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大規模木造で認定こども園を計画するための法規まとめ

  • 大規模木造で認定こども園を計画するための法規まとめ -

 大規模木造は、幼児施設(保育所・幼稚園・認定こども園等)に求められる設計に対応可能です。

 認定こども園には、4つのタイプがあります。認定こども園全体の認定数として最も多いのは「幼保連携型の認定こども園」です。

 幼保連携型の認定こども園は、法27条による特殊建築物です。建築基準法上は、児童福祉施設等に分類されています。注意すべきことは、建築基準法以外にも、「幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準」を満たす必要があることです。

 このコラムでは、木造で幼保連携型の認定こども園を実現するための関連法規の規定についてポイントをお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

認定こども園は4つのタイプがある。保育所・幼稚園との違いとは?

幼保連携型認定こども園の計画ポイント

大規模木造幼保連携型認定こども園における耐火上の要件

大規模建築物の防火措置による高さ制限

大規模木造幼保連携型認定こども園における内装制限

・大規模木造認定こども園に適している理由

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

認定こども園は4つのタイプがある。保育所・幼稚園との違いとは?

認定こども園は4つのタイプがある。保育所・幼稚園との違いとは?

認定こども園は、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設です。

以下の機能を備え、認定基準を満たす施設は、都道府県等から認定を受けることが出来ます。

「就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能」

・「地域における子育て支援を行う機能」

認定こども園には、地域の実情や保護者のニーズに応じて選択が可能となるよう多様なタイプがあります。認定を受けても幼稚園や保育所等はその位置付けは失いません。

 

■幼保連携型

幼保連携型の認定こども園は、幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ単一の施設として機能を果たす施設です。

 

■幼稚園型

幼稚園型の認定こども園は、認可幼稚園が保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たす施設です。

 

■保育所型

保育所型の認定こども園は、認可保育所が保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たす施設です。

 

■地方裁量型

地方裁量型の認定こども園は、幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たす施設です。

 

地域によって差はありますが、認定こども園全体の認定数として最も多いのは、「幼保連携型の認定こども園」です。(参照:内閣府「都道府県別の認定こども園の数の推移」)

このコラムでは、「幼保連携型の認定こども園」の計画に関する関連法規についてお伝えします。

 

幼保連携型の認定こども園の計画ポイント

幼保連携型の認定こども園の計画ポイント

幼保連携型の認定こども園は、内閣府が改正認定こども園法に基づき、「学校及び児童福祉施設としての法的位置付けを持つ単一の施設」と定義されています。

幼保連携型の認定こども園は、教育施設としての幼稚園と、児童福祉施設としての保育所をひとつに統合した施設です。

建築基準法以外の基準として、幼稚園には「幼稚園設置基準」、保育所には「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」があります。

幼保連携型の認定こども園には、「幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準(以下「幼保連携型基準」)」があります。

関連リンク:幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準

幼稚園と保育所はそれぞれに設置基準が定められており、「幼保連携型基準」ではそれぞれの設置基準の高い水準の方を満たす必要があります。

幼保連携型認定こども園の認定を受けるためには、都道府県の条例で定める認定の基準を満たす必要があります。施設が満たさなければならない要件については、所管の特定行政庁に事前に確認する必要があります。

 

大規模木造の幼保連携型認定こども園における耐火上の要件

木造の幼保連携型認定こども園で必要となる耐火性能は、建築基準法以外にも「幼保連携型基準」が定められており、これに従って都道府県ごとに条例が定められています。これらは建築基準法における防火・耐火性能に関する規定よりも厳しい規定です。

保育室等(乳児室、ほふく室、保育室または遊戯室)を何階に計画するかによって、耐火性能の要求水準が変わります。

注意点としては、幼保連携型認定こども園の場合、2階に保育室等を設置する計画では、各施設の基準省令で規定される上乗せ基準により「耐火建築物」とすることが求められます。

より高い方の基準として、幼稚園と同様に耐火建築物であることを求める考え方です。

下記の表で、階数別、高さ別、規模別に耐火上の要件をまとめます。

大規模木造の幼保連携型認定こども園における耐火上の要件

<備考>

・「その他の建築物」とは、耐火建築物・準耐火建築物以外の建築物のことです。

・複合用途の建築物とする場合は、上表だけとは限りません。

・本記事は2022年8月末段階の法規の情報となりますのでご注意ください。

・建築基準法や幼保連携型基準の改正により、内容が変更することがあります。

 

