fujimura_intevew002

藤村龍至インタビュー Vol.002

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterPin on Pinterest0Share on Google+0

郊外型木造住宅の今を探って見えてきたこ

家を支える柱と梁。これらには、実に多くの寸法が存在します。
藤村龍二さんの「柱と梁の家」は、柱と梁の寸法を1種類ずつに絞った田の字型プランの提案です。
一見、ごく普通に見えるこの住宅には、個性あふれるケーススタディによって裏付けられた「現代の郊外型木造住宅の今」が盛り込まれていました。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)>

― 柱と梁が1種類ずつの家。ここに至るまでの経緯を教えてください。

藤村 木造住宅のパーツ化というテーマにおいて、なるべく少ないパーツで住宅をつくろうと思いました。SE構法の原点は、柱と梁のみによるシンプルな構成。ここに着目し、柱と梁を1種類ずつに絞って、伝統的な田の字型プランの家ができないかを検討しました。
田の字型にすると柱を真ん中に落とすことになるので、それがリビングのなかに現れて空間のじゃまになることもあるのですが、それがあることで梁せいを抑えたり、部材の数を減らせたりするので構造的には合理性があり、全体の材積を減らすことができます。このような田の字型のメリットを生かし、必要な部材の種類(寸法)を減らすことを目指しました。