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谷尻誠インタビュー Vol.002

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建築を風景として設計したい

水の上に浮かぶように建つ住宅。美しい風景をつくっている谷尻誠さんの「高床の低い家」ですが、
そこには、なかなか目を向けられてこなかった基礎の再考という興味深い提案がありました。

<インタビュー/文:木藤阿由子(建築知識ビルダーズ編集長) 模型撮影・渡辺慎一>

― 水の上に建つ美しい住宅に目が引きつけられます。今回、高床式を提案しようと思った理由を教えてください。

谷尻 理由はいろいろありますが、以前から水と緑が見える風景の中で生活してみたいなぁという想いがありました。それを現実にできる方法を考えたというのが1つあります。僕は広島出身で、厳島神社には毎年足を運んでいるのですが、水の上に建つ美しい本殿の足元は、石の上にのっているだけで決して頑丈な基礎があるわけではありません。今は、基礎があることが当たり前となっていますが、もう一度、基礎のあり方を再考してみるのもいいんじゃないかと思ったのです。 SE構法は、住宅の1階と2階をラーメン構造になるように剛に設計できるのが特徴ですが、同じように床下部分も剛に設計できるので、高床にするのに適していると考えました。