大規模建築物の防火措置による高さ制限

建築基準法では、防・耐火上の構造や規模、室の用途により、内装に準不燃材料、難燃材料等の使用が必要になるなどの制限がかかります。

なお、内装制限は75分準耐火措置および1時間準耐火の措置は特定準耐火建築物として、30分の加熱に耐える措置は「その他」の制限となります。

防火措置による高さ制限の回避

 

非住宅の場合、規模や建築基準法、各種基準により、耐火建築物や準耐火建築物の仕様が求められることが多くなります。このため、防火・耐火のコストをできるだけ上げないように、建築計画を慎重に検討する必要があります。

関連記事:木造でも耐火建築物は可能!大規模木造における耐火建築物まとめ

関連記事:広がる木造準耐火の可能性!大規模木造における準耐火建築物まとめ

 

大規模木造の幼保連携型認定こども園における内装制限

幼保連携型認定こども園の場合、内装制限適用の規模に達しないものであれば内装は木材を現しにすることができます。また適用規模にかかわらず、天井面のみを準不燃材料で仕上げれば、その他の内装は全部木材で仕上げることも可能です。(平成12年建告1439号)

耐火構造による建築物または準耐火建築物(イ準耐)で、床面積100m2以内ごとに準耐火構造の床もしくは壁または防火設備で区画されている部分の居室は内装制限を受けません。

内装制限は、下記の表に該当する規模になると、内装に不燃材料、準不燃材料、難燃材料等の使用が必要などの制限がかかります。 

大規模木造の幼保連携型認定こども園における内装制限

<備考>

・その他:火器使用室、地階や無窓居室および避難経路は内装制限を受けます。

・本記事は2022年8月末段階の法規の情報となりますのでご注意ください。

・建築基準法や幼保連携型基準の改正により、内容が変更することがあります。

 

大規模木造が認定こども園に適している理由

大規模木造が認定こども園に適している理由

大規模木造が認定こども園に適している理由は下記です。

1.工期が短いため補助金事業に対応しやすい

認定こども園は公的な補助金で建設されることが多いです。補助金事業で認定こども園を実現するには、「年度内に竣工」するための短工期に対応する必要があり、そのために最も適した工法が「木造」になります。

例えばNCNが提供するSE構法は、一般に流通している構造用集成材を採用している工法のため、原則構造材発注後60日間で構造材を現場に搬入することが可能です。

また、木造は鉄骨造と比べ、世の中の情勢に影響されにくく、通年を通して納期が安定しているため、工程を組み立てやすいです。構造躯体の加工も全て提携するプレカット工場で加工後に現場に搬入しますので、工事着工から建て方まで短期間にスムーズに進められます。

関連記事:補助金事業には木造がベスト!木造がRC造やS造より工期短縮できる理由

 

2.木造化・木質化の流れに対応できる

カーボンニュートラル実現には、森林資源の循環利用と人工林の若返りとともに、木材利用の拡大が有効です。特に非木造がほとんどを占める中大規模の非住宅建築で木材利用を進めることが重要です。

関連記事:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

 

3.木材や建材のトレーサビリティに関心が高まっている

近年、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資で木造建築が注目されています。特に木材の調達については、持続可能な材料か、生産現場で人権侵害はないかなどの証明が今まで以上に求められるようになっています。

関連記事:大規模木造で知っておきたい森林認証制度(FSC、PEFC)の概要

 

4.木造建築は人や環境に優しい

木の温かみ、香りは人の気分を和らげてくれる沈静作用があります。木はやすらぎと心地よさをもたらしてくれる優しい材料です。

教育施設の調査において木材利用は、子ども達のストレス緩和、集中力の向上、インフルエンザや怪我の抑制効果などの報告があり、木造の建物は健康にも優しい建築物です。

関連記事:中大規模木造は人や環境に優しい理由

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

まとめ

木造で施設を計画する際には、建築基準法に加え、関連する条例等を遵守することが求められます。法律や条例等は常に改正されていきますし、その解釈や運用については該当の行政窓口や指定検査確認機関等により異なりますので、本コラムの内容は「記事掲載時の一般的な考え方」であることのご理解、ご了承をお願いします。

建築実務者の皆様においては、常に最新の法規等の情報をチェックしつつ、該当の行政窓口や指定検査確認機関等によく内容を確認をしてから設計や施工を進めていただくようお願い申し上げます。

 

SE構法は構造用集成材の中段面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することで設計から施工までをワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また工法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。