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藤村龍至インタビュー Vol.002

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郊外型木造住宅の今を探って見えてきたこ

家を支える柱と梁。これらには、実に多くの寸法が存在します。
藤村龍二さんの「柱と梁の家」は、柱と梁の寸法を1種類ずつに絞った田の字型プランの提案です。
一見、ごく普通に見えるこの住宅には、個性あふれるケーススタディによって裏付けられた「現代の郊外型木造住宅の今」が盛り込まれていました。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)>

― 柱と梁が1種類ずつの家。ここに至るまでの経緯を教えてください。

藤村 木造住宅のパーツ化というテーマにおいて、なるべく少ないパーツで住宅をつくろうと思いました。SE構法の原点は、柱と梁のみによるシンプルな構成。ここに着目し、柱と梁を1種類ずつに絞って、伝統的な田の字型プランの家ができないかを検討しました。
田の字型にすると柱を真ん中に落とすことになるので、それがリビングのなかに現れて空間のじゃまになることもあるのですが、それがあることで梁せいを抑えたり、部材の数を減らせたりするので構造的には合理性があり、全体の材積を減らすことができます。このような田の字型のメリットを生かし、必要な部材の種類(寸法)を減らすことを目指しました。

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長坂常インタビュー vol.002

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生活を見つめ直したり、将来を考えたりしながら、
自分の手で空間をつくることが、 新しい豊かな暮らしへとつながる

シンプルな躯体を買って、後はつくりながら住む。
長坂常さんは、セルフビルドでつくり込んでいく家と、それを助けるパーツ‘木アングル’を提案しています。
住み手が主体的につくる家――そこには、つくりたくなるしくみがありました。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長)>

― 今回、長坂さんが、住み手によるセルフビルドに着目した理由を教えてください。

長坂 たとえば建売住宅を見ると、つくっている途中が一番かっこいいと思うんです。だから、あのままで止めればいいのに…といつも思っていました。仮に工事をそこで止めて住めと言われたら、僕はそのまま住んでいけます。最低限のところから、少しずつ自分で手を加えていったほうが楽しいし、絶対かっこよくなります。自分で住む家をつくることで、住宅の成り立ちを理解し、未来を想像できるようになります。自分たちの生活を見つめ直したり、将来を考えたりしながら、思い思いの空間をつくることが、新しい豊かな暮らし方につながっていくのではないでしょうか。 今回、パーツ化がテーマと聞いて、住み手が住宅をセルフビルドできるようなしくみをつくりたいと思いました。そこで、住空間に必要なさまざまなエレメントをパーツ化し、セルフビルドの自由さと、住宅としての高い性能を両立させる構造体とをいっしょに提案したのです。

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藤村龍至インタビュー vol.001

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「柱と梁の家」 藤村龍至

SE構法の原点に戻り、必要なパーツを見直し、柱と梁の2種類に。

室内に現れる大黒柱が、新しい暮らしのよりどころになります。

家を支える柱と梁。これらには、実に多くの寸法が存在します。藤村龍二さんの「柱と梁の家」は、必要なパーツを徹底的に見直し、最終的に柱と梁の寸法を各1種類に絞っています。プランは、4つにグリッドを切って、田の字型に部屋を分けたシンプルな構成。家の中心には、大黒柱があり、家族の暮らしを見守ります。そのほか架構を露出させたり、太陽光発電を載せたり、今の日本人が描く‘家らしい家’のかたちやあり方を取り入れています。 家のサイズは、6000×6000㎜、7200×7200㎜の2パターン。環境性能や耐震性能などの性能評価も検証しており、量産化にもすぐに対応できる内容になっています。

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インタビュー

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「開かれた家」 鈴野浩一・禿真哉 トラフ建築設計事務所

生活の変化に合わせて部屋を増やせる、減らせる。
多様なライフスタイルを許容する骨格と、家具のようにつくれる部屋。

 

 
 
 

「高床の低い家」 谷尻誠 

斜面にも水上にも。高床だから様々な敷地に建てられる 。

天井高を抑えてエネルギー効率を高め、コンパクトで豊かな空間を安価に 。

 

「つくる家」 長坂常 

シンプルな躯体を買ったら、あとは作りながら住む。
DIYが好きな人たちのための、自分で作れる家と、それを助けるパーツです。 

「 大中小の家 」 中山英之 

巨大なテーブル、大きなテーブル、ふつうのテーブル。
大きな屋根の下で、家具を並べるように生活の場をつくる。

「柱と梁の家」 藤村龍至 

SE 構法の原点に戻り、必要なパーツを見直し、柱と梁の2 種類に。
室 内 に 現 れ る 大 黒 柱 が 、新 し い 暮 ら し の よ り ど こ ろ に な り ま す 。

「内と外の家」 藤原徹平 

二重線のグリッドで光や風の通り道をつくる。
自 然 を 無 理 な く 内 部 に 取 り 込 む 家 。

「アプリの家」 吉村靖孝

自分で設計できる。すぐに値段が分かる。
住み手が家づくりに参加できる新しい仕組み。
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インタビュー一覧

「開かれた家」 鈴野浩一・禿真哉 トラフ建築設計事務所

生活の変化に合わせて部屋を増やせる、減らせる。
多様なライフスタイルを許容する骨格と、家具のようにつくれる部屋。

 

「高床の低い家」 谷尻誠 

斜面にも水上にも。高床だから様々な敷地に建てられる 。

天井高を抑えてエネルギー効率を高め、コンパクトで豊かな空間を安価に 。

 

