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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

  • 大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由 -

建築関連のビジネスを行う上で、地球環境への影響をどう考慮すればいいのかという問いが立てられています。SDGsの急激な浸透もあり、カーボンニュートラルな社会への転換は世界の共通課題です。脱炭素社会実現のための課題解決に向けた取り組みが建築業界にも求められています。脱炭素社会に向けて、大規模木造の普及は推進する要素の一つになります。木造は建築時に炭素排出が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があるなど、「地球環境に優しい工法」として注目されています。このコラムでは、大規模木造を計画する上で知っておきたいキーワードについてお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

SDGs大規模木造の親和性が高い理由

カーボンニュートラル脱炭素社会とは?

大規模木造の普及が脱炭素社会実現に貢献できる理由

ESG投資大規模木造との関係性

大規模木造で実現するZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

・大規模木造と地球環境の関連性

大規模木造としてSE構法で実現するポイント

・まとめ

 

SDGsと大規模木造の親和性が高い理由

SDGsと大規模木造の親和性が高い理由

SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略称で、国連が持続可能な社会の実現に向けて2030年までに解決すべき17の目標をピックアップしたものです。

SDGsは、世界の共通言語です。ひとりの人間として立場や業種を問わず、「自分にとってのSDGs」を考える時代になりました。

SDGsには正解も手本もありませんので、各企業においては自社で独自のシナリオをつくることが求められています。

SDGs

建築業界でも「SDGs」への取り組みが徐々に広がっています。

建築業界が貢献しやすいのは、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」です。

建築会社としては国の施策を利用しながら、性能の高い建築の進化・普及に取り組み、気候変動対策に積極的に貢献する姿勢が必須です。

各地域の建築会社にとっては、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」も重要です。

これから大きな社会変化を迎える日本にとって、事業を通じて地域の街づくりの持続性に貢献することは、建築会社にとって当たり前の仕事になっていくと予想されます。

SDGs」の目標17には、「陸の豊かさも守ろう」が掲げられています。

そこで具体的に示されているには、森林の持続的な管理です。建築物の木造化・木質化はそうした目標達成に貢献することができます。

SDGsへの取り組みやビジネスを通した社会貢献の実践や姿勢、企業としてのあり方に共感した個人や法人が、新たな顧客となり、自社を支える人財となっていくことが予想されます。

顧客に対しては他社との差別化、自社の社員に対しては働きがいにつながり、結果として企業の存続につながります。

SDGsの浸透などを背景に、環境や社会への貢献度が企業価値を左右する時代が訪れています。

持続可能な木材利用を経営戦略に上手に取り組む企業が増えており、自社の事業用の建築物を木造で計画する企業も増えています。

関連記事:「大規模木造建築を取り巻く世の中の状況」セミナーレポート

 

カーボンニュートラル、脱炭素社会とは?

カーボンニュートラル、脱炭素社会とは?

菅総理が2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラル宣言」をおこなって以来、メディアなどで「カーボンニュートラル」という言葉を見聞きする機会が増えています。

日本が目指す「カーボンニュートラル」は、CO2だけに限らず、メタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスを含む「温室効果ガス」が対象になっています。これらの温室効果ガスについて、「排出を全体としてゼロにする」となっています。「全体としてゼロに」とは、「排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにする」ことを意味します。

排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分については同じ量を「吸収」または「除去」することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指しましょう、ということです。これが、「カーボンニュートラル」の「ニュートラル(中立)」が意味するところです。

まずは排出する温室効果ガスの総量を大幅に削減することが大前提となります。各国の野心的な目標の引き上げなどの気運もますます高まっており、「2050年のカーボンニュートラル実現」を目指す動きが国際的に広まっています。

CO2排出削減とともに吸収源の確保も重要です。人為でCO2を固定する方法は、森林を造成して木材を利用する以外に有効な技術はまだないと言われています。森林はCO2を吸収するとともに、木材として利用することで長期間貯蔵可能になります。

 

大規模木造の普及が脱炭素社会実現に貢献できる理由

大規模木造の普及が脱炭素社会実現に貢献できる理由

脱炭素社会実現に向けて、大規模木造の普及は推進する要素の一つになります。木造は建築時に炭素排出が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があります。日本は先進国の中でも有数の森林国で、国土の森林率は約67%です。日本の山には豊富な森林資源が育っています。

