~住宅の資産化に必要な制度とは?~【3匹の子ぶたvol.056】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(19

住宅に資産価値をつけるために必要なこと

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日本の住宅の資産価値は、木造住宅の場合二〇年でゼロという話をしたが、
住宅に担保価値をつけるために一番必要なことは中古住宅のマーケットをつくることだ。

中古住宅市場を形成することの本来の目的は、個人住宅を資産化していくことである。

これはつまるところ建物に価値を与えて金銭的に評価し、投資なり、リバースモーゲージによる年金型融資なり、
世の中のお金を回すことにほかならない。 初めて住宅を取得する一次取得者にとっては、住宅ローンは負債ではなくなる。

住宅ローンが払えなくなったときに転売できれば生命を投げ出さずに済む。
金融機関は、担保をとっている住宅が競売で高く売れれば問題はない。

「二〇〇年住宅ビジョン」のなかで、中古住宅市場の活性化が目標になっているが、
中古住宅を新築時に近い値段で流通できるかどうかが大きなポイントである。
担保物件の価値をいかに維持するかということが重要なテーマになっているのだ。
しかし、残念ながらいままでの住宅では中古の価値はほとんど期待できない。

誰でも中古住宅を買おうとすれば、その家は地震には大丈夫なのか、
欠陥住宅ではないかなど、安全について心配するのが当然である。

姉歯元建築士の耐震偽装事件が発覚したとたんに、マンション所有者の苦悩の日々が始まったが、戸建て住宅であれ同じである。
まして誰が注文したか、誰がつくったかわからない中古住宅を新築と同レベルの金額で買う人がいるはずがない。
住宅の資産価値は、利用価値を認められると高くなり、利用価値がないと判断されるとゼロに近づくことになる。

「資産価値のある家」とは、単に物理的、社会的に長くもつということだけでは実現できない。
それを支える制度をどうつくるかにかかっている。 では、制度として住宅の資産化に必要なのは何か?
第一に必要なのは、明確な性能のルール、客観的な評価の仕組みであり、保証制度である。

さらにはリバースモーゲージなどの金融制度の構築も不可欠だ。二〇〇一年八月、
国土交通省は「住宅市場整備行動計画(アクションプログラム)」を発表した。

自民党の「二〇〇年住宅ビジョン」はこの仕組みをもとに構想されていくであろう。
こうした制度が浸透していくことで、今後の日本の住宅は次のような環境を形づくっていくのではないだろうか。

・住宅建物の再販価格は購入者のみならず金融機関にとっての必要条件になっていく
・構造基準・客観的評価・保証のシステムが構築され、義務化される
・資産価値が維持できる住宅は中古住宅として再販可能な住宅になる
・資産価値が維持できる住宅には今後有利な金融サービスが受けられるようになる

■住宅市場整備行動計画の骨子
①住宅価値を判断する客観的な基準作り
②中古住宅での保証制度
③リフォーム契約書の整備
④長期耐用型住宅の推進
⑤住宅を不動産として証券化するための法整備


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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