~自動車のようにモデルチェンジをする家では資産価値にならない~【3匹の子ぶたvol.051】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(15

自動車のようにモデルチェンジをする家では資産価値にならない

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資産価値のある家を考えるうえで邪魔になることの一つに「年式」がある。自動車の例がわかりやすい。
中古車市場では、価格は車種と年式で査定される。フェラーリのような希少価値のある車は別として、
一般には年式が一〇年前のものだと価値はなくなる。住宅メーカーのプレハブ住宅も似たようなものだ。

これまで国は国策としてプレハブ住宅に大きく関わってきたが、そうやってつくられたプレハブ住宅は、
はたして日本の住宅の資産価値を向上させてきたか、住宅本来の豊かさを感じさせる消費者を増やしてきたかといえば、
NOと言わざるを得ないだろう。 日本の住宅メーカーが提供している住宅は、量販型の自動車のような発想でつくられている。

住宅メーカーはマーケティングにより住宅のデザインをつくる。

数年ごとに目先を変えないと売れなくなってしまうと考えているため、輸入住宅が流行れば輸入デザインを、
プロバンス風住宅が人気といえば南欧プロバンス風の外観を、低価格住宅が流行れば坪当たり二五万円の家をというように、
目の前のお客様のいまだけを追いかけてきた。 プレハブとは、プレファブリケーションの和製略語で、
「あらかじめ工場でつくる」という意味である。大量に同一のものを工場でつくるプロセスから、
ローコストで大量につくれることが前提の住宅である。

そうした方法も戦後の高度経済成長期には必要だったのだ。
モデルチェンジを頻繁に行ない、買い替えを前提として生まれてきたから、彼らの住宅展示場は五~七年で建て替えられる。

高度経済成長を背景にした、たくさん消費する人がよい消費者というイケイケ型消費環境のなかで、
「資産価値」など微塵も考えてこなかった時代の産物なのだ。

フルモデルチェンジする住宅メーカーのデザインには、長期間支持されるデザインつまり普遍的なデザインという発想はない。

流行で決めたデザインは、流行が終わると価値がなくなる。一定の期間ごとにフルモデルチェンジをするということは、
古いことが一目瞭然になるということだからだ。量販商品には骨董的価値もない。

メンテナンスに関しても工場で生産されてきたので、現場での再現は難しい。

塗装や接合はメーカーの自社工場で行なわなければできないものが多いので、
家を購入した人が「自分でペンキを塗る」「自分で棚を設置する」といった
欧米で行なわれているような価値を維持するメンテナンスはできない。

おまけに古い物は製造中止になっているので、何十年も利用することは住まい手にとって困難である。

そんななかで、積水ハウスや旭化成ホームズなど一部のプレハブメーカーは、自社ブランドの住宅についてのみだが建物の評価をし、
築二〇年の住宅でも建物価格をつけて販売できるような仕組みをつくりはじめている。買い取り保証制度のような考え方である。

自社製品であれば自社でメンテナンスをして、自社の保証をつけて再販するわけだ。近い将来、主流になる長寿命住宅、
中古住宅市場を明らかに視野に入れた先駆的な取り組みだと注目している。
築二〇年のプレハブを一般の方々がいくらの値段で評価するか、今後の動きが楽しみである。


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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