構造からみる「耐震構法SE構法」vol.02

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耐震構法SE構法では、全棟構造計算していることから、様々なことを可能にし、木造のプランの幅が広がります。
耐震構法SE構法ならではの強度や美しさを実現するための様々なディティールにより、あなただけのデザインを実現してください。


⑥持ち出し居室

空間を広く感じてもらう。
オーバーハングとデルタ梁。

耐震構法SE構法において、全面持ち出し居室を設計するには、次の2タイプを使い分けて設計することとします。

●オーバーハングタイプ

●Δ(デルタ)梁吊り床タイプ

全面持ち出し居室とは、1階よりも2階または3階が飛び出している状態をいいます。プランニング上では、下階より上階の面積が大きく確保できるため、「1階部分は駐車場を計画したいので柱をなくしたいが、2・3階では居室として使用したい」など、設計時におけるプラン提案の幅を広げることができます。 一方、建物の1辺を全面持ち出しにすることにより、上階の面積が大きくなるという構造上不安定な軸組となることが考えられます。しかしSE構法では、それらの要素を検証し、構造上安全であるという確認を行っています。

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⑦母屋下がり

都心でも、内部空間を有効に活用。
斜線規制があってもプランを実現する。

斜線制限等により軒桁の高さを一部下げなければならない場合に、桁落ち(母屋下がり)が生じます。桁落ち部分は小屋面が分断されることで、水平剛性が不足して外側の構造フレームに力が伝わらないことがあるので、以下のような補強が必要です。
(1)桁落ち部分は構造グリッドにより分割されますので桁落ちライン上で柱が必要になります。
(2)桁落ち部分の最低グリッド線間隔は750mm以上が必要です。
(3)桁落ち部分の屋根勾配は12.5/10までの対応となります。
(4)桁落ち部分では、屋根剛性が必要になります。
剛性が不足する場合は桁落ちライン上に耐力壁を設置する必要があります。

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⑧火打梁

大空間だからほしい吹き抜け。
プランに応じてサポートする。

天井を水平に仕上げる場合は、基本的に鋼製火打ちを使用します。和小屋組や勾配天井で火打ちが現しになる場合には木製火打ちを使用します。

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⑨登り梁

内部空間を有効利用するために。
施工も考えた登り梁の設計。

耐震構法SE金物に対応できる形状に軸材をプレカットするため、屋根の勾配は12.5/10勾配まで自由に設定できます。切妻などの屋根の形状、登り梁などの小屋組の形式には多種多様なものがあります。小屋組形式の混在は可能です。 登り梁で棟柱を入れない場合は、鉛直荷重によって外へ広がる力が働きます。登り梁のみで屋根を受ける場合は最大スパンを3.64m以下とします。

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10:湾曲材

集成材だからできる屋根デザイン。
内部からの空間も木造とは思えない空間に。

集成材の特徴を活かした湾曲材を用い、ドーム状の屋根などデザイン性の高い屋根を計画することも可能です。ただし、アーチ梁で棟柱を入れない場合は、鉛直荷重によって外へ広がる力が働きます。アーチ梁のみで屋根を受ける場合は最大スパンを3.64m以下とします。

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11:キャンチバルコニー

梁の強度を考えて新たな空間を。
バルコニーに位置も自由に考えられる。

キャンチタイプとは、片持ち梁(cantilever)のことで、梁の片方を固定して突き出すタイプのものをいいます。主にバルコニー部で使用します。持ち出し長さは最大1,000mmです。梁成は300mm以上が必要となります。梁受金物(J2)の曲げ剛性を利用してバルコニーをキャンチタイプで持ち出しすることができます。ただし長期のクリープ変形を考慮して持ち出し長さを1mまでに限定しています。

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