まずは住まいを振り返る Vol.2

20150306top

 

◎リフォームのきっかけは収納不足

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大阪で暮らすKさん一家は、夫婦と姉妹の4人家族。設計者であるKさんが30代のときに建てた3階建て住宅に住んでいます。新築当時は、限られた予算のなかで構造と断熱だけはしっかりつくっておこうとSE構法を選びました。
築15年が過ぎ、6歳と1歳だった姉妹が年頃になって、生活スタイルにさまざまな変化が生じてきました。
リフォームを考えるきっかけとなったのは、溢れんばかりの姉妹の洋服や雑貨。これらを整理してしまっておけるウォークインクロゼットを部屋の一画につくろうということになったのです。 洋服や雑貨は、父親が想像する以上に溢れてしまうもの。 はじめは簡単なリフォームを考えていたKさんですが、いい機会だからと「住まいの棚卸し」を実践してみることにしました。

◎家族で住まいを振り返る

Vol2_ph2棚卸しと一言でいっても、何をどうすればよいのか。まずは家族で住まいを振り返ることから始めてみましょう。ただし、家の傷んだところを指摘し合ったり、あーしたいこーしたいと意見を言い合うだけでは、本当の意味での棚卸しとはいえません。棚卸しとは、なんとなく折り合いをつけてきた夫婦、親子、兄弟姉妹の関係を見つめ直し、それぞれが考える将来について意見を出し合い、互いにすり合わせる作業といえます。そうすることで、自ずと家のあり方が見えてくるのではないでしょうか。 とはいえ、家族で話し合うことは意外と難しいもの。家族だからこそ、改まって意見を出し合うのは気恥ずかしいですし、そもそも普段口にしないような話題をうまくまとめて言葉にするのは簡単ではありません。

下記は、筆者がKさん家族と実践した「住まいの棚卸し」のヒアリング項目。
ポイントは、家族全員に答えを用意してもらうこと。

① 「自分の家」と言われて、最初に思い浮かぶものは何ですか?

② 今の家で一番好きなところは、どこですか? 嫌いなところはありますか?

③ 子どものころに好きだった場所はありますか?(家に関する思い出と言えば?)

④ 勉強や趣味など個人的な作業がはかどる場所はありますか?

⑤ 「家に帰りたい」と思うとき、家のどんな場面を思い出しますか?

⑥ 家に友人・知人を招いて過ごすことはありますか?

⑦ 新築時にこだわったことや印象に残っていることはありますか?

⑧ 新築時にはよいと思っていたが、後から「必要なかった」と思ったものはありますか?

⑨ 新築時にあきらめたことで、今でも実現したいことはありますか?

⑩ 今の家を「変えたい!」と思っていることを具体的に教えてください 。

ヒアリングは、個別の面談形式で行いました。何気ない質問ですが、話を聞いていくといろいろなことが見えてきました。

このように第3者と話すことで、自分でも気づいていなかった「自分の本音」に気が付くことがあります。

また、なぜ自分がそう思っているのかを整理することもできます。棚卸しとは「家族の当たり前」を客観的な視点で見ることが大切です。

この第3者になれるのは、設計事務所や工務店といえるでしょう。

文・木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)

撮影・渡辺慎一