~資産価値のある家の五つの条件~【3匹の子ぶたvol.057】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(18

資産価値のある家の五つの条件

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その建物の強度がわからなければ買う気にもならない。
地震のたびに怖い思いをする家は買わない。

一〇〇年に一度の地震に耐えられるようにつくられていなければ、
一〇〇年の価値はないことになる。地震国日本においては、
当然大地震に遭うことを想定してつくらなければならない。

これまで何度も繰り返してきたように、そのためには構造計算が不可欠である。

二つめは耐久性。 木造の住宅を建てる場合は、その耐久性を考慮することは当然だが、
木の耐久性にとっての一番の敵は腐朽菌とシロアリである。

両方とも木に水分が付着したときに起こる。
木は含水率が高くなると腐りやすくなるし、シロアリも含水量が高くなると木を食べはじめてしまう。

シロアリは、水分がないところでは生息しにくい。
したがって、耐久性を保つ方法は、まず十分乾燥した木材を使用することである。

現在の木造住宅では、木を乾燥するのに十分な時間とコストをかけることが難しいので、
集成材を利用することを勧めたい。

普通販売されている乾燥木材は含水率二〇%程度であるのに対し、
集成材においては含水率なんと一二%以下(ほぼ平衡含水率)でつくられているため、
この点でも利用価値は高い。そして、常に木材を乾燥状態に置くことが重要である。

日本の歴史的な建築物を見ていただくとよくわかるが、木は常に外気に触れている。
湿気を閉じ込めたつくり方をしていない。

できれば、梁や柱は・現し・(構造材を見せる工法)にすることをお勧めしている。
また、住宅に使用する建材類も経年変化が激しいプラスチック製品や、塩ビのものは避けるべきである。
デザインにも関係するが、古くなっても古さを感じさせない素材、つまり天然素材を利用すること。

前述したが、外壁等もできるかぎりメンテナンス可能なもの、現場塗装品を利用することをお勧めしたい。
三つめとしては、家が変化する生活様式に耐えられること。

つまり、スケルトン&インフィルの家であることである。
nLDKにこだわった間取りと壁が固定された家の仕組みでは、一代限りで利用価値がなくなってしまう。
自分が長く利用できる家は、第三者にとっても利用価値が高い家となるのだ。

四つめは、現在の制度面にも関係があるのだが、第三者による施工履歴が残っていることである。
国も制度を整備中だが、まずは、第三者の検査に依頼すべきである。

中古住宅流通のさかんなアメリカでは、売買の際にはデューデリジェンス(物件履歴)が必ず求められる。
つくった本人(ハウスメーカー)の施工履歴証明では手前味噌が許されるため、
アメリカでは自社の施工履歴書では証明としての有効性がない。

さらに、施工履歴に対して保証や保険がついていることも必要な要素である。

住宅の資産価値を維持していくための数値化された住宅性能、
安全性能を示したのが構造計算による「性能報告書」だが、それがあるだけでは十分ではない。

なぜなら性能を保証できるように施工されていたかどうか、
その性能を第三者が「保証」しなければ、本当にその「性能報告書」が正しいのかどうか、
わからないからである。繰り返すが、日本の家が中古流通しない理由の一つは、その建物が誰によって、
どんな材料で、いかにして建てられたものか証明するものがないからだ。

最後の五つめとしては、
その建物が古くなっても欲しいと思えるデザインや素材でつくられているかどうかである。

ハウスメーカーのマーケティングによる流行商品住宅は、
一〇年後には流行遅れのただの古い家になってしまうし、
プラスチックの外壁の家はメンテナンスできないので、
やはり、ただの古家になってしまう。このことについては第3章で詳しく述べていきたい。


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

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