~家づくりが医療から学ぶべき事~【3匹の子ぶたvol.065】

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第3章 つくる住宅から、しつらえる住まいへ


つくる住宅から、しつらえる住まいへ(2

家づくりが医療から学ぶべき事

私たち家族は最終的に手術をすることを決断したが、開腹してみると思った以上に患部の癒着があり、
術後も長くリハビリを要した。その間も何度もリハビリと投薬に対する説明が行なわれた。
そのことで本人も家族も覚悟と納得をしながら回復を待つことができた。
現在、父は完全に復調し、フィリピンでNGO活動を続けている。
私の父はラッキーであったのかもしれないが、主治医のQOLに対する姿勢には感謝である。
私事でありながら長く父の話を出したのは、この医師の対応は家づくりにおいても学ぶことが多いと思うからだ。

一、家を建てる前に地盤や構造についてなど、専門家の意見も聞くこと。客観的な数字による検証をしっかり行なうこと。
二、将来設計・生活のなかのこだわりを十分に取り入れられること。また、住宅ローンの返済計画なども今後の生活に影響があるのでしっかり教えられること。
三、セカンド・オピニオン(第三者の意見)に対しても抵抗することなく、しっかりと聞き入れてもらうこと。
四、住んだ後の相談にしっかり応じてもらえるつくり手を選ぶこと。

住宅は、建てる前よりも建てた後のほうが大切になることはいうまでもない。
そこに、家族が一〇年、二〇年と生活をするのだから、いまだけの状態を判断して家をつくると将来損をすることは、第2章でお伝えしたとおりだ。
家を注文するときに、「お任せします」という施主がいる。
あたかもよい人に思われがちだが、経験からいうと実際は曲者(ルビ:くせもの)である。
私は「お任せします」はまったく危険な行為というほかないと思っている。
こだわりがあっても「大工さんの機嫌を損ねたくない」とか「この人なら何とかしてくれるにちがいない」と思い込んで、そういってしまうケースが多いからだ。
「主治医に失礼になるのでは」と不安があってもいい出せないのと同じ心理である。
しかし、そうした人ほど、できあがってから「こんなはずじゃなかった」と大きなクレームになるケースが多いのも事実である。
インフォームド・コンセント(正しい情報の上での合意)は住宅づくりにおいてももっとも重要である所以がここにある。
「面倒だから任せる」という姿勢での家づくりから、「真剣に伝える。
何がつくられるのかしっかり理解する」という姿勢にならないと、家は決してあなたを幸せにしてくれないだろう。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

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