~変わる中古住宅税制~【3匹の子ぶたvol.044】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(11

変わる中古住宅税制

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世間ではあまり注目されていないが、すでに、中古住宅流通に向けて税制が変わってきている。
平成一七年「中古住宅に係る特例措置における築後経過年数要件の撤廃」という法律が出された。
税制面ではこれまで新築中心の優遇措置があったが、
今後は中古住宅の流通を促進するための税制に変わっていくだろう。
たとえば、住宅ローン減税制度とは、住宅ローンの金利負担分は所得から一部控除するという制度で、
新築住宅を購入する人は必ず利用している。二〇〇七年現在では、
三〇〇〇万円以上の住宅ローンを組むと年に三〇万円の税金が返ってくる。
ここでは細かい解説はしないが、これは住宅の購入者に対する優遇制度である。
これらの特例は築二〇年超の古い住宅を購入するときには利用できなかったが、
平成一七年度から二〇年超(耐火建築物は二五年超)であっても利用できることになった。
中古住宅を流通させようという国の方針転換の現れである。
今後は築二五年以上のマンションが大量に発生してくる。
それをすべて建て直すとなると大変な作業になる。といって、こうしたマンションが中古になり、
誰も買い手がつかなくなり廃墟となってしまうと社会的に問題だ。
当然、中古住宅の流通はこの国の大きなテーマになるのだ。
ただし、改正によって築年数は撤廃されたものの、本制度を利用できる住宅は
「新耐震基準を満たすもの」という条件がつけられている。
一九八一年五月の建築基準法改正以前に建てられた建物は新耐震基準前の建物だから、
「耐震基準適合証明」を受けることが条件となったのだ。古くても構わないが、
耐震性は確保されていなければならない、というわけだ。当然であろう。
ただ、ここでも木造住宅は圧倒的に不利になる。
構造計算をしてこなかった木造住宅では構造強度を証明する書類などがないので、
壁の数の多寡しか基準を満たす方法はないからだ。
しかし、当時の建物はコストの関係から筋交いや壁はギリギリでつくられているので、
優遇税制の対象になりにくいのである。
さらに、いまの壁量規定でつくられた木造住宅でも耐震基準が変わったときには耐えられるかというと、
大いに疑問が残る。時代が変わっても中古価値を決めるには、
構造の物理的な根拠(構造計算書)が必要不可欠になっていくはずである。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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