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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

中大規模木造の主な架構形式とスパンの関係を解説

  • 中大規模木造の主な架構形式とスパンの関係を解説 -

木造の架構形式にはさまざまなものがあります。中大規模木造建築の場合、大空間を実現する必要もありますので、スパンを飛ばす技術が必要になります。その場合には、トラスや張弦梁を使うなど、現実には各種の構造形式を横断的に組み合わせている建物がほとんどです。このコラムでは、主な架構形式とスパンの関係についてお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

・中大規模木造の主な架構形式とスパンの関係

 

中大規模木造の主な架構形式とスパンの関係

中大規模木造建築で、主に採用される架構形式は下記です。

 

1.単純梁

最も基本的な梁の架け方です。構造力学的には大きなスパンが可能ですが、単一部材の製造限界はありますし、運搬の限界は通常10m程度です。材積量とコスト、運搬の問題から判断すると、10m以上では合理性がなくなるので、トラスや張弦梁を検討すべきです。梁せい300mm以上、長さ6m以上であれば、構造用集成材などのエンジニアリングウッドを採用したほうがよいでしょう。大空間を実現する場合には、最も多く採用されている方法です。

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2.トラス

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と異なり、木造のトラスでは接合部が耐力的な弱点や変形増大の原因になりますので、適切な構造計画が重要になります。材積量はあまり必要とせず、現地で組み立てるため運搬の問題もあまりありませんが、施工手間などについては事前に検討する必要があります。

 

 

3.張弦梁

引張り材となる部分を鋼材ロッドに置き換え、張力を導入することでたわみをコントロールすることができます。特徴は、トラスと比較して、デザインの印象が軽快に見えます。部材の剛性自体はトラスと比べて小さいため、振動に関しては注意を要します。基本的には屋根(小屋梁)の利用が適切です。暴風時の吹き上げ対策として、上弦材にはある程度の曲げ剛性を確保しておく必要があります。

 

 

4.方杖(ほうづえ)

単純梁などでたわみを抑制するための補剛材として設置します。柱の途中に設けると柱に曲げモーメントが発生するので、柱部材が細い場合には注意が必要です。方杖をバランスよく適切に配置すれば、受ける柱に曲げを発生させないこともできます。

まとめ

中大規模木造においては、架構形式ではなく、工法や材料による構造上の分類もあります。現実的には工法をまず選択した上で、スパンを飛ばす時にはトラスや張弦梁をも用いるなど、各種の架構形式を横断的に組み合わせていく必要があります。

 

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