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木造の準耐火建築物の可能性が広がる!改正建築基準法の解説

  • 木造の準耐火建築物の可能性が広がる!改正建築基準法の解説 -

20196月末に改正建築基準法が施行されました。防耐火規制では、これまで建築物を「その他の建築物」「準耐火建築物」「耐火建築物」の3つに分類してきましたが、改正後は耐火建築物と同等の性能をもつ「準耐火建築物」という概念が登場します。従来の準耐火建築物を上回る性能をもつ建築物です。このコラムでは、木造における「準耐火建築物」のポイントをお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

改正建築基準法:耐火建築物と同等の準耐火建築物という概念

改正建築基準法:木造75分・90分準耐火構造が追加

 

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改正建築基準法:耐火建築物と同等の準耐火建築物+αという概念

建築基準法における主要構造部とは「防火・避難の観点から主要な部分」という意味合いが強いものです。壁・柱・床・梁・屋根・階段を指します。構造性能にかかわる構造耐力上主要な部分、とは定義が異なります。

改正建築基準法では、防耐火規制において、耐火建築物と同等の性能をもつ「準耐火建築物」という概念が登場しました。これまでの区分を含めて、その違いを以下のようにまとめます。

<耐火建築物>

RC造のように防耐火性能に優れ、主要構造部が燃焼することはなく、規定時間を超えても建物は倒壊しない。

<準耐火建築物

主要構造部の性能は耐火建築物と同等です。加えて、細かな防火区画や付室を設けるなどして、延焼防止や消防・避難活動に対する支援措置が施されている。耐火建築物と同等の性能をもつとされる。

<準耐火建築物>

一定の防耐火性能がある。主要構造部は燃えながらも、規定された時間より早く建築物が倒壊することはない。規定時間を超えてから建築物が倒壊することは許される。

<その他の建築物>

防耐火性能に関する配慮は建築物の外周部のみ。燃焼中に主要構造部が燃え尽き、建築物が倒壊する可能性がある。

 

改正建築基準法:木造に75分・90分準耐火構造が追加

改正建築基準法で防耐火に関するポイントは、従来は耐火建築物でしか設計できなかった建物が、消火や避難に関して適切な措置によって準耐火建築物として設計できるようになることです。

これは中大規模木造にとって大きなメリットです。耐火建築物では認められていない燃えしろ設計での対応ができるからです。防耐火性能への要求が厳しい都市部の木造建築物でも、構造材を現しやすくなります。

準耐火構造(45/60分)に75分準耐火構造が追加されます。燃えしろは6.58.5cm(残存断面20cm以上)とし、外壁(屋内側)は45分準耐火が強化石膏ボード12.5mm厚であるのに対して、75分準耐火構造では強化石膏ボード42mm厚(2層以上)と例示される予定です。

非住宅では、構造計算により、防耐火を含めた構造性能を検証する必要があります。原則として、品質・性能が明確に保証されている木材を使用することが現実的です。その点ではJAS製材は有用です。JAS製材(機械等級区分構造用製材/目視等級区分構造用製材)であれば、準耐火構造における燃えしろ設計が可能です。

 

まとめ

木造でも75分・90分準耐火構造や防火設備によって、延焼のおそれのある部分の外壁、軒裏、開口部の延焼防止性能を向上させれば、準耐火建築物として設計することが可能になります。ただし、外壁開口部の面積率(各立面の外壁に対する開口部の面積)に制約があり、大開口は実現しにくくなる点は注意が必要です。

これまでの法改正直後の状況をふりかえっても、改正建築基準法の解釈や運用方法については、行政窓口が混乱していたり関連する条例等も整備されていない場合も多いので、本コラムの内容も「改正内容の要点解説」となることのご理解、ご了承をお願いします。建築実務者の皆様においては、安易に自己判断せず、該当の行政窓口や指定検査確認機関等によく内容を確認をしてから設計や施工を進める必要がありますのでご注意ください。

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