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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

耐震構法SE構法は斜辺やR壁の平面計画に対応可能

  • 耐震構法SE構法は斜辺やR壁の平面計画に対応可能 -

木造の建築は、柱・梁など線材を組み合わせた構造躯体であり、基本的には水平、垂直な床や壁で平面、立面、断面等が構成されます。ただし、敷地形状に合わせて建物の一部の外壁を平面斜辺にしたり、建築デザインにより建物の外壁をR壁にする必要があることもあります。耐震構法SE構法では、平面斜辺やR壁に対応することも可能です。

<このコラムでわかること>

SE構法による平面斜辺の設計方法

SE構法によるRの設計方法

 

SE構法による平面斜辺の設計方法

SE構法では平面斜辺による平面計画が可能です。敷地形状に合わせて建物の一部の外壁を平面斜辺にできますので、敷地を有効に利用できる設計が可能になります。

平面斜辺のある木造建築の構造計画においては、水平部分の構造躯体のフレームと建物のX方向・Y方向に設置する耐力壁で構造を主に成立させるように計画することが重要です。

通常、SE構法の梁受け金物は平面的にT字型であり、柱の面に梁受け金物を取り付け、梁を落とし込み、ドリフトピンで接合します。SE構法平面斜辺の場合には、梁受け金物をその平面斜辺の角度に合わせて特注で製作します。柱の面に梁受け金物を取り付けるディテールは同じですが、梁を受けるプレートが平面斜辺の角度に合わせて曲げられています。

SE構法平面斜辺の注意点は、水平部分との接合部分の梁受け金物が特注品になるため、金物代のコストが上がります。コストアップの目安としては、通常の梁受け金物の約3倍(1個あたり数千円程度)です。実際にはコストアップとなるのもその金物の個数分だけですので、平面斜辺の箇所数が少なければ、全体としてはあまりコストアップにはなりません。

設計の実務的な面で気をつけておきたいことは、面積計算などの「壁芯」の取り方です。SE構法の柱は120mm角です。その柱面に特注の梁受け金物が設置されますので、柱芯から60mmずれた位置が平面斜辺部分の壁芯となります。

 

SE構法によるR壁の設計方法

SE構法ではRによる平面計画が可能です。建築デザインにより建物の外壁をR壁にする必要がある場合にも対応できます。

SE構法では、構造躯体に一般に流通している構造用集成材を使います。構造用集成材の梁を水平方向にRに製造することは難しいため、木造で実際にR壁を作る場合にはR壁のラインに合わせて「多面体」で構造躯体を施工することが基本となります。

木造のRの注意点は、基礎もR壁になりますので型枠や配筋の施工精度が求められます。また多面体にすることで柱芯がずれていきますので、柱の柱脚金物用アンカーボルトや土台用アンカーボルトの施工精度も重要です。

屋根形状など立面方向のRは、梁を湾曲集成材にすることで実現できますが、コストが大幅に上がってしまいます。現実的には小屋組みで小屋束の高さを調整してRのラインの位置を出し、垂木や合板で曲げの施工を行うことでRの屋根を施工することが一般的です。

 

まとめ

SE構法では、平面斜辺やR壁に対応することも可能です。意匠設計や構造設計においても通常の建物以上に「てまひま」が必要ですが、それ以上に施工の手間も増えますので、施工に配慮したディテールを設計段階で考えておくことが重要です。

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