理想を支える構造|AC15

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100cmの積雪荷重に耐える構造と、理想の住空間をSE構法で実現。line_lite

 a02アルコビ・リチャード・ロテムさんが母国イスラエルから日本に来たのは1991年。新潟の風土と人の温かさに魅せられ、永住を決意します。そして、建設業登録許可を取得し、2007年には設計・施工会社AC15を立ちあげて、店舗や住宅の建築を手掛けるようになります。
日本における人生の拠点に選んだのは、海辺近くの高台の土地でした。敷地を得ると同時にアルコビさんの頭の中ではマイホームのプランニングが始まりました。1階には愛車をおさめる大きな車庫と日課のトレーニング機器を備えたジムスペース、2階にはホームパーティーもできる開放的なLDKとオープンデッキ、3階にはホテルのような落ち着きのある寝室と露天風呂の趣あるアウトドアバス…。
しかし、夢を盛り込んだ間取り図を構造設計の事務所に持ち込むと、「実現できない」という答えが返ってきました。新潟市は多雪地域であるため、積雪100cmにも耐える構造設計が必要でしたが、フロアごとに間取りが異なり、壁の位置がばらばらなうえ、約7mのスパンを飛ばしたビルトインガレージの上階に吹き抜けのあるオープンLDKが配されたプランでは、在来木造でも2×4工法でも必要な構造強度を確保することが困難だったのです。
ビルトインガレージを採用する場合、当地ではRC造がセオリー。しかし、コストが高くなるため、木造で建てたい。そんなアルコビさんがたどり着いたのが、SE構法でした。

line_lite約7mのスパンのあるビルトインガレージと、3階のアウトドアバスを支える高精度の構造。line_lite

a03 バラエティーに富んだ3層のプランは、各階で荷重計算が行われました。ポイントのひとつは、1階の車庫。大型乗用車も余裕で並べることができ、バイクや自転車もおさまるワンルームの大空間は、120×300mm の平角柱を短いピッチで配置することで支えています。

 また、もうひとつのポイントは車庫の上に配された吹き抜けです。南に広がる街の景色を取り込むリビングでは、デッキテラスとのつながりを演出するため、大きく開口部を確保。リビングの上部には通路が回廊状に巡らされた吹き抜けが設けられ、採光・通風と

ともに空間に開放感をもたらすことに。
吹き抜けは、2階と3階を貫く通し柱で支えることで、火打ち梁などで視野が遮られることなくダイナミックに広がる空間に。「SE構法の施工は初めてでしたが、マニュアルに従えばいいので、まったく問題なく仕上がりました。イスラエルではここまで施工精度が高くないので、なかなかスムーズに建築できないのですが…」とアルコビさん。
3階の南側には十和田石を貼ったアウトドアバスを設置。浴槽は500Lの容量があるため、お湯を入れると相当な重量になりますが、その荷重を見込んだ構造設計になっています。
「開口部を大きく取って景観を取り込んだり、テラスやアウトドアバスによって暮らしを外へ延長させたり、吹き抜けで室内に明るさと風をもたらしたり。構造の自由度が高いので、耐力壁などの制限を受けることなく、やりたいことをすべて採用できました」。
今では他の施主にも積極的にSE構法を薦めているそうです。

line_lite毎日の生活にラグジュアリーな喜びを。変化に富んだ3層のプラン。line_lite

 これまでは店舗の設計・施工で高い評価を受けてきたアルコビさんですが、今後は個人の住宅においても力を入れていきたいと話します。「この家には生活を楽しむための要素を盛り込みました。この空間を見てもらえれば、一般のお客様もイメージをふくらませやすいはず」。
アルコビさん夫妻もこの家で暮らすようになって生活のスタイルが変わったといいます。「それまでは朝に弱かったのに、起床してすぐ1階のジムで汗を流すようになりました」と奥様。
室内はリビングに敷設した床暖房で均一に暖められ、厳しい冬でも快適に過ごせるようになりました。寝室、和室なども好みの仕様で仕上げられ、3層とも変化に富んだ空間に。アルコビさん夫妻は、家を持つ喜びを自ら実感しているところです。

設計・施工 株式会社AC15
新潟県新潟市中央区東中通1番町187-3クレアビル5F Tel 025-224-0224