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株式会社エヌ・シー・エヌ

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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計

  • 中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計 -

中大規模木造の構造表現は、新しい技術により、自由になってきています。SE構法の構造設計は全て株式会社エヌ・シー・エヌ(以下NCN)において行い、その安全性を検証しています。NCNでは構造設計体制を構築していることにより、SE構法は中大規模木造において「的確、スムーズ、コストパフォーマンス高く」構造設計を提供できます。このコラムでは中大規模木造の構造設計における課題と、SE構法の構造設計のポイントについてお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

中大規模木造構造設計に関するポイント

SE構法構造設計プロセス

SE構法構造設計のポイント

SE構法がもたらす意匠設計者へのメリット

・まとめ

 

中大規模木造の構造設計に関するポイント

中大規模木造の構造設計に関するポイント

非住宅の建築といえば、以前は鉄筋コンクリート造・鉄骨造で建てることが前提でした。近年は、木造化の社会的ニーズの高まりや建築基準法改正などにより木造が取り組みやすくなったこともあり、さまざまな規模や用途の木造の非住宅建築が増えました。

地震大国・日本でこれからつくる中大規模木造には、しっかりと耐震性を確保することが最重要課題です。木造で非住宅に求められる大きな空間を実現するには、金物や集成材を使った構法を利用することが現実的です。

地震に強い木造建築は柱や壁が多いイメージがあるかもしれませんが、現在の日本では耐震性にすぐれた木造の構法が開発されていますので、そうした構法を採用すれば、内部に柱や壁の少ない大空間の木造建築をつくることもできます。

大空間の木造建築は、用途の変化に合わせて平面計画を変えていくことができます。可変性が高くなることで、長寿命で利用価値の高い木造建築が可能になります。

中大規模木造の実務で重要となるのは、建築の構造の安全性を計る「構造計算」です。延べ面積が500平方メートル以上の木造建築には、鉄筋コンクリート造・鉄骨造と同様に「構造計算」を行い、すべての項目で基準値以上の安全性の検証が求められています。

中大規模木造の構造設計においては、意匠計画と並行して構造計画を検討することが重要です。構造計画には、工学・技術的な側面と法令上の基準をクリアすることの両立が求められます。

材料を上⼿に組み合わせ、価値ある空間を提供することが意匠設計者の仕事で、構造設計者は安⼼と安全、⽊質の雰囲気を楽しめる形態を⽬指しています。

中大規模木造の構造設計において実務的な課題は主に下記です。

・中大規模木造に対応できる構造設計者が少ない

・鉄筋コンクリート造・鉄骨造の計画を木造に変更することには性能的に限界がある

・中大規模木造の構法や構造材により、性能や価格の差が大きい

・大スパンを一般流通材を組み合わせて、トラスや張弦梁を設計する技術が⼀般化されていない

「中大規模木造の主な架構形式とスパンの関係を解説」はこちらです。

 

SE構法の構造設計プロセス

SE構法の構造設計プロセス

SE構法の構造設計はすべてNCNで行い、その安全性を確認するようにしています。

構造計算は立体解析で行い、SE構法の接合部等の性能を忠実に反映しています。SE構法専用に開発された「SE-CAD」は、プレカット加工情報や接合部情報(ドリフトピン・SE金物)をすべて立体データで処理できるCADとなっておりますので、梁サイズと接合金物の組合せ等を自動で判定するなど、合理的なCADシステムになっています。

また耐力壁は釘間隔によって区分したブレース置換して解析しています。水平剛性は等価部材に置換して、すべての部材において剛性マトリックスによる立体フレーム解析を行っています。

構造計算は許容応力度計算を行い、その構造計算書の出力結果は検定値一覧として安全性をカラー表示して、視覚的に理解することができます。

「耐震構法SE構法は全棟で立体解析による構造計算を実施」はこちらです。

 

中大規模木造の構造設計において、ポイントになるには「軒高」です。「軒高」とは、屋根を支える梁の高さです。屋根の形状により位置や高さが異なります。軒高が9mを超えるか、超えないかで、構造計算に求められる内容は大きく変わります。

