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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

木造の耐火建築物は「木を見せる」にこだわらず大臣認定工法や告示を使うべき理由

  • 木造の耐火建築物は「木を見せる」にこだわらず大臣認定工法や告示を使うべき理由 -

中大規模木造に取り組むには、防火とコストの問題を解決する必要があります。耐火建築物の場合には「木を見せること」にこだわらない姿勢が重要となります。木造の耐火建築物を現実的に設計するためには、一般社団法人日本木造住宅産業協会(略称/木住協)が取得している国土交通大臣認定工法を用いるか、国土交通省告示を用いて実現する方法が現実的です。

 

<このコラムでわかること>

・「木を見せること」にこだわる日本と、こだわらない欧米の違い

・木造の耐火建築物を「大臣認定工法」を用いて実現する方法

・木造の耐火建築物を「国土交通省告示」を用いて実現する方法

 

「木を見せること」にこだわる日本と、こだわらない欧米の違い

中大規模木造に取り組むには、実務的に2つの大きな問題があります。それは防火とコストです。現行の法規上、都市部の大規模建築では、耐火建築物であることが求められ、木造の構造体に耐火の被覆が必要となってしまいます。

その結果、木造の構造体を耐火被覆で包み、それをまた木で包むといった軸組系の認定部材が数多く現われてきています。しかし、耐火部材の複雑化に加え規格が統一されていないこともあいまって、大型建築における木造は、現状ではほかの構造形式とコストで勝負ができていません。

日本の大型の木造建築は、「木の建築はよい」という理念が先行して、「木造の構造体を使っていることを見せる」建築が多いようです。しかし、理念が先行し、公共予算や補助金に支えられた木造が本当に一般化しうるのか、そこに日本の中大規模の木造建築が抱えている問題があります。

欧米では日本以上に「建築の木造化」が進んでいる国もあります。欧米でも日本と同様、耐火性能を確保するために、石膏ボードで包む、構造体に燃え代を見込む、スプリンクラーを設置するといった方法です。

欧米では「木材を耐火被覆で隠すことに対して抵抗がない」印象を受けます。木造を現わすという発想があまりないようです。木造がもはや普通の構法のひとつであるがゆえに、木であることを主張する必要すらないということだと思われます。

 

木造の耐火建築物を「大臣認定工法」を用いて実現する方法

木造の耐火建築物を現実的に設計するためには、一般社団法人日本木造住宅産業協会(略称/木住協)が取得している国土交通大臣認定工法の仕様を利用する方法があります。木住協取得の国土交通大臣認定では、木造でも1時間耐火構造、2時間耐火構造の建築物が建てられます。

木造の耐火建築物において間違いのない設計・施工を確保するために、また性能が伴わない建築物を建ててしまわないように、木住協の大臣認定を使う場合には、設計者、施工者共に木住協主催の講習会を受講する必要があります。講習会修了登録者からの大臣認定書発行申請に応じて、設計・施工、確認申請に活用できる書類一式を物件1棟ごとに発行されます。

 

木造の耐火建築物を「国土交通省告示」を用いて実現する方法

木造の耐火建築物を現実的に設計するためのもう一つの選択肢は、国土交通省告示を用いて実現する方法です。

告示第861号(平成26年8月22日)、告示第472号(平成30年3月22日)により、平成12年5月30日国土交通省告示第1399号「耐火構造の構造方法を定める件」が改正され、主要構造部が木材の場合の耐火構造の方法が定められました。主要構造部をせっこうボード(規定の各成分の含有率を満たす強化せっこうボード)で被覆することとされています。

 

まとめ

木造の耐火建築物を現実的に計画し、デザインとコストを両立させるには、「木を見せること」にこだわらない姿勢が重要となります。耐火建築物で大規模木造を設計する際は、建物重量が重くなることから耐震性能の確保が難しくなったり、耐火被覆材の貫通、穴あけが制限されたりしますので、早い段階から構造設計、設備設計とのすり合わせが必要です。

NCNが提供する「耐震構法SE構法」では、木造の耐火建築物の実績は豊富にございますので、プロジェクトの初期段階からお気軽にお問い合わせください。