準耐火建築物であれば「燃え代設計」により木造の構造体を現しにできる
コストとデザインを両立させるために、例えば準耐火建築物であれば「燃え代設計」により木造の構造体を現しにすることができます。低層の木造建築を検討する場合には、計画内容を整理し、可能ならば準耐火建築物の仕様で設計することができると、コストパフォーマンスの高い木造建築が実現できます。
<このコラムでわかること>
・木造における準耐火建築物の設計
・木材による木材の耐火被覆である「燃え代設計」の検討方法
中大規模木造における準耐火建築物の設計
木造で準耐火建築物を設計する場合、イ準耐火建築物(主要構造部を準耐火構造として、延焼の恐れのある部分の開口部に防火設備を設けたもの)とする場合が多いです。
イ準耐火建築物では、木材を耐火被覆に使うことも可能であり、その詳細が告示の準耐火構造の床の上面被覆、軒裏、階段などに例示されています。柱、梁に関しては、燃え代設計を適用することで、石膏ボードなどの耐火被覆を省略できます。
燃え代設計とは、木製の柱・梁について、火災時に燃えるであろう厚みをあらかじめ構造上必要な断面に付加する手法です。これは燃え進み方が緩慢な木造の性質を工学的に評価したもので、木材による木材の耐火被覆のイメージです。
木材による木材の耐火被覆である「燃え代設計」の検討方法
燃え代寸法は、要求される防耐火性能ごとに規定されており、所定のフローに沿って部材の断面を設計します。「燃え代設計」を検討するフローについてお伝えします。
1.燃え代設計は長期荷重を支持する全ての柱と梁に対してチェックを実施する
2.想定した断面から所定の燃え代寸法を差し引きます。
3.この断面に長期荷重が生じた時の応力度が短期許容応力度を超えなければよいことになります。仮に超えた場合は、部材断面を大きくして再計算します。
燃え代寸法は、建築物の種別で異なります。
・大規模木造建築物:集成材、LVL(JAS)25mm 製材(JAS)30mm
・準耐火構造 :集成材、LVL(JAS)35mm 製材(JAS)45mm
・1時間準耐火構造:集成材、LVL(JAS)45mm 製材(JAS)60mm
まとめ
NCNが提供する耐震構法SE構法であれば、燃え代設計にも対応できます。SE構法では独自の計算方法により「梁幅を変えずに梁せいを上げるだけ」の燃え代設計が可能ですので、特注材などを用いることなく構造材コストの上昇は最小限に抑えられることも大きなメリットです。
NCNへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。