緑の家|roomz 星野建築事務所

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積雪荷重に耐えるように

構造を設計しながら開口部と室内空間を広々と確保。line_lite

I 邸の設計・施工を手掛けた、星野建築事務所roomzの星野貴行さんは、

「緑の景観に恵まれた環境だったので、外部空間と室内を一体として感じられるような、

開放感のあるプランを心がけました」

と話します。

 基本プランの段階からSE構法の構造を意識して、柱や梁の存在が目立たないように間取りを計画。開口部や建具、造作など、室内を構成する要素については、「天端や床など水平方向のラインが揃うように意識しました」と星野さん。そのおかげで、空間のアウトラインがすっきりとおさまることに。視界が整理されたことで、中から外へと自然に視線が通り、伸びやかに空間が広がっていく感覚が味わえます。

midori02 1階のリビングでは、東と南に向けてL字型に開口部を配置。東の開口部では、サッシに加えてガラスの欄間を入れ、天井がそのまま軒の出に連続するかのようなおさまりに。「窓枠は壁や天井に埋め込むように設置することで、窓の存在を意識させないようにしました」と星野さん。
南側に設けた耐力壁にはタイルを貼り、室内のアクセントに。「この壁はあえて少しふかしてあります。その厚みで枠が隠れ、壁にガラスが直接生えているかのように見せるためです」。

2,730mm の広い間口のポーチから玄関へ入ると、その正面には大きな開口部があり、来訪者は庭の風景と向き合うことに。外部からいきなり室内に入るのではなく、いったん玄関土間を家の内外における中間領域として感じさせる演出です。
ポーチと玄関において壁、天井、床に同じ仕上げ材を使ったのも内外の連続感を強調する工夫のひとつ。開口部を通じてひと続きの空間のように感じさせています。

このような設計の工夫で広々と確保した室内を鮮やかにインテリアが彩ります。キッチンなどで用いているタイルは、淡い色調の塗装を施してあり、タイルそのものの素材感を強調しながらも、柔らかな雰囲気に。
また、玄関からポーチ回りに張った無垢材には3種類のトーンの異なる塗装をかけました。これによって、壁面の眺めが単調になるのをさりげなく防いでいます。

line_lite家具を含めたインテリアも

最初から想定したプランニングで統一感のある空間に。line_lite

施主のIさんが新居のために用意したのは、実家の敷地の南側部分。そこには竹林が広がっていました。複数の住宅会社を検討していたIさんに、竹林を生かすプランを提案したのは、星野さんだけでした。

「ただ面白いだけのデザインはしたくない。きちんと機能を伴った美しい空間にしたい」という星野さん。プランの提案時には、家具などインテリアプランも盛り込んだパース画を施主に提示します。I邸でも、ブラックウォルナットの床にマッチする、モダンテイストのコーディネートを提案しました。
「図面だけでなく空間のイメージがビジュアルとして伝えられたので、斬新なデザインでも内容が理解しやすかった」とご主人も話します。

midori03 リビングの東側に竹林を望む大きな開口部を設け、南側にも実家の庭の様子を取り込んだ窓を用意。2方向に開いたリビング・ダイニングの北にキッチン、西側には和室が配置されたワンルームの空間が提案されました。

Iさんの要望を反映してLDKの天井高は約300cm。リビングの東と南に張り出した軒裏は、室内の天井と同じ栗の無垢板で仕上げられ、屋外へ延長していくかのような広がりを演出。リビング東側には1,820mmの出があるテラスも設置されました。窓越しの竹林の景観と室内とをつなぐ役割を果たしています。

ダイニングに対面したキッチンはオープンな雰囲気。しかし擬石タイルを貼った壁が要所に立てられて、シンクで作業する手元や北側のカウンター両端にある棚、冷蔵庫をさりげなく隠します。キッチンの隣には家族共用のデスクスペースを配置。奥様のミシンやご主人のノートパソコンなどが置かれているほか、今はまだ幼いお嬢さんの将来の勉強部屋としても想定されています。室内のコーナーに配され、扉もないので「気軽に出入りできていい」とご主人。

畳部分が一段高くなった和室は、リビングとの間の引き戸を閉めれば来客用の個室としても使えます。その西側にはご主人の趣味である楽器演奏の部屋も用意されました。顧客を自宅に招きたいというご主人のため、玄関ホールは間口約180cmを確保して広々と。

midori04 2階は、プライベートゾーンとして、寝室、個室のほか、洗面室、浴室、室内物干し場を配置しました。2階の各室は収納造作などを最小限にとどめ、家族のライフスタイルの変化に対応しやすいように設計。西側の寝室も現在は子どもが幼いためワンルームとして使っていますが、将来、10畳の寝室と6畳の子ども室に区切ることが想定されています。

擬石タイルを壁に実際に貼って質感を確認したうえで、塗装をやり直したり、照明計画についてもひとつひとつ打ち合わせるなど、きめの細かい設計・施工により、空間の完成度は高いレベルに到達することに。
「こうした空間を実現できる設計の自由性がSE構法の特徴だと星野さんに説明されました。自分たちの求める空間に住めるというのは、魅力でしたし、裏付けのある耐震性もあるのなら、と採用に同意しました」とご主人。

冬場には50cm以上の積雪も珍しくないという寒冷地のため、あえてバルコニーなどは設けませんでした。しかし、南と東の開口部を通して、リビングにはアウトドアの開放感と豊かな日差しが取り込まれ、無垢材の床にはまるで広縁にいるかのような日だまりが生まれます。

長期優良住宅仕様の気密・断熱性もあり、広々とした室内は床暖房で快適に。

心のゆとりも実感できる空間となりました。

 

設計・施工 roomz 株式会社星野建築事務所
新潟県新潟市中央区窪田町2-116 Tel 025-229-2302