拡がる住まい|山口企画設計

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どこまでも広がるオープンな室内空間。line_lite

郊外の高台へ向かう坂道を上がっていくと、緑の芝生と木々に囲まれた白壁の邸宅がゆったりとその姿を現わします。山口企画設計の社長、山口幸一郎さんの自邸です。

同社では所沢市を中心に分譲住宅や注文住宅を手掛けており、豊富な設計・施工の実績を蓄積しています。

「自邸では、そんな当社のノウハウを生かして、こんなこともできる、という家づくりの可能性を示したかった」と山口さん。
室内では大きな吹き抜けのあるLDKを中心に、1-2階ともオープンな空間が広がります。
「環境に恵まれた敷地なので、内部も開放感のある空間にしたいと思いました。耐力壁で遮られる可能性の少ないSE構法はうってつけでしたね」(山口さん)。
y02この設計を可能にするため、耐力壁は吹き抜けの南と東に3ヵ所ずつ、またリビングと玄関の間の仕切りにも入れて大空間を形成。また階段に沿ってLDKの南北方向に梁を渡すことで約6.3mの大スパンを支え、その荷重は中央の柱で受けることに。
「構造もどこまで表わしにするか、細かく検討しました。SE構法の構造材は存在感があるので、すべての構造を見せるのではなく、空間におけるメリハリを考えて計画していきました」(山口さん)。
玄関からLDKへ足を踏み入れると、室内を飛び越して一気に庭まで視線が抜けていきます。リビング階段の向こう側には見上げるような大きな吹き抜け。この家を訪れた人は、誰もが驚く、ダイナミックな空間構成です。
大きな切妻屋根の下に展開される室内は、間仕切り壁も最小限に。フラットな床はどこまでも続いていくかのようです。

line_liteナチュラルな素材でモダンテイストに。自然との一体感を楽しめる住まいに。line_lite

 プランニングにあたっては、インテリアショップにお勤めされていた奥様が中心になって、構想をまとめていきました。目指したのは、周囲の自然とも違和感なく溶け込む、ナチュラルなモダンテイスト。外壁には火山灰を原料にした左官材を採用。内部は、床に無垢のナラフローリング、壁には珪藻土クロスを用いました。「無垢の床は感触がいいですね。歩くのでさえ心地よく感じられます」と山口さんも実感。

 ワンルームのLDKは庭に面して大きな開口部を確保。高窓や2階の天窓などからも採光が図られました。庭を眺める窓は、木々をもっとも美しくフレーミングできるように、細かく配置が検討されています。また風の流れについても意識され、壁に通風窓を設けたりするなど、室内を吹き抜けていくように計画することで、心地よく自然換気が行われることに。
そのほか、建具枠やサッシ枠が表に見えないようにおさめるという工夫もあり、室内はすっきりとした印象に。
1階ではバーベキューを楽しめる大きなデッキ、2階では花火見物の特等席となるバルコニーを用意。それぞれ山口邸のアウトドアリビングとして機能します。内外が一体となったのびやかな住まいとなりました。

「SE構法で大きな空間を確保できたので、あとはいかにそこを演出していくか。試行錯誤することができてよかったです」。

line_lite太陽光発電を外観デザインに巧みに取り込み、自然のエネルギーを有効に活用。line_lite

y03 周囲は緑に囲まれ、日当たりも十分。そんな環境を生かし、南向きの屋根には太陽光発電パネルを搭載。敷地内の別のパネルも合わせ、計17.3kwの発電量を確保しました。シンプルな形状で安定した構造ということもあり、パネルの重量にも十分耐える強度を無理
なく持たせることができました。設置用の架台を設けず、屋根と一体型のパネルとしたため、傾斜30度の緩勾配の屋根はゆったりと。シンプルな切妻のフォルムもしっかりとした輪郭を浮かび上がらせ、印象深い外観となりました。

 基礎には砂利層とコンクリート層を重ねて床下空間をなくす蓄熱床工法を採用。深夜電力を利用する温水式床暖房を基礎全面に敷設することで、広々とした室内を輻射熱によって均一に暖めています。断熱材にはセルローズファイバー、開口部には高断熱サッシを使用したことで、建物の断熱性も高水準に。エアコン2台で冷暖房をまかなうことができ、夏涼しく冬暖かい住まいが実現しました。
「所沢エリアの住宅需要に幅広く応えるためにも、SE構法のような自由度の高い構造をベースにさまざまな技術を使いこなせるようにしておきたい。
今回の家づくりではそんな思いもありました」。こう語る山口さんの笑顔には十分な手ごたえが感じられました。

設計・施工 株式会社山口企画設計
埼玉県所沢市喜多町9-5 Tel 04-2939-1101