株式会社足立建築周りには反対されましたけど、SE構法を選んだことには自信があります。

浜名湖畔にある事務所からは、凪いだ湖面と緑の草木が生い茂る対岸が見える。季節が変われば草は枯れて、また緑が芽吹く。そんな四季の移り変わりがわかる場所だ。

「変わり続ける景色のそばにいたいんです」
と笑顔で話すのは、足立建築代表取締役である足立操さんだ。

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今年、重量木骨プレミアムパートナーとなった。工務店業務をスタートして3年目の決断である。

ADATI7.jpg「足立建築を法人化する以前は、20年以上、父とともに大工をしていました。3年前のある日、お付き合いのある建材屋の社長から『面白いから読んでごらん』と一冊の本を薦められたんです。それが、『家、三匹の子ぶたが間違っていたこと』でした」

同書はNCN社長田鎖郁男と、慶應義塾大学教授の金谷年展氏による共著である。本の帯に入る惹句には“家の考え方が180°変わる目からウロコの書”という文字が入るが、読後はまさに目からウロコという心境になったそうだ。

ADATI2.jpg「大工としての技術もあり、立場も中堅というところでしたけど、木材や法律、ましてや実務については本当に疎くて……まぁ頭に一発、ガーン!ではSE構法は本当に価値があるのだろうか。そう思い、1年かけて本に書いてあることをひとつずつ“裏取り”したんです(笑)  文献も読みました、その道のプロにも話を聞きました、実際に金物も見ました。そうした結果、すべてが真実だったんです」
事実確認を終え、再読するとすべてが正論だったと足立さん。

「もう、これしかない! と、惚れ込みました。そこで会社でSE構法をやりたいと言った途端、周囲は大反対。まぁ、いつも何かやりたいって言うと、反対されるんですが(笑) でも、近年の怒涛の法改正で、多くの工務店が苦労している現状があり、僕は将来も盤石な基盤を作りたかった。読みの甘い会社はどんな職種であっても、先々苦労するもの。そうしたことも考慮したうえで、SE構法を選んだわけです」

惹かれたポイントは、科学的見地に基づいた評価ができる点だという。
評価という相対的な数値を得ることで、家には資産価値が生まれることになる。SE構法の標準仕様である“全棟構造計算”は、とりわけ魅力的だったという。

足立建築で手掛ける住宅では、ほかにも住宅品質確保促進法に基づく住宅性能表示を全棟で行ない、第三者による検査制度を利用、また長期優良住宅に完全対応するなど、資産価値を上げ、顧客の暮らしを守ることを第一に考えている。

ちなみに浜松市の工務店数は約3000。うち、昨年度の実績で長期優良住宅に取り組んでいるところは1%に満たないという。
「新築3棟に対して長期優良住宅が1棟という時代にあって、のんびりしすぎですよね。性能評価も当たり前の時代が来る。せっかく家を作っても、価値のない家が増えていくのが歯がゆくて仕方がない。危機感をもって浜松の家を良くしていきたいし、それを目指しているんです」

また同社では、SE構法を自分なりにアレンジすることで、さらに実用性を高める工夫をこらす。そのひとつが『天床先張工法』だ。
読んで字の通り、天井と床を先に張り、その後必要な壁をつくるというもので、将来リフォームする際に、壊す部分を最小にするために考えられたアイデアだ。リフォームのしやすさは家の寿命を伸ばす一因となる。加えて、家を傷めないだけでなく、材料費や人件費も削減できるのであADATI4.jpgる。家の品質を上げるだけでなく、住み手の使い勝手を優先した家づくりを行なっていることがわかるのではないだろうか。


 
話を伺っていくと、多くの事項に精通していることがわかる。
長期優良住宅の申請書類もひとつずつ、自分で作っているというのには驚かされた。
「すべて自分の頭と手を使うことで、何が必要か、数値の意味は何か、またその書類が何を言っているのか、そうした理由のすべてがわかってくるようになりました。かけた時間はムダではありませんでしたね。僕は元来、知りたがりだということもありますが、家をとりまくすべての情報を知っておきたいし、5 年後にはオールラウンダーになりたいんです。プレミアムパートナーになってからは、自分なんかよりももっと先を見て、仕事をされている工務店さんがたくさんいるこADATI6.jpgとがわかりました。彼らに会って話をすることで、勉強させていただけるし、“ まだまだこれから”と自分に発破をかける材料になっています」

さて、取材時は、事務所のもっとも浜名湖が良く見える場所に打ち合わせスペースを増築工事中であった。その陣頭指揮を執っていたのが父・米利さんだ。米利さんは会長職を兼ねながら、施主の望むオリジナル家具を製作する。
                      もちろん操さんが手掛ける住宅でも、腕をふるっているそうだ。

株式会社足立建築
静岡県浜松市西区舞阪町弁天島3863
TEL:053-592-4881
URL:http://www.adachikenchiku.com/