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吉村靖孝インタビュー vol.003

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たくさんの家をみんなでつくる

― 間取り支援ツールは多くありますが、一般ユーザーに対して骨組みからのアプローチは新しいですね。

吉村 専門家の経験に頼る壁量の略算ではなく、SE構法のような厳密な構造計算を行うシステムがバックボーンにあれば、一般ユーザーが家を直接設計することも不可能ではないと思いました。アプリの操作手順は、①家の大きさを決める、②床のレイアウトを決める、③壁のレイアウトを決める、④屋根の形状を決める、というシンプルな流れです。重要なのは、その過程で画面上にコストが表示されるという点。これによって、たとえば家を大きくすれば価格が上がるなど、価格の根拠も知ることができます。単なる設計支援ではなく、構造計算に裏付けられた躯体が価格と一緒に表示されるので、そのまま買って建てられるものになっています。このアプリで設計して、躯体を買い、それを建築家や工務店とカスタマイズしていくこともできるし、DIYでつくっていくこともできます。

自分で設計できる。すぐに値段が分かる。吉村靖孝さんの「アプリの家」は、アプリを使って住み手が家づくりに参加できる新しい仕組みの提案です。
構造部材のパーツ化によって、これを可能にしています。
住み手の知識レベルの底上げができれば、木造住宅の質の向上にもつながっていく――そんな期待が寄せられます。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)>