株式会社アーキテックシンワ

狭い間口、狭い土地という条件下で
いかに空間を創出するかが腕の見せどころ。


大阪府住吉区や阿倍野区には、間口が2 間程度しかないにも関わらず、奥行きは12 ~ 15m もある狭小間口住宅が多い。
加えて道路以外の三方が隣家に囲まれているというケースばかりである。近年、建て替え需要が伸びてきているそうだが、こうした狭小間口物件にはハウスメーカーは参入できない。そこにビジネスチャンスを見出し、いまや地域でトップクラスの実績を誇るのがアーキテックシンワだ。

代表取締役の吉岡一昇さんは
「いかに" 狭くない、低くない、広く見える"家が作れるのかを考えました。また採光と風通りの良さも備えておく必要がある。顧客の中心は建て替えを希望する30 代ですから、価格も抑えなくてはいけない。そこで7 年ほど前から独自の仕様を作るようにしたんです」

 そのひとつが外壁にイソバンドを採用したこと。
4cm 程度と薄いことに加えて、現場は隣家が近く足場が組めない場合が多いことから、クレーンによる施工が可能なこの部材を選択したという。また居室内は解放感を得るために垂れ壁と窓の額縁を備えない。階段脇の壁も設けず、できる限り仕切りをなくした構造にすることで、光が奥まで届き、さらに風通しの良さを保つよう心がけているという。さらに躯体に直接サッシを取り付けているのもユニークな手法だ。
 

アーキテック3.jpg

 「既製品のサッシに合わせて構造体の高さを決めています。天井高も集成材に合わせることで、デザイン的にもすっきりしますし、コストダウンにもなります」

 そして同社の設計でもっとも特徴的なのが床下収納を設けた点だろう。収納家具によって生活スペースが圧迫されてしまう狭小間口住宅の問題点を解決したのである。
しかも床下収納といっても高さ1.4 ~ 1.8m、4.5 ~ 12 畳という広さを持ち、地下室レベルといっていいサイズである。7 割以上の顧客が採用するという。
アーキテック4.jpg
 こうした設計のベースとなるのがSE 構法だ。
三方を家で囲まれているため、基本的に一方向しか取れない開口部はできる限り大きくしたい。また壁をできる限り少なくし、奥行きを活かした空間を作るには最適と語る。地下収納もSE 構法でなければ難しいそうだ。ちなみに同社は登録施工店№50。10 年以上前からSE 構法を採用しており、利点を知り尽くしているのである。
 同社が扱っている狭小間口の平均的な物件は延べ床面積30 ~ 50 坪、中心価格帯は1500 ~ 2000 円。これまで10 年間で約50 棟の狭小間口物件を手掛けてきアーキテック2.jpgたなかで、独自のパターンがアップグレードされてきたと吉岡さん。またよりSE 構法を効果的に使ったプランが作れるようになってきたとも語る。

大手ハウスメーカーが苦手とする狭小間口だからこそ、
狙いを絞って得意分野にしたんです。

 吉岡さんが得意とする条件がもうひとつ。
それが" さほど狭小地ではないが、南側に高い建物があり採光が充分でない"ケース
である。この場合、できるだけ居住部分を南側に寄せ、北側にバルコニーを広く取り、
その側面に反射板を貼る。バルコニーには光を通すようグレーチングにすることで、
下の階まで太陽光を届かせるというアイデアを使っている。
 「屋根に、折板を使うことが多いので『折板の家』と言っているんです。もう少しトラディショナルな雰囲気を望むお客様には『片流れの屋根の家』を提案しています。
狭小間口の『イソバンドの家』とともに、この3 つのパターンアーキテック1.jpgを徹底してやることで、厳しい条件下でも快適な家を作るノウハウが出来上がってきたんです」
 ホームページも狭小間口、狭小地の3階建てをメインに、デメリットをメリットに変える家づくりをアピールしてきた。

 「アーキテックシンワといえば"3 階建て+狭小間口+現し材"と言われるようになりたいと思ってやってきました。私自身も家族6 人で狭小間口の家に住んでいますから、生活のなかから生まれたアイデアを活かせていることも、評価の要因になっているのではないかと思います。また紹介客も約2 割になり、このところやっと浸透してきたかなと感じますね」

 さて吉岡さんにとって過去最小物件は幅2.6m、奥行き17mだそうだ。
「狭小間口の家が大好きなんですよ。だから依頼が来たときは嬉しかったし、考えるのはめちゃくちゃ楽しかったですね」 この気持ちが顧客への訴求力と説得力となって、評価につながってるようだ。

株式会社アーキテックシンワ
大阪府大阪市住吉区仙躰2-5-7
TEL06-6672-7701
http://www.a-shinwa.co.jp/