森林国の日本において木造建築は、地球スケールの課題だけでなく、地域森林の環境保全といった地域スケールの課題解決にも貢献できます。林業は地域にとって重要な産業であり、森林資源の活用を促進することで、地域の経済の発展にも寄与します。

日本の大規模木造は、厳しい防耐火性能をクリアし、高い耐震性能を備えた、世界に誇れる技術でもあります。構造の複合化、材料の適切な組み合わせ、耐火の技術など、さまざまな工夫を多くの人々と共有しながら、日本の都市木造は本格的な普及の時代を迎えています。

日本は世界一の地震国であり、震災や戦争等の経験もあり、木造は火災に弱い印象を残しています。そこから、多くの関係者の尽力で木造建築の再評価が行われ、2010年になって「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されるに至っています。

それから10年を経て、公共建築だけでなく、木を使った民間建築も増えています。難しいと思われていた都市木造は、既に実現可能な段階であり、これからはさらなる普及に向けた展開が求められています。

 

ESG投資と大規模木造との関係性

ESG投資と大規模木造との関係性

「環境、社会、企業統治の要素を考慮する(ESG投資)」のESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス・企業統治)の頭文字をとったものです。

企業が環境問題や社会問題に取り組んでいるか、ガバナンス(企業統治)に力を入れているかどうかなどを考慮して投資するかどうか決める考え方で、「ESG投資」と呼ばれています。

現代において企業の経営者が取り組むべきは、ESG(E=環境、S=社会、G=企業統治)対策にあると言われています。世界の資本市場では、ESGを投資方針に掲げた投資や資金が続々と生まれています。

現在、世界の木造の中高層建築物マーケットは拡大傾向にあります。その理由として、環境に関する「パリ協定」「ESG投資」という世界的な潮流から、海外資本の流入、国際的な環境配備の要請があることが挙げられます。

木構造については、耐火部材、建設工法などの技術開発を進めていることが、マーケットの拡大を後押ししています。環境に配慮する企業へ投資しようという機運が生じ、相当の金額がESG投資に流れ始めています。

ESG投資と大規模木造との関係性

このような動きを突き動かすのは気候変動への切迫感ですが、それと共に、ESG投資の高まりがあるのは間違いないでしょう。

環境、社会、企業統治を意味するESGは、今や、これまで株主価値の最大化を追求した企業に大きな変換を迫っています。

企業がESGに取り組む理由はいくつかの形があります。

まず「社会や環境に良いことが企業として尊敬される」という考えがあります。それが「企業の正しいやり方」という正論がまず先にあるのです。

特にIRを意識している企業からすると、ESGは欠かせないテーマです。

企業は、金融市場に対して説明責任がありますし、環境や社会に優しくない事業があれば、投資対象から外されたりすることが生じる可能性もあります。

「エシカル消費」という言葉が出てきていますが、ミレニアルズやZ世代は、環境や社会に良いことをしている企業しか応援しなくなり始めました。

財務面だけではなく、リアルの市場においても、ESGへの取り組みは必須になりつつあります。

 

大規模木造で実現するZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

大規模木造で実現するZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

脱炭素化において「木造化」が重要だと捉えられています。もう一方で重要視すべきなのが、「省エネ対策」です。そこで注目されるのが「ZEB(ゼブ)」です。

「ZEB」は「Net Zero Energy Building」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

欧州では、建築物の省エネ対策が政府主導で強力に推進されています。建築物の省エネ性能について認証を取ることや、建築物の売買や賃貸の際には省エネ性能について説明を行うことなどが法律で義務付けられています。日本の不動産取引における「重要事項説明」の項目に省エネ性能についての説明が含まれている、というイメージです。

「環境に配慮した建築物である」という点は、発注者にとってはメリットとなりますが、入居者には響かないことが多いことも事実です。

しかし、「とても快適に過ごせる」という点は、生産性向上につながるため入居者にとってわかりやすい大きな魅力となるので、テナント誘致につなげやすいやすいです。この点を発注者に訴求していくことで、「ZEB化」もどんどん進んでいくことが予想されます。

関連記事:「改正建築物省エネ法 2021年4月から!何が変わる?」セミナーレポート

 

