〜地震のたびに、そっと増やしてきた規定の壁量〜【3匹の子ぶたvol.018】

catch20141210

 


 あなたの家は「構造計算」されていますか?(15)

地震のたびに、そっと増やしてきた規定の壁量


 このことは、法律をつくっている国(国土交通省)もよく理解している。だから、地震が起きるたびに、そっとこの規定を変えている。一般の国民には知られていないが、過去60年で3回もこの壁量規定において、規定の壁数を増やしている。 木造住宅は、1978年にマグニチュード7.4を記録した宮城県沖地震、1995年の阪神淡路大震災など、大地震によって被害が出るたびに建築基準法を強化する(規定の壁の枚数を増やしていく)ということが繰り返されてきた。逆にいえば、新たに発生した地震によって、それ以前の耐震基準では倒壊してしまった家が数多くあったということだ。 大地震が来るたびにこの壁量の基準値は増えてきたが、もともとの根拠が明確でないので、危ないとなれば壁の枚数を増やすしかない。この規定は、言葉を変えると「つっかえ棒の数」を調べて耐震性を高めるといったことにすぎない。耐震性において多少は参考になるが十分ではないのだ。耐震性の付け焼刃とはこのことである。具体的にどのくらい増やしてきたかご覧いただきたい(図表)。在来工法の壁の量は、50年間で約2倍に増えていることがわかっていただけると思う。建築基準法が初めて制定された1950年当時からすでに60年経った現代に行なう手法とは到底思えない規定であり、まことに前近代的な手法であると言わざるを得ない。姉歯事件後に、ある住宅メーカーのホームページを見て、私が苦笑いをした理由がわかっていただけたと思う。このまま、日本が地震の活動期に入ると毎年規定を変えなければならなくなりはしないか。

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

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