは、プライバシーが守られた安心感からもたらされる。そんなことをこの家は教えてくれます。
施主様コメント
「この家に使われているのは木、左官壁、石、スチール、アルミといった本物の素材ばかり。住み始めて7年が経ちましたが、とりわけ木部は味のある風合いに変わり、しっとりと落ち着いた空間になってきました。木々の緑にもよく馴染みますね」(ご主人)

設計・施工 d&bアーキテクチャー株式会社
大阪府岸和田市中井町1-9-1 Tel 0120-952-941