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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

非住宅の木造建築の普及の鍵は普通の中規模木造を増やすこと

  • 非住宅の木造建築の普及の鍵は普通の中規模木造を増やすこと -

非住宅の木造建築の普及の鍵は、住宅用の部材や加工をベースにした「中規模木造」を普通に建てられるようになることです。普通の中規模木造の要点は、構造躯体、施工費のコストパフォーマンスです。その実現のためには設計者や施工者が、木造の関するコスト感覚を持ち、設計の初期段階から見積り、施工に取り組む必要があります。

 

<このコラムでわかること>

中規模木造に向いているのは商業施設や福祉施設

中規模木造の要点は構造躯体と施工費のコストパフォーマンス

 

中規模木造に向いているのは商業施設や福祉施設

社会の変化や新しい法律などにより、中大規模木造に関する多くの情報が発信されるようになりましたが、木造が実務のなかで幅広く活用されていないのが現状です。

建築市場全体を見ると、建物の高さやスパンによって、構造種別ごとに得意とする守備範囲があります。木造を考える場合にも、建物規模による区分が重要です。中大規模木造という言葉よりも、「中規模木造」と「大規模木造」に分けた方が実情に合っています。

大規模木造は、面積やスパンが大きい建築となりますが、そうした建築は体育館やホールなど、用途や棟数も限定的です。中規模木造は、住宅より面積や高さ、スパンが少し大きい建築です。用途としては、店舗・事務所・倉庫等の商業建築や、幼児施設・高齢者施設等の福祉施設が該当します。

 

中規模木造の要点は構造躯体と施工費のコストパフォーマンス

中規模木造を効果的に実現するためのポイントは、構造躯体と施工費のコストパフォーマンスをうまく発揮させることです。

中規模木造の構造躯体コストは、金物工法を採用することが多いことを想定すると、下記の3つが主たる要素となります。

  • 木材費:柱(主柱・管柱など)、梁(大梁・小梁・小屋梁など)、土台、大引などの費用
  • 接合金物費:部材と部材を接合する金物費用
  • 加工費:プレカット工場で構造材を加工する費用

これらの要素をバランスよく計画することが重要で、そのためには各要素のコスト感覚を持つことが大切です。

中大規模木造を設計する際にコストをコントロールするためには、木材は一般流通材を基本として、大スパン部分のみ特注材を使います。木材のコストは、材種により異なりますが、基本的には一般流通材を1とすると、大断面の特注材は2.5倍から3倍程度になります。湾曲集成材や地域材指定などをするとさらに高くなります。

接合金物は、木材の断面寸法に応じて選択されますので、一般流通材であれば住宅の施工で使用している標準的な金物を使用できますので、コストを抑えることができます。木材と同様に、特注材などに使用する金物はオリジナルで制作することになり、割高になります。

加工費についても、プレカット工場の加工機で加工できるサイズを超える特注材などがあると、手加工を行う必要があり、コストが高くなります。運搬するにも大きなトラックを手配する必要がありますので、運搬費も高くなります。

 

まとめ

こうしたコスト感覚を頭に入れて計画すると、住宅用の材料や金物、加工をベースに、例えば大きなスパンの箇所だけ大断面材を用いるなどメリハリのある設計が可能になります。早い段階から構造設計者などと情報を共有し、コストと構造のバランスのよい計画を立てることが、中規模木造を確実に実現する鍵になります。 

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