2024.12.04コラム
UA値・BEIトレンド(6地域における過去3年の傾向)【統計レポート(2024.12)】
株式会社エヌ・シー・エヌの建築環境設計は、6地域において2025年3月期の上期は、「1742件」の省エネ計算を実施しました。そのうち「700件」の省エネ計算は6地域の戸建住宅はでした。その700件における断熱性能を表す「UA値」と一次エネルギー消費量を表す「BEI(再エネを除く)」の集計データがまとまりましたので、過去3年間のデータ比較と合わせ統計レポートとして公表します。
グラフは横軸に断熱性能を表す「UA値」を、縦軸に一次エネルギー消費量を表す「BEI(再エネを含まない)」とし、散布図の形式でまとめました。同じ性能値になった部分は密集度の見えるかとして明度を緑→黄色と高めています。UA値・BEIの外側には、住宅性能評価基準の等級も表示しました。また、2024年11月29日に発表になりました「子育てグリーン住宅支援事業」に合わせ「省エネ基準(黄)」・「ZEH水準(赤)」・「GX志向型住宅(青)」としてラインを追加しました。
※GX志向型住宅については、こちらのコラムで詳しく説明しています。
3年前の2022年4月~9月の時点では、断熱等等級4(UA値 0.87)を満たせば長期優良住宅となり税制優遇や補助金の支給を受けることができました。

2022年10月以降、誘導基準がZEH水準(UA値 0.6、BEI 0.8)に変更された結果、散布図は線状降雨帯のように一直線の左下を向いて移動し始めました。
2023年4月~9月は、次なる傾向がはっきりとしてきました。誘導基準(ZEH水準)が標準的な仕様になり、高性能を訴求するために、「断熱等性能等級6(UA値0.46)かつ一次エネルギー消費量(BEI 0.7)以下」に積乱雲のように集団ができ始めました。

2023年10月~2024年3月、積乱雲は左下の断熱等性能等級7(UA値 0.26)を目指すのではなく、一次エネルギー消費量(BEI)のみを下げる方向に一部移動し始めました。
これは全国的な傾向ではなく、東京ゼロエミ住宅 水準3(UA値 0.46、BEI 0.6)で210万円の助成金が支給され、この基準達成を目指す東京都内の物件が増加したことによるものです。
2024年4月~9月の全国的な傾向としては、「UA値 0.4、BEI(再エネを含まない)0.65」がと費用対効果も含め最も一般的となっていることが判明しました。
GX志向型住宅が「45.3%」
2024年11月29日、政府は経済対策の住宅補助金として「子育てグリーン住宅支援事業」を発表しました。6地域においては、「UA値」 0.46以下、「BEI(再エネを含まない)」0.65以下、かつ「太陽光発電」で100%削減を行う住宅を「GX志向型住宅」とし、全世帯に対し(子育て若者世帯に限定せず)最大「160万円」の補助金を支給します。
当社の調査によると2024年4月~9月の間において、既に「45.2%」の物件において「UA値」 0.46以下、「BEI(再エネを含まない)」0.65以下を満たしており、住宅業界にとって大きな追い風となるのではないかと考えています。
エヌ・シー・エヌでは、2025年4月省エネ基準適合義務化に向け、建物用途を問わず「省エネ計算サービス」を提供しています。「ZEH基準」や「GX志向型住宅」を有する建築物に支給される補助金制度についてもご案内し、申請に必要な各種評価書や証明書の取得をサポートしています。
お問い合わせ
エヌ・シー・エヌの環境設計部では、2025年4月省エネ基準適合義務化対策をはじめ、子育てグリーン住宅支援事業の「GX志向型住宅」に対応する断熱・設備仕様のご提案を行っています。お気軽にエヌ・シー・エヌ環境設計部までお問い合わせください。
エヌ・シー・エヌ 建築環境設計(https://www.ncn-se.co.jp/energy/)
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