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鈴野浩一・禿真哉インタビュー Vol.003

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たくさん建ったときに町がよくなる家をつくろうと思った

― 「開かれた家」は、具体的にどのようなつくりでしょうか?

鈴野・禿 大きなガランドーの空間にして、中はフレキシブルにつくれるように木質ラーメン構法を生かしています。パーツ化がテーマなので、まず家をつくる柱・梁・外装の基本パーツと、部屋をつくる床や小梁などの追加パーツに分けました。基本パーツによってしっかりと骨組みをつくり、基本パーツを使って床を好きな位置に取り付けるという考え方です。これにより部屋の数や配置、広さや高さなどを、自由に決めることができるようになります。また、将来的に増やしたり、減らしたりすることも簡単です。 基本パーツの柱と梁は、断面寸法を120×300mmで統一しています。コスト削減はもちろんですが、シンプルな構成になるため、住み手にも家のつくりが理解しやすくなります。家具を買うときのように気楽に部屋を増やしたり減らしたり。ライフスタイルに対応していくオープンなシステムにしています。家をつくる行為そのものが、開かれたものになる――これが「開かれた家」のもう1つの意味です。

トラフ建築設計事務所が提案する「開かれた家」は、2つの意味があります。
1つは、町へ開く家。
もう1つは、家の構造やつくり方が住み手に開かれた家。
開くことで生まれる、さまざまなストーリーが描かれています。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長) 写真・渡辺慎一>