「つくる家」 長坂常 

シンプルな躯体を買ったら、あとは作りながら住む。
DIYが好きな人たちのための、自分で作れる家と、それを助けるパーツです。 

「 大中小の家 」 中山英之 

巨大なテーブル、大きなテーブル、ふつうのテーブル。
大きな屋根の下で、家具を並べるように生活の場をつくる。

「柱と梁の家」 藤村龍至 

SE 構法の原点に戻り、必要なパーツを見直し、柱と梁の2 種類に。
室 内 に 現 れ る 大 黒 柱 が 、新 し い 暮 ら し の よ り ど こ ろ に な り ま す 。

「内と外の家」 藤原徹平 

二重線のグリッドで光や風の通り道をつくる。
自 然 を 無 理 な く 内 部 に 取 り 込 む 家 。

「アプリの家」 吉村靖孝

自分で設計できる。すぐに値段が分かる。
住み手が家づくりに参加できる新しい仕組み。
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吉村靖孝 MAKEHOUSE Concept

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「アプリの家」 吉村靖孝

自分で設計できる。すぐに値段が分かる。

住み手が家づくりに参加できる新しい仕組み。

 専門家の経験に頼る壁量の略算ではなく、常に厳密な構造計算を行うシステムである点に可能性を見いだし、ユーザーが直接設計できるソフトウェア(アプリ)をつくることにしました。
 ユーザ自身が設計できるようになるだけでなく、住宅の価格が透明になることで、家づくりがより分かりやすいものになると考えています。アプリをつくるにあたっては、柱や梁のような主な構造部材だけでなく、間柱や根太など2次部材まで含め部材点数を極力減らすという目標を掲げ、柱や梁が間柱や根太を兼ねるカゴのような構造体が生まれました。
2階の床の面積や高さを3種 類から好きに選べるようにすることで、1.5階分の天井高さを持つ部屋や、0.5階分の天井高の小屋裏収納など、さまざまな場所をつくることができます。お金ができた時に部分的に仕様をアップグレードすることも可能です。
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藤原徹平 MAKEHOUSE Concept

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「内と外の家」 藤原徹平

二重線のグリッドで光や風の通り道をつくる。

自然を無理なく内部に取り込む家。

 SE構法の最大の利点は、信頼できる剛接合、接点の強さということです。住宅全体の接点の数を増やして全体の強度を担保することで、建築の境界をもっと環境に開かれたものにできると考えています。
 住宅を閉じたハコから開かれた住環境に変えたいと考えています。そのために、多重線グリッドというパーツの集合のアイデアが有効であると考え、今回の展示で提案します。
 日本の気候、特に関東地方 以南は世界の中でも居住に適した穏やかな気候帯です。「内と外の家」では、住宅のどの場所にいても、季節や時間の豊かな変化を感じながら生活できます。環境にいかに開き、環境をいかに取り込むか、次世代の住宅を考えたいと思います。
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藤村龍至 MAKEHOUSE Concept

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「柱と梁の家」 藤村龍至

S E 構法の原点に戻り、必要なパーツを見直し、柱と梁の2種類に。

室内に現れる大黒柱が、新しい暮らしのよりどころになります。

 SE構法の原点は、柱と梁のみによるきわめてシンプルな構成にあります。部材の寸法をうまく規格化できれば、架構の強さと美しさを活かした現代の「家らしい家」を提示できるでしょう。
 家のつくり方をよりシンプルにしたいと思います。今回の提案でも、最も使いやすい3000-3600の平面スパン、高さ3000を基準とし、構造材の寸法を同一断面にしてしまうことで、パーツを2種類にまで減らすことができました。
 金物が出てこない架構を露出させることで、日本人にとっての家らしい家を提案しています。家の中心に落ちる一本の大黒柱は暮らしの拠り所となり、新しい家族のシンボルともなります。
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中山英之 MAKEHOUSE Concept

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「大中小の家」 中山英之

巨大なテーブル、大きなテーブル、ふつうのテーブル。

大きな屋根の下で、家具を並べるように生活の場をつくる。

 SE構法の特徴のひとつに、いろいろなスパンに対応できる部材バリエーシ ョンの豊富さがあります。大断面の部材はとても頼りがいのある感じがするし、木造らしい軽快な部材もあります。そうしたそれぞれの素質そのもので「家」という多様な場をつくることに挑戦してみたいと思いました。
 柱や梁をパーツにする代わりに、異なるデザインのテーブルを3型だけ準備しておくと、それぞれのテーブルを何脚ずつ買うのかによって誰でも自分なりの「家」を定義することができるようになります。一番小さなテーブルをひとつだけ買って、今住んでいる部屋を敷地に見立てれば、「家の中にもうひとつ小さな家を持つ」なんてこともできます。そのようにして、 家をつくることをもっともっと身近な行為にしたいと考えています。
 大きな屋根で守られた、光や 風の吹き抜ける場所を手に入れて 、その下で自分の家の輪郭を思い描きながら次の家具を選ぶ。家という複雑な存在を、家具を買い足していくような感覚で考えていく。そんなつくり方、暮らし方を提案したいと思います。
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長坂常 MAKEHOUSE Concept

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「つくる家」 長坂常

シンプルな躯体を買ったら、あとは作りながら住む。

DIYが好きな人たちのための 、自分で作れる家と、それを助けるパーツです。

 圧倒的な構造強度の矩形構造は、日本の複雑な敷地の形状や、住み手のニーズの変化に対応できます。構造がしっかりしているから、住み手がその上に思い思いの住空間をつくっていける、そんな可能性に注目しています。
 住み手自身が住宅をセルフビルドできるような仕組みをつくりたいです。そのために、住空間に必要な様々なエレメントをパーツ化することにしました。セルフビルドの自由と高い性能を両立させる構造体といっしょに提案します。
 住む家を自分でつくることで、 住宅の成り立ちを理解し、未来を想像できるようになります。そのことが自ずと新しい、豊かな暮らし方を実現するのではないでしょうか。