~五つの条件をそなえた住宅会社はあるのか?~【3匹の子ぶたvol.058】

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第2章 あなたの家の値段はいくらですか?


あなたの家の値段はいくらですか?(20

五つの条件をそなえた住宅会社はあるのか?

 

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・住宅難民・ともいえる日本人を不幸にしないため、資産になる家の制度と条件を列挙したが、
残念ながらすべての住宅メーカーが賛成してくれているわけではない。
企業としての利益追求のなかでは、どうしても肯定されない部分が多いのが実態だ。

建築基準法で義務化されていない安全のための構造計算すら、
やらないメーカーが大半なのだから、うなずいていただけると思う。

そんななかで播繁氏の提唱した木造住宅(SE構法)を利用し、
すべての住宅で構造計算を行なっている工務店やメーカーの組織がある。

「重量木骨の家の会」である。

木造住宅の全棟で構造計算を行なっている全国の工務店ネットワークによるこの会は、
住宅の資産化に向けた取り組みをいち早く取り入れている。

また、三年前からすでに第三者の検査をすべての販売物件につけており、
すでに住宅性能保証制度というものも整備している。

これは完成後の性能を保証する制度であり、
施工管理を行なう施工管理技士と民間の第三者検査機関が現場で立ち合いのもと、
工事の進捗に応じて三回にわたる厳しい検査を行ない、
それを大手損害保険会社に提出して性能についても保険化している。

第三者が保証した性能を持っている家、
いわば「血統書」と「鑑定書」つきの家を販売しているのである。

この制度の注目すべき点は実効性にある。

保証といっても「性能報告書」をつくった建築会社が倒産してしまうと
その保証書が紙くずとなってしまうのでは、不安だ。

「重量木骨の家」の保証制度は第三者の保証であるがゆえに、
万が一のことがあっても保証は必ず実行される仕組みになっている。

たとえば、あなたのお宅をつくった工務店が倒産してしまったとしても、
保証期間中は別の「重量木骨の家の会」のパートナー会社があなたのお宅を守るのである。

保証は所有者が変わっても継続される。
だから中古になっても買い手は安心感を持てる。

それが資産価値につながる。

なぜこのようなことが可能なのかというと、建物の性能データをパートナー工務店だけでなく、
検査会社などが共有できるため、万が一の不測の事態が起こっても建物履歴情報が役立つからである。

全国の工務店のネットワークだからこそできる態勢である。
こうした「保証制度」は今後一般的になってくるであろう。

リバースモーゲージなど高齢化社会での金融の仕組みや中古流通の仕組みのなかでは、
建物の信用と利用価値を示すうえで重要な要素になるはずだからだ。

これからの住宅は、耐震性や耐風性といった強度性能などの数値と、
それらをもとにした保証や保険といった金融制度によって守られなければならない。

さらに、「重量木骨の家の会」の特筆すべき点は、
住宅メーカーのような画一的なデザインの家ではなく、
全国に点在する会社ごとにそれぞれまったく違ったデザインや素材・外観が、
その地域の気候・風土を考慮しながら、計画的につくられていることにもある。

顧客のいまでなく、将来のことを考慮し、
それぞれの顧客に対しそれぞれ違った提案や間取りが実現していることは、
保険制度よりも中古市場や住宅の資産化にとって価値があることかもしれない。

私は「重量木骨の家の会」のような取り組みは今後広がってくることは間違いないと思うし、
そうあることを期待している。

ところで、私が一〇〇年住宅について講演をすると必ず出る質問がある。

「私はそんなに長く生きてないので、そんなに長持ちしなくてもいいから、
もっと安くしてほしい」 私の答えはこうだ。

近い将来、消費税増、社会保険料増、
医療費増とさまざまな負担が増加するなかで家を買うときに、
値段や見た目のよさだけで選んでは後悔することになる時代が必ず来る。

仮に一〇〇万円安く家を買っても一生涯では
ゆうに数千万円も支払いコストが違ってくることがあるのだから、
資産価値のある家は将来の安心を買っているのと同義なのである。

あなたのお子さんやお孫さんが家を持つことがいま以上に困難になってくることも考えたなら、
賢明な選択はおのずと決まってくるし、そういう方向に進むほうがむしろ自然ではないだろうか。


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

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