〜あなたの家はいくらですか?〜【3匹の子ぶたvol.034】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


 

あなたの家の値段はいくらですか?(1)

あなたの家はいくらですか?


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あなたの家が買ったときより必ず高く売れるとしたら……。

家を新築するときに将来売ることを考えて買う人は少ない。将来高く売れる住宅を意識していたら、住宅購入は貯蓄と同じ効果を発揮するのだが、いまだけを考えて購入した家は負債になってしまう。 何のことだかわからないという人は、もうすでに損をしている。重要なことなのだが、住宅を資産として考える習慣になじみのない日本では、このことはあまり語られていない。 私の家族のなかでこんなことが起こった。 父は25年前、埼玉県に家を新築した。3階建てに建て替えて間取りを増やしたのだ。約2500万円かけてつくられたその家は20年後、2世帯で住むには手狭、老夫婦の二人暮らしとしては無駄が多い。売却も検討したが、不動産鑑定すると建物価値は0円。更地のほうが高く売れるとの鑑定結果だった。

一方、私の妻は高校からアメリカ(カリフォルニア州)に留学し、大学を卒業するまでアメリカに住んでいた。家賃を払うのはもったいないと20年前に現地で木造のテラスハウスを約20万ドルで購入した。「なんという無駄遣いをするのだろう。留学した娘の家を購入するとは親バカにもほどがある」と腹を立てるのは、私だけではないと思う。 しかし、その後の末を聞いて驚いた。10年前に帰国した彼女(実際には物件所有者の父親)は、七年間その家を賃貸住宅として人に貸し収入を得ていた。三年前に売却することにしたのだが、なんとその家は30万ドルで売れたのだ。アメリカでは賃貸に住むよりも、住宅を購入しメンテナンスしたうえで売却するほうが資産形成になるというのが常識だったのだ。「私の常識のほうが間違っていた」と思わざるを得ない。 20年で2500万円の住宅の価値(資産価値)を失った日本の家(父の家)と、20年で家賃収入と売却利益10万ドルを手にしたアメリカの家(妻の家)、どちらがよいか議論の余地はない。

日本人の常識は「無駄遣いをせず、こつこつ頭金をため、いつかは一戸建ての住宅に住もう。一生涯ここに住むのだからできるだけ収納を増やして、家族全員の個室をつくろう。

そのためには、できるだけ土地いっぱいに建物をつくろう」と考える。

アメリカでの常識は「よいロケーションで家を購入し、手入れをしっかりして、なるべく高く売れるようにしよう。

家族構成が変わったら転売して、自分の家族に見合った住まいをまた買おう。将来定年で退職したら静かな暖かいところに引っ越して豊かに暮らそう」と考える。

日本人の美徳として「質素倹約」「つつましい生活」「贅沢は敵だ」といった声も聞こえてくるが、住宅購入代金の損得で考えれば、どうみてもアメリカの常識のほうに軍配があがる。


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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