TIMBER STRUCTURE LAB.

概要

エヌ・シー・エヌでは、SE構法の大地震などの自然災害に対する安全性の検証として、社外の施設を利用して数多くの構造実験を実施してきました。
今後、多様化が見込まれる木構造に迅速かつ柔軟に対応するために、2022年3月に社内施設として「木構造技術センター(Timber Structure Lab.)」を開設しました。

「SE構法の追求」「あらゆる木構造の開発」「未来に向けた基礎研究開発」を目的に、SE構法の開発で培ったノウハウを活かした木構造の技術開発の拠点とし、住宅規模から中層大規模木造建築物までの木構造に関する基礎研究、応用研究、開発研究を進め技術資産を構築していきます。

施設について

名称 エヌ・シー・エヌ 木構造技術センター
Timber Structure Lab.(ティンバーストラクチャーラボ)
所在地 埼玉県川口市本蓮1-12-13(Google MAPはこちら
開設日 2022年3月1日
床面積 建物全体 286平方メートル/試験スペース 143平方メートル

設置試験装置

  • 1

    1000kN(100トン)万能試験機

    接合部や部材の強度試験

    1000kN万能試験機は、接合部や部材の圧縮・引張実験を行うための試験装置で、最大1000kN(100t)×最大ストローク500mmの加力が可能です。
    試験装置に設置可能な試験体の寸法は、幅2m×奥行き(スパン)4.5m×高さ2mです。

    特徴としては、前後に張り出した架台で、架台には幅方向と奥行き方向に100mmピッチでM24のねじ加工が施されています。これは、様々な形状の試験体や実験方法への対応を想定したものです。1000kN万能試験機では、柱や梁部材はもちろん、合板やCLTといった面材料の実験も想定して幅1mまで設置可能な加力梁や支点を保有しています。

    また、水平面に対する角度が30度、45度、60度の3種類の斜め架台も保有しており、これを使うことでトラスやブレースなどの斜材端部の接合部実験が可能です。これ以外にも、一般的な接合部実験をはじめ様々な実験に対応できるような治具を準備しています。

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  • 2

    200kN(20トン)面内せん断試験機

    耐力壁、ラーメンフレーム、床、屋根の水平力試験

    耐力壁やラーメン、床、屋根の水平加力実験を行うための200kN面内せん断試験機は、最大200kN(20t)×最大ストローク1000mmの加力が可能です。

    実験可能な試験体の最大寸法は、スパン4.5m×高さ3.5mです。試験機の特徴は、フレームが□形ではなくL形であることで、これによって天井クレーンが試験装置架台の上部まで可動可能となり、大断面集成材やCLTなどを使った大型の重量のある試験体でも安全かつ効率良く設置・解体作業が可能です。

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  • 3

    恒温恒湿器

    木材の物性調査、耐久性・品質試験

    恒温恒湿器は、温度と湿度を温度-20℃~+85℃、湿度40%~95%の範囲で調整可能で、内寸が幅500mm×奥行き390mm×高さ600mmです。温湿度環境がコントロールできるため、部材や接合部の耐久性や品質管理のための実験が可能です。送風定温恒温器(乾燥機)は、温度を室温+10℃~+250度の範囲で調整可能で、内寸が幅600mm×奥行き500mm×高さ500mmです。温度のみのコントロールですが、木材の乾燥や高温状態での木材の強度評価に利用できます。どちらも材料系の研究機関や企業では当たり前のように所有していますが、金物や構法開発がメインの企業では所有していないことが多い設備です。木構造技術センターでは、基礎研究の推進が設立の趣旨の1つであるため、恒温恒湿器と送風定温恒温器(乾燥機)の設置は必須と考えました。

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