~日本の伝統家屋はスケルトン&インフィル?~【3匹の子ぶたvol.046】

ダウンロード (3)

第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(12

日本の伝統家屋はスケルトン&インフィル?

ダウンロード (3)

日本の伝統工法の家は、理想的なスケルトン&インフィルになっていたと思う。
伝統家屋の定義についての言及は避けるが、武家屋敷などを想像していただきたい。
大黒柱は太く、大きな梁を支え、柱と梁だけで家の構造を支えていた。
構造的にはラーメン構造に近いといえる。
梁は襖や障子(パーティション)を動かすレールの役割もこなし、合理的な機構であった。
襖や障子で部屋を区切っており布団を敷くことで寝室にもなったが、
襖や障子を外せば大広間になった。
その襖の絵柄を張り変えて、内装の変化を楽しむこともできた。
障子は張り替えることでまったくの新品に換わり、
畳は専門の職人の手を借りずに取り外すことができた。
また、表面が古くなれば、職人に依頼して畳表を裏返して使うこともできるという
非常に合理的な素材だった。一階の床下の縁の下には人が簡単に入ることができるため、
メンテナンスも容易であった。
水を扱う場所は家の外か家の一番端に置かれていたため、
間取りの変更と設備の変更とは干渉しなかった。 そのつくりは、
メンテナンスも十分に考えられていたので、何代も利用可能な仕組みになっていた。
こうした伝統工法の家においては、築年数という考え方はなじまない。
古い家のように思われるかもしれないが、私が子どものころに住んでいた家(木造平屋)は、
風呂場は家の外にあり、台所は家の一番端にあった。木造にとっての耐久性の敵は水なので、
家のなかに水が入らない仕組みで耐久性を維持していたのである。ただ、冬は寒かった。
その旧家も取り壊されて、いまはない。 念のためにいっておくが、
いま一般に売られている在来木造工法と呼ばれる家の構造は、伝統工法ではない。
少なくとも、壁量規定で建てられている木造住宅に伝統工法を見ることはできない。
いま、この工法を復活させるには、職人の問題もさることながら、
材料の調達などがあまりにも困難だし、家の断熱性能にも不満が残るため現実的ではない。
しかし、現代の技術をもってすれば、木造ラーメン構造の家をつくることは十分できる。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

大地震のたびに繰り返される悲劇の本当の原因は何か?本書に、その答えのすべてがある。「日本の二階建て木造住宅の97%以上が構造計算されていない」という事実を知っていますか?“家”の考え方が180°変わる目からウロコの書。 単行本 213ページ 発刊:2007年11月 発行:ダイヤモンド社 →書籍のご購入はこちらから