~ 脱nLDK発想で始める家づくり~【3匹の子ぶたvol.050】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(14

脱nLDK発想で始める家づくり

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住宅の歴史をたどりなおしてみると、DKもLDKもその時代にとっては必然であったことがわかる。

DKの間取りを考えた建築家で東京大学の鈴木成文教授(当時は研究生)らは、
たくさんの家族を自らの足で歩いて訪ねている。その結果が寝食の分離と、世代(親子)が分離した
「新しい住まい」であった。2DKは、当時の日本人が心のなかで求めた住まい方の一つの形だったのだ。

だからこそ、多くの人の心を捉えたのであろう。
公団住宅はDK、LDKなどの間取りやシステムキッチンを普及させ、
高度成長期の庶民にとって憧れの生活空間を提供し、民間の住宅建設のモデルになった一方で、
画一的な住宅建設が個性のない街並みを生み出し、日本人の住環境を型にはめてしまった側面があることも事実だ。

また、特に大量供給期の物件は今日的な基準からは設備に不十分な点が多く、
リニューアルも困難で、老朽化した住宅の取り扱いが課題になっている。

また、nLDKの普及と2×4(ツーバイフォー)工法・戦後在来工法の普及は無関係ではない。
個室偏重型・設備偏重型ともいうべき固定的な間取りの普及と壁による耐震構造は、よくマッチしている。
壁と天井と床で箱をつくる家は、戦後の日本の象徴でもある。

しかし、設備の老朽化とともに捨てられていく木造住宅は、これから変わっていく時代に差しかかっている。
日本の住宅事情は、五〇年前とは比べ物にならないくらいに変わった。

もう我々は、「建てたら終わり」という住宅づくりから抜け出し、nLDKという呪縛からも解き放たれて、
家を考える時期に来ているのではないかと思う。

住宅を購入するときに「一生に一度の最大の買い物」と力む必要はない。

もし、その土地が好きならば、永く利用できるようにこれからの家族の形をじっくり考えればよいし、
必要であれば転売することを考えたり、将来の収入によっては人に貸すことも考慮していく必要がある。

とにかく冷静になって、一人でも多くの人が
「いまだけを考えて家を買うと損をする」ということを理解してくれると、日本人はもっと豊かに暮らせるはずだ。
日本人は何千万円もかけて建てた住宅を使い捨てする、たぶん世界で唯一の国民である。このサイクルを変えよう。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

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