【助成金情報】令和6年度「都市における木材需要の拡大事業」まとめ
「都市における木材需要の拡大事業」は、都市部での木材需要の拡大に向けて、建築事業者(施工者)等に対して、木質耐火部材等の利用、JAS構造材の利用、内装部材への木材製品の利用、木製サッシの利用を助成する事業です。
(一社)全国木材組合連合会より、令和6年度の「都市における木材需要の拡大事業」が発表され、2024年7月31日より公募が開始されました。
株式会社エヌ・シー・エヌ(以下NCN)では、建築実務者向けに向けて、通常の構造設計や構造躯体供給に加えて、助成金情報の発信や申請のアドバイスを提供しています。
このコラムでは、大規模木造で活用できる助成金について、木構造躯体供給メーカーの立場で伝えたいポイントを紹介します。(この記事は2024年8月2日時点の情報ですのでご注意ください。)
<このコラムでわかること>
・都市における木材需要の拡大事業の概要
・都市における木材需要の拡大事業の申請期間、申請者要件、申請区分
・都市における木材需要の拡大事業の助成対象物件、助成額
・SE構法へのお問合せ、ご相談について
・まとめ
都市における木材需要の拡大事業の概要
大規模木造で利用できる助成金として注目されているのが「都市における木材需要の拡大事業」です。
本事業は木材利用が低位であった都市部や非住宅分野での木材利用の取り組みを促進することを目的とした助成金事業です。
下記の4つの区分にわかれ、それぞれ助成を得ることができる事業です。
①木質耐火部材等の利用
②JAS構造材の利用
③内装部材への木材製品の利用
④木製サッシの利用
令和6年度「都市における木材需要の拡大事業」の募集につきましては、7月31日より公募が開始されました。
募集内容等につきましては、ホームページ等でご確認をお願いします。
都市における木材需要の拡大事業の申請期間、申請者要件、申請区分
都市における木材需要の拡大事業の申請期間、申請者要件、申請区分は下記です。
【都市における木材需要の拡大事業の申請期間】
事業申請:2024年7月31日(水)~2024年8月9日(金)(当日消印有効・持込可)
助成金交付申請:2024年11月29日(金)または、助成対象事業完了後一ヵ月以内
※ただし4階建て以上の建物の場合2024年12月10日(火)まで
【都市における木材需要の拡大事業の申請者要件】
・申請者が都市木利用拡大宣言事業および木材SCM支援システム「もりんく」の事業者登録を行っていること。
・原則として申請者は該当物件の施工者であること。
【都市における木材需要の拡大事業の助成金申請区分】
1.木質耐火部材等
耐火・準耐火性能が求められる木造建築物(または混構造)
2.JAS構造材
木造(または混構造)の建築物において主要構造部にJAS構造材を利用している建築物
3.内装材
耐火・準耐火性能が求められる建築物において、壁、天井、床の仕上げの表面への木材製品の利用
4.木製サッシ
木製サッシの利用
※それぞれ組み合わせが可能です(制限あり)
都市における木材需要の拡大事業の助成対象物件、助成額
都市における木材需要の拡大事業の助成対象物件、助成額、留意事項は下記です。
【都市における木材需要の拡大事業の助成対象物件】
・建築主が国でないもの
・3階以下の建築物で住宅又は併用住宅でないもの(4階建て以上は、住宅及び併用住宅OK)
・基礎より上部の部分で国から助成を受けていないもの
・木質耐火部材およびJAS構造材を申請する場合:10㎡以上の新築または増改築物件
・木質耐火部材および内装材を申請する場合:耐火・準耐火構造であること
・JAS構造材を申請する場合:JAS構造材が主要構造部に使用されること
【都市における木材需要の拡大事業の助成額】
1.木質耐火部材等(上限額:1,500万円)
・燃え代製材を利用した場合 床面積×13,600円/㎡
・そのほかの場合 床面積×11,900円/㎡
・CLTを利用する場合 CLT材積×160,000円/㎥
2.JAS構造材(上限額:1,500万円)
・JAS構造材使用量×60,000円/㎥+JAS合板調達費×1/2
※CLT利用の場合:CLT材積×130,000円/㎥
3.内装材(1,000万円)
壁・天井利用:内装材利用面積×11,000円/㎡
床利用:内装材利用面積×7,000円/㎡
4.木製サッシ(100万円)
木製サッシ窓数×60,000円
※それぞれ組み合わせが可能です(制限あり)
【都市における木材需要の拡大事業の留意事項】
・確認申請を行っている場合は、確認申請書1面~6面が必要となります(要本申請受付印)
・木質耐火部材等の利用の場合、2024年7月31日(水)以降に着工している物件が対象となります。
・JAS構造材、内装材、木製サッシの利用については、2024年7月31日(水)以降に調達が行われた木材製品が対象となります。
・事前の見積り書、発注書にて助成対象の材料の種類が明確でない場合は助成対象外となります。
・事業採択通知書の日付前に建て方が完了した物件は助成対象外となります。
※申請をご検討中の方は必ず事務局より好評されています、公募要領を熟読のうえ申請してください。
SE構法へのお問合せ、ご相談について
大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。
1.構造設計
SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。
2.概算見積り
SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。
3.調達
物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。
4.加工
構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。
5.施工
SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)
6.非住宅版SE構法構造性能保証
業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。
↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。
https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/
まとめ
都市における木材需要の拡大事業に取り組む場合には、必ずご自身で公募要領のご確認をお願いします。
NCNでは、SE構法で独自に構築したシステムを活用しながら木造住宅に用いられる材料を利用することで、大規模木造の建設にかかるコストと時間軸を抑える取り組みを行なっています。
それに加えて、大規模木造に関する助成金をうまく利用していただくことで、より厳しいコスト管理が要求される仕事においても、木造化が可能になります。
大規模木造に関する、基本的な質問・相談や、具体的な案件の相談等、経験豊富な専門スタッフが直接対応します。
NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。
計画段階からご相談いただくことで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談いただくことで、合理的に設計を進めていただければと考えております。
集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。
SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。
また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。
構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。
株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。