大規模木造と地球環境の関連性

大規模木造と地球環境の関連性

木材の価値を正しく理解してもらうには、木を適切に管理して美しい状態で使い続ける取り組みが必要です。

脱炭素社会実現のための木造化・木質化普及のポイントは主に下記です。

・気候変動対策に役立つ

・SDGsの一環になる

・健康に配慮できる

木材に触れる機会が減る一方で、森林資源の充実で素材に適した太い木が増えています。構造材として木材を使うことも大事ですが、インテリアを木質化し、板として木材を使うことで、多くの人々に木の良さを実感してもらう環境づくりも重要です。

特に低層建築物である店舗、事務所、倉庫、幼児施設、高齢者施設等の非住宅建築を、より積極的に木造化を図っていくことが重要になります。

関連記事:店舗、事務所、倉庫には鉄骨造より木造が「安い、早い、うまい」理由

 

大規模木造としてSE構法で実現するポイント

大規模木造としてSE構法で実現するポイント

大規模木造として耐火建築物を実現するためには、SE構法は最適な構法です。構造設計から構造材の材料供給、施工のサポートまでワンストップサービスで提供できるからです。高齢者施設を木造(SE構法)で計画するメリットは主に下記です。

 

1.木造耐火建築物の重量アップにSE構法は対応できる(構造躯体の強さ)

木造で耐火建築物で設計する場合、せっこうボード等の使用量がかなり増えることにより建物重量が重くなります。他の木造の工法では耐震性能の確保が難しくなったり、壁や柱が増えることにより設計の自由度が損なわれることがあります。SE構法は立体解析による構造計算と構造躯体の強度が強いことから、木造の耐火建築物にも問題なく対応できます。

関連記事:耐震構法SE構法は全棟で立体解析による構造計算を実施

 

2.コストの優位性(鉄骨造と木造の比較)

構造で木造(SE構法)を選択することで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して基礎や構造躯体のコストが安くなります。外壁仕上げには住宅用サイディング、窓は住宅用アルミサッシなどを使うことで、建材費や施工費も抑えることができます。

関連記事:「中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント」

 

3.SE構法の構造設計(設計の自由度)

SE構法は構造用集成材の中段面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材の他にトラスや張弦梁を活用することが可能です。

関連記事:SE構法による大開口、大空間、大スパン、木造耐火の事例まとめ

 

4.木造に精通した構造設計者に依頼(SE構法は大規模木造に適している)

SE構法は単純に「剛性のある木質フレーム」というだけではなく、さまざまな利点を追求し、大規模木造で求められる大空間・大開口を可能にして、意匠設計者の創造性を活かせる設計の自由度を提供しています。SE構法は剛性のある木質フレームに囲まれた耐力壁を併用することで、耐力壁の性能を最大限生かすことが可能となり、壁量を少なくできます。SE構法は木造でも明確な構造計算に基づいているので、設計者は安心して意匠設計に集中できます。

関連記事:「中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計」

 

5.木造におけるワンストップサービス(SE構法は使い勝手が良い)

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。大規模木造では工法に関わらず、「木造の構造躯体の施工の担い手」を確保する必要があります。SE構法であれば、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もありますので、施工会社選定の選択肢が大きく広がります。

関連記事:「SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説」

 

まとめ

もはや「脱炭素」と無縁でいられる企業はないと言えるでしょう。消費者も企業も、直接家計や事業活動につながる施策には注目します。木材を強く経済につなげるカーボンプライシング等は無関心層が木材利用に興味を持つきっかけになる可能性があります。

身近に木材がない環境で育つと、木に対する愛着や意識は生まれませんし、材料への関心は持てません。非住宅建築に木材を使う取り組みの意味は大きいと思われます。

木材や木造に関する規格や法的な整備が進み、利用環境も整ってきました。森林資源の充実で木材製品の供給も増えています。木材活用の意義や方法を発注者に発信し、カーボンニュートラル実現の大きな目標に向かって取り組みを進めていくことが求められています。

 

大規模木造を設計するのに使い勝手がよい工法は集成材構法です。大スパン・大空間が求められる大規模案件においては、設計、供給、施工、コストパフォーマンスの良さが、高い次元で成立している工法が求められます。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。