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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

中大規模木造に追い風が吹いている理由は、山の危機と法改正、新技術の開発

  • 中大規模木造に追い風が吹いている理由は、山の危機と法改正、新技術の開発 -

中大規模木造に追い風が吹いています。これまで地方都市の体育施設などに限られていた大型の木造建築が、法改正や新技術により、都市部でも実現可能になったことが背景にあります。2000年の建築基準法改正によって中大規模木造の道が開かれ、さらに2010年の「公共建築物等木材利用促進法」が木造復権の現実性を一気に高めました。このコラムでは、近代化以降の木構造に関する流れを振り返ります。

<このコラムでわかること>

・近代化以降の木質構造に関する流れと、大規模木造ブームの教訓

・性能規定化による耐火木造の実現により、中大規模木造建築が再登場

近代化以降の木質構造に関する流れと、大規模木造ブームの教訓

日本の木造はどのような進化をたどってきたのか、今はどんな段階にあるかに関心の高い建築実務者も多いのではないでしょうか?

日本の近代建築黎明期には、鉄骨造と鉄筋コンクリート造と同様に木造も並列に存在していました。1900年代初頭には多層で大規模な木造建築が建てられていました。

1919年の市街地建築物法により、建築可能な木造建築の規模が制限を受けることになり、木造の適用範囲は木造住宅や木造校舎などに限定されて行くようになります。

その約70年後の1987年の建築基準法改正により、大断面集成材による大規模木造建築が可能になります。

1988年に「ふるさと創生1億円事業」が実施されたこともあり、1990年代初頭にかけて、地方都市で木造のドームや体育館などの比較的「大空間」の木造建築が数多く建設されます。

しかし、それがその後の木造需要の拡大に結びついたとは言いがたい結果となります。「木造は特別な場合に使うもの」という認識が広まり、コストも他工法よりも高くなることから中大規模木造はあまり増えなかったのです。

性能規定化による耐火木造の実現により、中大規模木造建築が再登場

大規模木造建築の姿は、集成材登場当初には山形ラーメン、アーチといった単純な構造形式でしたが、1990年代に入ると立体トラス、張弦梁など鉄とのハイブリット構造へと、様々な構造形式が採用されることになります。

こうした流れは、木造建築が伝統木造に続くある種の「特殊な世界」から、様々な建築実務者による「普通の世界」として捉えられるようになった影響が多いと思われます。

2000年の性能規定化により、耐火木造の道も開かれました。

2013年には、鉄骨内蔵型、被覆型、燃え止まり型の3種類の耐火木造技術を用いた中大規模木造建築が竣工し、木造で多層化、高層化した事例が増えていくことになります。

まとめ

中大規模木造に追い風が増えている背景には、日本の山の危機を迎えていることにあります。戦後に植林した樹木が活用期を迎える一方、木造自給率は3割にも満たない現実があります。国はこうした状況を改善するために「建築に木をつかう」ことを後押ししています。公共、民間問わず、今後の建築設計においては発注者からの「木造」要望は確実に増える状況です。建築実務者の皆様は「木造」を差別化の武器にしていただければと考えております。

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