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株式会社エヌ・シー・エヌ

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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

中大規模木造普及の切り札に。森林環境税と森林環境譲与税とは?

20194月に施行される森林環境譲与税は、森林の公益機能の維持・拡大を目的とし、山間部では森林整備の促進、都市部では木材の利活用・普及啓発が期待されています。建築基準法の改正により木造建築の規制の合理化が進み、中大規模木造が一般化すれば、木の供給量の増加という好循環を生み、さらなるコストの低減による木造の需要拡大の可能性も見えてきます。

 

<このコラムでわかること>

木造化を促進するインセンティブになる「森林環境譲与税」とは?

森林環境譲与税の仕組みや想定される具体的な使途

 

木造化を促進するインセンティブになる「森林環境譲与税」とは?

これまでは日本は木を育てる時代でしたが、これからは木を伐採して利活用する時代に入っています。しかし社会情勢が目まぐるしく変わっていく中、特に林業や建設業には固有の課題があり、思うように木造需要が伸びていません。

そうした背景もあり、森林環境税(仮称)と森林環境譲与税(仮称)が創設されました。

森林環境税は、国内に住所を有する個人から1人あたり年間1000円を課し、各市町村が個人住民税と併せて徴収する仕組みです。個人住民税の納税義務者が全国で約6200万人以上となるため、財源としてはおおよそ600億円と見込まれています。

森林環境譲与税は徴収した森林環境税を、利用する主体である市町村と都道府県に配分する際の名称となります。

 

森林環境譲与税の仕組みや想定される具体的な使途

森林環境譲与税は20194月に施行されますが、森林環境税は復興特別税の住民税の納税期間を終える翌年の20244月から施行される予定です。復興特別税と同額で、以降、恒久税となります。

森林環境譲与税のうち、市町村および都道府県分は、各自治体の「私有林人工林面積(比重50%)」、「林業就業者数(比重20%)」、「人口数(比重30%)」によって按分します。基準となる指標には国勢調査の結果などが想定されています。

森林環境譲与税の市町村における具体的な使途については、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及活動などが想定されています。都道府県においては、市町村の支援などに関する費用として想定されています。

森林を適切に管理することの重要性ももちろんですが、利用する時期を迎えている森林の木材需要が増加しなければ、森林管理を継続的に実施するコストは増大し続ける一方になります。それを防ぐには、まず継続的に木材需要を喚起する施策が求められます。

木造に関しては追い風の動きもあります。2019年には建築基準法が改正されて、木造が今まで以上に活用できるようになります。木造建築の規制の合理化により、中大規模木造が一般化すれば、今後はよりコストの抑制なども期待できます。その先に木の供給量の増加という好循環が生まれれば、さらなるコストの低減による木造の需要拡大の可能性も見えてきます。

 

まとめ

現在、公共建築においては、庁舎や学校、公民館などの老朽化に直面し、公共施設のあり方が問割れています。2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて、各地で木造の公共建築が建てられるようになりました。一方で新しい木質材料や技術、工法なども次々と開発されており、民間の建築においても非住宅の中大規模木造が増えています。継続的かつ長期的に中大規模木造が普及できるように、需要側である建築業界においても森林や林業の将来について考えることが求められています。

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