【大規模木造】SE構法で建設された事務所の内装木質化解説
低層の非住宅用途の建築物は木造での提案が求められる時代を迎えています。現在、低層の非住宅用途は鉄骨造の割合が多いですが、規制緩和や技術力、コストパフォーマンスの向上等の理由により、より多くの建築が木造化できるようになっています。
そこで重要となるのが、木造の強みを活かした建築デザインです。木造のメリットを活かすことで、各用途で魅力的な建築が生まれます。SE構法では大空間、大開口、スキップフロア等の構造計画が可能になりますので、多様な事務所の内装木質化が実現できます。
このコラムではSE構法を採用した事務所の内装木質化について解説します。
<このコラムでわかること>
・SE構法の事務所の内装木質化事例(木造ビル)
・SE構法の事務所の内装木質化事例(平屋)
・SE構法の事務所の内装木質化事例(耐火建築物の木造ビル)
・SE構法の事務所の内装木質化事例(混構造の木造ビル)
・SE構法の事務所の内装木質化事例(大開口の木造ビル)
・SE構法の事務所の内装木質化事例(木造3階建の木造ビル)
・SE構法へのお問合せ、ご相談について
・まとめ
SE構法の事務所の内装木質化事例(木造ビル)
上の写真は、運輸会社様の新社屋の事例です。
フロアは1階がエントランスと事務室、2階はガラス張りの会議室と社長室で、すこぶるオープンなオフィスとなっています。
階高は1階が3,382mm、2階が3,128mmと高く、しかも1階は天井を張っていないので、その高さがより実感できる設計となっています。
2階の会議室は社内利用だけでなく取引先の畜産農家の新商品発表会などにも使ってもらうことを想定しています。そのため会議室内だけは床はタイルカーペット敷きです。
SE構法の事務所の内装木質化事例(平屋)
上の写真は、建設会社様の新社屋の事例です。
大空間と共に注目されるのは、木質感や家具配置を含めた内装です。
フリーアドレスが原則となっており、どこでも打合せや業務を行うことができ、コミュニケーションが促進される空間になっています。
北側壁面は全面が書棚で、その裏側の廊下壁面をマグネット対応のホワイトボードとなっており、その奥には個人用ロッカーとWEBミーティング用のブースが3つあります。
説明会などを催すためのセミナールームは、床を階段状にして視認性を高めると共に、リラックスして交流できる雰囲気を高めています。
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SE構法の事務所の内装木質化事例(耐火建築物の木造ビル)
上の写真は、工務店様の新社屋の事例です。
自社の本社兼ショールームであると共に、地域の交流の場になることを意図しています。
1階にはギャラリー、地階にはイベントホール、屋上にはBBQ施設を設けて、周辺地域のコミュニケーションの場を提供しています。
耐火建築物でも仕上げ材には木を積極的に利用しています。
1階のギャラリーは、天井は大工の造作による組木仕上げとなっています。工務店の木造オフィスならではの仕上がりです。
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SE構法の事務所の内装木質化事例(混構造の木造ビル)
上の写真は、建築設計事務所様の新社屋の事例です。
1階の平面計画は中央部の駐車場を挟んで、道路側にギャラリー、奥にエントランスと階段室、応接室と書庫を配しています。
2階には応接室と事務室と前述の水回りを配し、メーターモジュールの木造(SE構法)で構築しています。
2階の事務室は6,000mm×10,000mmの無柱空間で、成360mmの登り梁で合掌を形成し、タイバーを用いてスラストを抑え、120mm×360mmの平角柱を2,000mmピッチで並べて受けています。
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SE構法の事務所の内装木質化事例(大開口の木造ビル)
上の写真は、木造2階建て事務所ビルの事例です。
大開口に面して明るい大空間があり、様々なボリュームが重層する空間構成になっています。
スキップフロアの構成となっており、いろいろな広さや高さを体感できる建築です。
印象的な螺旋階段が空間をつなぎます。
SE構法の事務所の内装木質化事例(木造3階建の木造ビル)
上の写真は、木造3階建て事務所ビルの事例です。
外観デザインと同様に、内装においても斜めに仕上材を切り替え、ライン照明で見切ることでその効果を際立たせています。
内装に関しては積極的に木質化されています。
モダンなインテリアながらも、木による温かみを感じるデザインになっています。
SE構法へのお問合せ、ご相談について
大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。
1.構造設計
SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。
2.概算見積り
SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。
3.調達
物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。
4.加工
構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。
5.施工
SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)
6.非住宅版SE構法構造性能保証
業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。
↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。
https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/
まとめ
都市部を中心に、大規模木造の計画が活性化しています。
木造はもはや都市建築の選択肢の一つとなっています。発注者は環境重視の姿勢を強めています。
設計者には、木の材料特性を引き出し、流通する製材を活用して、都市部の建築の木造・木質化の実現が求められています。
SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい高層化、木造耐火などを実現することができます。
都市部の厳しい敷地条件の中、鉄骨造ではコストや施工に問題がある場合においても、木造(SE構法)が有効な選択肢となります。
NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。
計画段階からご相談いただくことで、構造設計から材料調達までを考慮した合理的な計画が可能です。
集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。
SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。
また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。
構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。
株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、ウッドショックでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。