~日本の住宅の常識は世界の非常識~【3匹の子ぶたvol.038】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(5

~日本の住宅の常識は世界の非常識~


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日本では一年で約一一九万戸(二〇〇六年)の新築住宅が建設される。人口は約一億二七〇〇万人。
アメリカでは新築着工数一八一万戸(二〇〇六年)に対し人口二億八〇〇〇万人。
イギリスは新築着工数一七万五〇〇〇戸に対し人口約六〇〇〇万人。

日本は人口当たりの着工数でいうとアメリカに比べて一・六倍、
イギリスに比べ三・四倍もの新築住宅を建てていることになる。

 

一方、中古住宅の流通量は日本の約一六万戸に対してアメリカは約五一〇万戸、
イギリスは約一五〇万戸とそれぞれ桁が違う。

日本人は古い物を大切に使う文化がないということなのだろうか?

建築家で住宅評論家の南雄三氏は、日本では家の価値を住まい手(施主)
一代だけの満足度で考えるのが当たり前になっているが、これは世界の非常識だという。

世界の常識は中古流通を繰り返して、数百年も社会に役立ち、
自然への負担を軽くし、住まい手自身にも高く売れることによって
生活の負担を大幅に軽くさせる家、つまり資産価値のある家であり、
そのために安全で健康で快適で誰にも愛されるような家を最初からつくるのだ。

同様の理由で周辺の街並みや環境にも気を配る。

近所に街並みを乱すような変な家ができたり、
環境が悪化すればそれだけ自分の家の資産価値が下がってしまうので、
街づくりにも気を配る。 日本では若い頃はアパートやマンションに住み、
結婚して子どもができたら最終的には庭付き一戸建てに一生住みつづけるというルートが
理想になっているが、欧米ではこれも違う。

子どもが生まれたり、独立したり、親が他界したりして家族の状況が変わったら、
同じ家に住みつづけることが不合理なのだから、その住宅は売ってしまう。

そのたびごとに中古住宅を買ったり売ったりしながら何度も住み替えを繰り返す。
よりよい家に、より自分に適した家へと移っていくのである。

日本人は一戸建てに行き着くまでは住み替えるが、
一戸建ての家を建ててしまえばそれが終点だと思っている。

世界の常識はそこからまた住み替えを繰り返すのだ。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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