〜既存不適格を生んだ2度の大改正〜【3匹の子ぶたvol.022】

20150129

 あなたの家は「構造計算」されていますか?(19)

既存不適格を生んだ2度の大改正


top20150129 1981年の建築基準法改正における耐震基準強化の主なポイントは、以下の3つだった。

①壁の量をさらに多くすること(1950年時の約2倍)

②構造用合板やせっこうボード等の面材を張った壁などが追加されたこと

③土塗壁や木ずり壁(塗り壁などの下地として横方向に幅の狭い板を何枚もうちつけてある壁)の耐震力を厳しく評価し直したこと
 1981年以前の住宅の耐震性を、木造住宅の耐震診断を無料で行なっている「日本木造住宅耐震補強推進協議会」(木耐協)が診断したところ、約75%が「倒壊する可能性が高い」、約21%が「倒壊する可能性がある」で、合計96%を超える。恐ろしいのは、こうした家がいまでも日本に1,000万戸以上も存在し、およそ3,000万人の方が住んでいるということだ。 この古い耐震基準の家屋以外にも阪神淡路大震災では全壊・半壊した住宅があった。そこで、この対策として2000年に再度、建築基準法が改正された。

 この際の耐震基準強化の主なポイントは次の3つだった。

①強い壁には、その力に応じた強いホールダウン金物を使用すること

②バランスよく耐力壁(地震・台風などの力に有効に対抗できる壁のこと)を配置すること

③建物を支える基礎を地盤の強さに応じた形状にすること

 現代の日本の住宅は戦前に比べ、住宅の立地はより軟弱な地盤に建つケースが増えたことで、耐震性が心配な住宅も多くなっている。そこで、この改正で初めて住宅における地盤の検査が盛り込まれた。 2000年に建築基準法が改正されたということは、1981年以降で2000年までに建てられた家もまた「既存不適格住宅」になったということを意味する。ちなみに、1981年以前の住宅の耐震性は、現在の規定どおりに建てた住宅の耐震性の半分くらいしかなかったと見られている。 いずれにしても、現在の日本には、1981年以降に建てられて2000年の改正を満たしていない2つめのタイプの耐震性に不安のある住宅も存在している。
 こうした「既存不適格住宅」は実に1,500万戸以上になると推定されている。大地震に直撃されると倒壊の危険があるこうした既存不適格住宅を、まずなんとかしなければならないことは間違いない。しかし、これまでも述べてきたように、実は2000年の建築基準法の改定以降の建物でも、耐震基準を満たしていない家があることも改めて強調しておきたい。すべては構造計算をしていれば解決する問題だということも……。

 

 


このコラムは、2007年に発刊された「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」【ダイヤモンド社】の内容から、 弊社代表取締役田鎖郁男の記事を抜粋して掲載しています。詳細については、書籍をご覧下さい。 ………………………………………………………………………………………………………………………………

sanbiki「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」 田鎖郁男・金谷年展(共著)

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