中大規模木造専門の構造設計事務所「木構造デザイン」の強み
株式会社エヌ・シー・エヌでは、構法を問わず、すべての中大規模木造についてワンストップで支援するべく、2020年2月に「株式会社木構造デザイン」を設立しました。より非住宅木造の市場を喚起し、日本に美しくて強く、端正な木造建築を普及させたいと考えております。中大規模木造においては構造設計、積算、調達、加工、施工において課題が多いことも事実であり、「株式会社木構造デザイン」は木造業界の課題解決に貢献できる会社を目指しております。このコラムでは中大規模木造専門の構造設計事務所「木構造デザイン」の強みについてお伝えします。
<このコラムでわかること>
・中大規模木造の設計・生産に関する課題
・中大規模木造を実現する鍵は構造設計と生産設計の両立
・中大規模木造専門の構造設計を担う木構造デザインとは?
・中大規模木造に特化した木構造デザインのサービスフロー
・まとめ
中大規模木造の設計・生産に関する課題
非住宅の建築物は、これまで主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造等で建設されていました。木造は主に住宅向けの工法ということで、設計・生産・施工に関する環境が整えられてきました。
そうした状況の中、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行や環境意識の高まり、建築基準法改正などにより、非住宅建築物は木造化に取り組みやすい環境になっています。
一方で中大規模木造の設計・生産にはさまざまな課題があり、下記のような課題があります。
<設計>
・構造設計が必要な用途、規模に対して構造設計者が不足
・構造設計者が選択、納まり検討できる規格化された接合部がなく、加工段階で仕口が納まらない
・構造図面に調達困難な材料が指定されている
<生産>
・構造図面を参考にCAD入力をしないと精度の高い見積りができない
・プレカット加工機械のキャパシティはあるが、加工図が書けない
・受注後に加工ができないことが後で顕在化する
・製造工場の能力と品質レベルがよく分からない
・建設会社と工務店の中間領域の規模が多く、施工が不得手
中大規模木造の普及においては、設計・生産における上記の課題を解決するサービスが求められています。
中大規模木造を実現する鍵は構造設計と生産設計の両立
中大規模木造の計画の相談を受ける際に、
「非住宅の建築を木造で建てたいが、構造をどの会社に相談すればよいかわからない」
という話をよく聞きます。
今まで、木造は住宅の構造設計に準じて、地震力や風圧力に対して必要な壁量を算出し、それをもとに接合部を決めるというようなプロセスの構造設計が多かったと思われます。
一般の構造設計事務所で使われている構造計算ソフトにおいても、木造3階建て以下というような適用範囲が決まっており、中大規模木造に求められる応力解析を行って全体の挙動を掴みながら意匠設計や構造設計に反映していくプロセスにはなっていないことが問題です。
中大規模木造を実現するためには構造設計者選びは必須となりますが、その担い手の現実的な選択肢は「構造設計事務所」か「木構造メーカー」になります。
1.構造設計事務所
・メリット:与条件に応じて自由に構造を検討できる
・デメリット:木造が得意な構造設計者は限定的、生産設計には携われない
2.木構造メーカー
・メリット:構造設計から生産設計までワンストップで対応できる
・デメリット:構法が限定されることにより設計の可能性が狭まる、価格を調整しにくい
上記の問題を解決しつつ、更なる市場拡大へ必要となるのが、「構造設計事務所」と「木構造メーカー」のメリットを兼ね備えた機能を持つ会社です。具体的には、「木構造に特化した構造設計+生産設計(プレカットCADとの連動)」の仕組みを持つ会社です。
それが「株式会社木構造デザイン」です。
中大規模木造専門の構造設計を担う木構造デザインとは?
株式会社木構造デザインは、耐震構法SE構法を提供する株式会社エヌ・シー・エヌと、木構造CADで国内トップシェアのネットイーグル株式会社との合弁会社として設立されました。
木構造デザインは、中大規模木造専門の構造設計会社として、
・「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」
・「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」※
をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献します。(※CADデータはネットイーグル社製のみの対応となります)
個々のプロジェクト以外にも、⽣産システム開発など、構造設計と⽣産設計で解決するビジネスをサポートします。
中大規模⽊造に取組む設計事務所様、建設会社様、プレカット⼯場様、⾦物等メーカー様など、どのようなポジションからでもご相談いただけます。
木構造デザインは、中大規模⽊造の構造設計を主体とし、設計のプロセスで生じる様々なニーズにお応えいたします。構造設計者が構造プレカットデータを同時に作成し、木構造に関する製造品質、施工品質に対して、皆さまの設計や生産に関する事業をサポートいたします。
木造建築にはまだまだ大きな可能性があります。そのために木造ならではの煩わしいシステムを解決していきたいと考えております。
また現在注目されているCLTなどの材の活用方法を拡げ、適材適所にうまく組み合わせられるようにしていきたいと考えております。
中大規模木造に特化した木構造デザインのサービスフロー
木構造デザインの親会社であるエヌ・シー・エヌは、SE構法によって木構造におけるシステム化を実現しています。構造設計、積算、調達、加工、施工の一気通貫のワンストップサービスで、『正しく構造設計し、正しく生産、提供し、正しく施工を行う』という仕組みを構築しています。
木構造デザインは、SE構法で経験してきたシステム構築、人財、ネットワークをノウハウとしてうまく活かしながら、ニュートラルな立場で構法を限定しない中大規模木造の構造設計や生産設計を提供できることが強みです。
木構造デザインでは、プロジェクトの計画段階から構造の相談、ご提案が可能です。提供する主なサービスは下記です。
<設計事務所様・建設会社様・工務店様向け>
・構造・構法相談サポート
・構造計画サポート
・構造計算書・構造図作成
・構造BIMデータ作成
・確認申請対応
<プレカット工場様向け>
・設計支援サポート
・積算サポート
・プレカットCADデータ提供
木構造デザインでは、中大規模木造を手掛けてきた経験・実績から、木造に不慣れな設計者が木造を難しいと感じてしまう要因を解決するべく、
・建築物の規模や用途、基準に適した材料・構造形式の選定方法
・構造計画・材料計画での注意点
・コストダウン成功例、適切な加工工場・施工業者の選定方法
など、具体的なポイントについてサポートいたします。
木構造デザインをうまく活用していただくことで、木造の在来工法では実現が難しい大空間、大開口、大スパン、木造耐火などを実現することができます。特に鉄骨造ではコストや工期に対応できない場合は、木造が有効な選択肢となります。
まとめ
2020年現在、社会の変化や法改正などの影響により、木造建築物は建てやすい流れが訪れています。木は使えば使うほど魅力がある面白い材料です。
世界一の地震国である日本で建築を造るということは、耐震性の確保が大前提になります。木造の場合、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較すると耐震性が弱い印象もあるかもしれませんが、「建物が軽い=地震などを受ける力が少ない」という利点もあります。
中大規模木造を建築する際の設計・生産の課題として、構造設計者の不足、接合部の未規格化、材料の調達難、見積もり精度不足、プレカット工場での加工図作成不可、受注後の加工手戻り、製造工場の能力や品質レベルの不明確さ、施工の不得手などが挙げられます。
木構造デザインは、ニュートラルな立場で構法を限定しない中大規模木造の構造設計や生産設計を提供し、意匠設計者にとって「使い勝手のよい木構造専門の構造設計事務所」を目指しております。
構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。
株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。