木造建築.jpは移転しました。

このメッセージは木造建築.jpにアクセスいただいた方に向けて表示しています。

耐震構法SE構法で建てる大規模木造建築のサイトをご覧いただきありがとうございます。木造建築.jpは、2017年4月のリニューアに際して現在表示中のURLに移動しました。旧サイトをブックマークされている方は、お手数ですが新しいURLをご登録いただきますようお願いします。

株式会社エヌ・シー・エヌ

このメッセージを閉じる

SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

耐震構法SE構法の屋根・小屋組みに関する設計のポイント

  • 耐震構法SE構法の屋根・小屋組みに関する設計のポイント -

屋根の形状、小屋組みの形式には多種多様なものがあります。このコラムではSE構法で使用される代表的なものをお伝えします。小屋組み形式の混在は可能です。

 

<このコラムでわかること>

・中大規模木造における屋根・小屋組みの考え方

・耐震構法SE構法の小屋組み

 

中大規模木造における屋根・小屋組みの考え方

小屋組みとは、屋根の骨組みのことで屋根荷重を支え、柱や梁に力を伝達させる役割があります。

屋根荷重は、垂木・母屋を通して小屋組に伝えられ、これを軸組に伝えます。

木造の場合、雨仕舞を良くするために屋根勾配をつける建築が基本となります。 小屋組みには、和小屋と洋小屋がありますが、梁間の大きい建築には洋小屋が、間仕切りが多い建築には和小屋が適しています。

和小屋では、屋根の荷重を小屋束で下に伝え、小屋梁が曲がることによって柱に伝えます。 洋小屋では、一般にトラス構造となっており、束材、ろく梁には軸力が生じ、力を柱に伝えます。

切妻・寄棟屋根などに用いられる小屋組みは、小屋梁を軒桁の上にかけ、その上に約90cm間隔(モジュール単位)で小屋束をたて、 棟木・母屋などを支えます。

 

耐震構法SE構法の小屋組み

耐震構法SE構法の小屋組みには、主に3種類あります。

和小屋形式は、屋根形状が切り妻、片流れ、寄棟などの場合に採用されます。柱と柱の間に、小屋梁を水平にかけて、その梁の上部にモジュール単位で小屋束を立て、母屋でつなぎます。屋根の頂部は、棟木となります。設計内容次第ですが、加工や組み立てがしやすく経済的な小屋組みです。

登り梁形式は、屋根形状が切り妻、片流れの場合に採用されます。和小屋のように水平の小屋梁を設けず、屋根勾配に合わせて登り梁を設けて屋根を支えます。桁行方向には、登り梁間に母屋を設けます。切り妻形状の場合は、登り梁同士の接合はできませんので、柱もしくは小屋束で登り梁の頂部を受ける必要があります。

登り梁で注意が必要なのは、「軒高」の捉え方です。例えば、屋根が片流れ形状の場合、登り梁の下側を軒高に設定したい場合には、その高さに合わせて水平の小屋梁を設置するように申請機関などに指摘を受けることがあります。その場合には、小屋梁と開口部の干渉がないか、位置や高さの確認が必要です。

特に3階建ての計画では注意が必要です。現行の建築基準法(2018年12月現在)では、軒高9mを越えると「大規模建築物」扱いとなるため、様々な規制が加わります。

湾曲梁形式は、屋根形状が曲面の場合に採用されます。考え方は登り梁形式と同じです。注意点としては、湾曲梁は著しくコストが高くことです。コストが高くなる理由は、設計内容に応じて湾曲梁を工場で1本ずつ曲げて制作するため、手間や時間が多くかかるからです。

 

まとめ

中大規模木造をSE構法で計画する場合、低層で大空間を求められると、登り梁形式を採用することが多いと思われます。登り梁形式は、和小屋形式のように小屋梁レベルに水平の火打ち材などを入れる必要がありませんので、空間をすっきりと見せることができます。

NCNへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。