SE構法における構造設計ルートで求められる構造計算項目は、大きくは次の2つになります。

<A>高さ13m、軒高9mを超えない建築の場合:ルート1

許容応力度計算、大地震時における柱頭、柱脚の接合部チェック、屋根葺き材の計算

<B>高さ13m、軒高9m以上の建築の場合(高さ31mを超えない建築):ルート2

上記<A>の内容に加えて、層間変形角、偏心率、剛性率

高さが13m 又は軒の高さが9m を超える木造の建築物(上記<B>のルート2の建築)においては、通常の確認申請に加えて「構造計算適合性判定」が求められます。

木造で建築物を計画するときに、立地条件や建物用途、建物規模により、全てを木造で成立させることが難しい場合があります。

そのような場合、木造と非木造(鉄筋コンクリート造)を組み合わせた混構造として、それぞれの構造の長所を併せ持つ建築物を整備することが可能です。

混構造に関する詳細は、下記のコラムを参照してください。

「木造と鉄筋コンクリート造の混構造を徹底解説」はこちらです。

 

SE構法の構造設計のポイント

SE構法の構造設計のポイント

SE 構法の構造計算は、立体フレームモデル(接合部にバネがあるモデル)で立体解析を行っており、床や屋根の水平構面は変形する前提で解析しています。また、接合部や層間変形角の確認など高度な構造特性を活かした構造設計をおこなっています。

SE構法のポテンシャルを最大限に活用するために抑えておきたいのが「構造グリッド」の考え方です。構造グリッドを有効に活用した設計を行うことで、意匠と構造の計画的な整合性が上がり、構造躯体のコストパフォーマンスも向上します。

「耐震構法SE構法で構造とコストを両立させる鍵は構造グリッドの理解」はこちらです。

 

SE構法の魅力の一つに中大規模木造の構造躯体を「強くて、安く」提供できることにあります。設計から施工までのシステム化された仕組みに加えて、構造用集成材の一般流通材をベースとした構造材と専用のSE金物による合理的な構造フレームと耐力壁の併用がその理由です。

「耐震構法SE構法が「強くて、安い」のは構造フレームと耐力壁にワケがある」はこちらです。

 

SE構法がもたらす意匠設計者へのメリット

SE構法がもたらす意匠設計者へのメリット

SE構法は、単純に「剛性のある木質フレーム」というだけではなく、さまざまな利点を追求し、中大規模木造で求められる大空間・大開口を可能にして、意匠設計者の創造性を活かせる設計の自由度を提供しています。その理由は下記です。

1.SE構法は剛性のある木質フレームに囲まれた耐力壁を併用することで、耐力壁の性能を最大限生かすことが可能となり、壁量を少なくできる

→SE構法は構造架構(構造フレーム)は独自の接合金物によって高い性能を発揮します。その構造フレームと併用可能な耐力壁(合板の厚みや釘ピッチを変えることで調整)の強度を調整することにより、大空間や大開口を実現します。

 

2.SE構法は構造上必要な耐力壁を、適切な構造設計により、意匠設計に合わせて配置することが可能

→耐力壁は、合板の厚みや釘ピッチによる剛性の違う壁のバリエーションをつくることで、均等でない壁の配置であっても構造上バランスの取りつつ、設計の自由度の高い木造建築を実現します。

 

3.SE構法は木造でも明確な構造計算に基づいているので、安心して設計に集中できる。

→SE構法の特徴である構造計算から材料の品質管理までワンストップでサポートします。

 

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

SE構法が持つ構造スペックをNCNの構造設計スタッフは熟知しておりますので、構造計画の相談においてはレスポンスよく数日で回答、提案します。空間やデザインの可能性を広げるためにも早めの相談をおすすめします。

「SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説」はこちらです。

 

まとめ

中大規模木造を計画する場合は、プロセスに応じたポイントを押さえることが重要です。中大規模木造にこれから取り組む実務者の皆様には、下記のような疑問や悩みがあるのではないかと思われます。

・そもそも、木造で何がどこまでできる?

・構造設計はどうする?

・意匠設計での制約は?何を気を付けるべき?

・コストはどれくらいかかる?、安くなるの?

・材料はどこで手配するの? そもそも、どんな材料があるの?   

中大規模木造では、規模的に構造計算が必須となりますので、構造設計のパートナー選びが重要になります。

現実的には木造に対応できる構造設計者が不足しているため、計画に際しては早い段階から構造設計者を決める必要があります。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。