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SE CONSTRUCTION耐震構法SE構法

耐震構法SE構法と鉄骨造を徹底比較(設計編)

  • 耐震構法SE構法と鉄骨造を徹底比較(設計編) -

非住宅の建築物において、工法を鉄骨造から木造に切り替える動きが活性化しています。その理由の一つが、鉄骨造のボルト不足や納期遅延、施工費の大きな上昇などです。鉄骨造の計画を木造で実現するためには、大空間や大スパンに対応できるSE構法のような構造用集成材を用いた金物工法です。このコラムでは、SE構法鉄骨造の主に設計に関する点について比較します。

 

<このコラムでわかること>

設計の自由度SE構法鉄骨造(ブレース構造)なら同等

大空間鉄骨造が有利だがSE構法トラス張弦梁で対応可能

大開口鉄骨造が有利だがSE構法は耐力壁の位置を調整して対応可能

仕上SE構法鉄骨造も外壁の選択肢は限られる

耐震性SE構法鉄骨造で同等だが建築物の揺れ方に違いがある

基礎構造SE構法は重量が軽くて断面を小さくでき鉄骨造より有利

 

設計の自由度はSE構法と鉄骨造(ブレース構造)なら同等

SE構法は準ラーメン構造のため、柱・梁の構造フレームに加えて構造用合板を貼った耐力壁をX・Y方向に設置して耐震性能を確保します。

鉄骨造においてブレース構造の場合は、柱・梁の構造フレームに加えてブレースが必要になりますので、平面計画や立面計画に影響があります。

設計の自由度という点では、鉄骨造で純ラーメン構造とすればブレースが不要になります。ただし、その場合にはブレース構造と比較して部材断面を大きくする必要がありますので、コストが高くなります。

 

大空間は鉄骨造が有利だがSE構法はトラスや張弦梁で対応可能

大空間は鉄骨造のほうが有利です。スパンを大きく飛ばすこともできますし、階高の高い断面計画などにも対応できます。

SE構法でも大空間の対応は可能です。一般に流通している構造用集成材の梁は6mまでが標準となっており、6mを超えると特注材を使います。スパン10m程度までは単純梁で対応することもできます。

スパンが10mを超えるような場合には、トラス張弦梁などを活用することで対応できます。

 

大開口は鉄骨造が有利だがSE構法は耐力壁の位置を調整して対応可能

狭小な間口の敷地で、短辺方向に耐震要素をあまり入れられない計画の場合などは、鉄骨造が有効です。設計以外の面では、狭小の敷地の場合は鉄骨の搬入や施工ができない場合もありますので注意が必要です。

SE構法でも大開口の対応は可能です。準ラーメン構造のため耐力壁は必ず必要ですが、耐力壁の長さを幅600mm(柱芯間の寸法)まで短くすることもできますし、準耐力壁として幅455mm(柱芯間の寸法)とすることもできます。

SE構法では許容応力度計算や偏心率等を計算しておりますので、ビルトインガレージやピロティなどの大開口が求められる場合には、耐震要素を片側にモジュール単位に連続的に配置して、逆側を全てオープンにするような構造計画も可能です。

 

仕上はSE構法も鉄骨造も外壁の選択肢は限られる

外装については、法規制などにより条件は異なりますが、鉄骨造はALCパネルや押出し成形セメント板などが用いられます。純ラーメン構造の場合は、地震による層間変位が大きく、左官材などの割れやすい外装材を用いる場合には相応の対策や配慮が必要になります。

SE構法は木造ですので、ガルバリウム鋼板やサイディングなどの乾式工法か、モルタル下地に塗装する湿式工法のいずれかの選択にあります。

内装材については、内装制限などをふまえても、SE構法も鉄骨造も選択肢は多いと言えるでしょう。軽鉄もしくは木下地の上に仕上げ材を貼る(あるいは塗る)納まりとなるからです。鉄骨造の場合、耐火建築物が求められる場合に耐火被覆が必要になりますので、意匠面での配慮は必要です。

 

耐震性はSE構法と鉄骨造で同等だが建築物の揺れ方に違いがある

SE構法と鉄骨造は、どちらも構造計算をもとに部材算定や接合部の設計を行いますので、耐震性に関しては同等の性能となります。大きく異なるのは、建築物の揺れ方です。

鉄骨造は、純ラーメン構造は地震による層間変位が大きく、ブレース構造はラーメン構造に比べて剛性が高くなります。鋼材の粘りによって地震のエネルギーを吸収し倒壊を抑える構造であり、建物重量が大きいことから地震力も大きく受けるので、地震時の揺れは大きくなります。

SE構法は、自身の揺れに対して接合部の剛的な耐力と木造軸組のしなる柔軟性で地震にしなやかに耐えます。鉄骨造と比較して建物重量がとても小さいことから、同じ地震でも受ける地震力は小さくなりますので、地震時の揺れは小さくなります。

 

基礎構造はSE構法は重量が軽くて断面を小さくでき鉄骨造より有利

鉄骨造は、構造材重量が大きく、基礎断面が大きくなります。建築物を支えるため杭工事等の地盤改良工事も検討が必要で、その場合は杭の長さは地盤の支持層まで到達させる必要があり、コストや工期に大きな影響をもたらします。

SE構法は、鉄骨造と比較して上部構造の重量が軽く、基礎断面を小さくすることができます。建築物を支えるための必要な地耐力の数値も小さいため、地盤改良工事においても杭工事以外の柱状改良工事や表層改良などで対応できることもあります。

 

まとめ

鉄骨造で計画されていた建物をSE構法に切り替えるためには、大きな設計変更をすることなく、構造を成立させることが鍵となります。4階建以上の計画や工場のような大空間は鉄骨造が有利となりますが、3階建以下でスパンが10m以内のような計画においてはSE構法を採用することでコストを大きく抑えることができ、材料の納期も早いので工期も大幅に短縮できます。

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