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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

耐震構法SE構法と鉄骨造を徹底比較(耐久・耐火編)

  • 耐震構法SE構法と鉄骨造を徹底比較(耐久・耐火編) -

建築は長く使われるものですので、耐久性はとても重要な要素となります。木造、鉄骨造共に長持ちさせるためにはメンテナンスが不可欠になります。また都市部の建築物や中大規模の建築物では耐火建築物、準耐火建築物への対応が求められます。このコラムでは、SE構法鉄骨造の主に耐久性と耐火性に関する点について比較します。

 

<このコラムでわかること>

・風雨等天候による影響はSE構法鉄骨造も劣化対策が重要

SE構法鉄骨造も材料品質は安定している

メンテナンスSE構法がしやすく鉄骨造は設計段階の配慮が必要

耐火建築物には鉄骨造が対応しやすいがSE構法でも対応は可能

SE構法鉄骨造とも準耐火建築物には対応しやすい

・木のほうがゆっくり燃えるので火災には鉄骨造よりもSE構法が有利

 

風雨等天候による影響はSE構法も鉄骨造も劣化対策が重要

SE構法(木造)も鉄骨造も共通の弱点としては「水に弱い」ことが挙げられます。そのため、構造用集成材や鋼材を「いかに水に触れさせない」納まりで建築をつくる必要があります。

SE構法は構造フレームが木(構造用集成材)ですので、構造材が外部に露出していると雨などの影響により構造材が腐ってしまいます。そのため、構造材を外部で露出させることを避けることが基本です。仮に外部に使用する場合には、定期的な塗装などのメンテナンスや構造材を交換できる位置に限定するなどの配慮が必要になります。

鉄骨造は構造フレームが鉄(鋼材)ですので、構造材が外部に露出したり結露などの影響により構造材が錆びてしまいます。やはり、定期的な塗装などのメンテナンスで錆を防ぐ対応は必要になります。海が近い敷地など、塩害が懸念されるエリアでの計画では、鉄骨造は不利になります。

 

SE構法も鉄骨造も材料品質は安定している

SE構法は、構造用集成材を製造する会社からJAS規格を満たした構造用集成材を仕入れていますので、材料の品質は担保されています。SE金物も専門の会社に製作してもらったものを仕入れています。提携するプレカット工場により構造材を加工しますので、プレカット精度も高いです。

鉄骨造は、鋼材を工場で製作し、鉄骨検査などを行った上で現場に搬入します。鉄骨は詳細な規格も存在し、材料の性能は担保されています。

 

メンテナンスはSE構法がしやすく鉄骨造は設計段階の配慮が必要

SE構法(木造)の建築物は、主要な箇所の材料に木材を用いているのが特徴で、リフォームやメンテナンスもしやすい構造となっているために、長期間利用できる建築となっています。昔の木造の家屋が今でも残っているように、十分に手入れして使用すれば長い期間使い続けることも可能です。

また木材は吸水性や吸湿性に優れているので、一年間で温度や湿度などの変化の大きい日本の環境に適しています。乾燥している時期は木材内部の水分を放出しますし、湿気の多い時期は木材が水分を吸収して快適な環境を整えてくれます。

鉄骨造のメンテナンスにおいては事前の検討が必須です。例えば雨漏れ補修の工事では、雨水の侵入経路を特定する必要があります。鉄骨造の場合は、水が漏れている「出口」は明確なのですが、躯体と仕上げがクリアランスを取りながら設置されていることも多いので、水の侵入している「入口」を特定することが困難です。

 

耐火建築物には鉄骨造が対応しやすいがSE構法でも対応は可能

SE構法で耐火建築物を実現するためには、防火とコストの問題をクリアすることが求められます。現行の法規上、都市部の大規模建築では、耐火建築物であることが求められ、木造の構造体に石膏ボードなどで耐火用の被覆が必要となります。

木造の耐火建築物を現実的に設計するためには、一般社団法人日本木造住宅産業協会が取得している国土交通大臣認定工法を用いるか、国土交通省告示を用いて実現する方法を選択するかのいずれかです。

鉄骨造で耐火建築物を実現するためには、やはり構造躯体に耐火被覆等の対策が必要となりますが、木造よりは耐火建築物に必要な施工の手間やコストが発生しないため、耐火建築物には対応しやすいと言えます。

 

SE構法、鉄骨造とも準耐火建築物には対応しやすい

通常の準耐火建築物には、下記の3種類があります。いずれも延焼の恐れのある部分の外壁開口部に防火設備(防火戸等)を設けたものです。

・主要構造部を準耐火構造とした「イ準耐火建築物」

・外壁を耐火構造として屋根に一定の防火性能を持たせた「ロ準耐火建築物1号」

・主要構造部を不燃材料とした「ロ準耐火建築物2号」

SE構法(木造)で準耐火建築物を設計する場合、イ準耐火建築物(主要構造部を準耐火構造として、延焼の恐れのある部分の開口部に防火設備を設けたもの)となります。イ準耐火建築物では、木材を耐火被覆に使うことも可能であり、その詳細が告示の準耐火構造の床の上面被覆、軒裏、階段などに例示されています。

SE構法の場合、柱、梁に関しては、燃え代設計を適用することで、石膏ボードなどの耐火被覆を省略できます。SE構法では独自の計算方法により「梁幅を変えずに梁せいを上げるだけ」の燃え代設計が可能ですので、特注材などを用いることなく構造材コストの上昇は最小限に抑えられることも大きなメリットです。

鉄骨は建築基準法に定められた不燃材料なので、鉄骨造とすれば、軸組みは不燃なので、原則的に上記の「主要構造部を不燃材料としたロ準耐建築物」に相当しますが、この場合も当然、延焼の恐れのある部分の外壁開口部には、防火設備を設ける必要があります。そうしなければ、準耐火建築物とはなりません。

 

木のほうがゆっくり燃えるので火災には鉄骨造よりもSE構法が有利

SE構法で使用する構造用集成材は、断面を大きくすることで逆に燃えにくくなります。大断面の構造用集成材は表面が燃えても中心部までは燃えにくくすぐには倒壊しません。それは表面に炭化層ができ、それが断熱材の役割をして熱を伝えにくく炭化速度を失速させるという特性を持っているためです。

鉄骨は、不燃材料ではありますが、熱が加えられると、その耐力が急激に低下する性質がありますので、耐火的な材料とは言えません。鉄は500800度で軟化するため建物も構造自体が崩れてしまいます。

 

まとめ

耐久性については、SE構法(木造)は水に弱い、鉄骨造はサビに弱いという特性をふまえた設計、施工が求められます。耐火性については、耐火建築物あるいは準耐火建築物においても、SE構法も鉄骨造もそれぞれ対応が可能です。

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