近年の日本において、木造一戸建て住宅は「作って壊す」という風潮が主流です。日本の木造住宅は建築から20年以上経つと、修繕やリフォームをしない限り、資産価値がほぼゼロになります。そのため、建築後に年数が経ち誰も住まなくなった家は、取り壊されることが多いのです。
高価な買い物だからこそ、将来的に住宅を手放す可能性がある場合「この家を、いつ、いくらで売るか」を踏まえて購入を検討する施主様も少なくありません。SE構法の住宅は耐震性能が高く間取りの可変性も高いため、資産価値が下がりにくいとされています。
長期優良住宅認定制度とは、耐震性や省エネルギー性など、8つの項目において基準を満たした住宅が、国土交通省から認定を受けられる制度です。現在の建築基準法では、2階建て以下の一戸建て木造住宅に対し構造計算が義務付けられておらず、建築基準法に沿っただけの住宅は安全性能が不明瞭になりやすいという欠点があります。
長期優良住宅認定制度は、特に安全性が優れた住宅に対して認定を与え、税制優遇などの経済的メリットを与えることで、人々に「長く安全に住まえる家づくり」を促す効果があります。
SE構法の住宅は、長期優良住宅の各基準の中でも、最も重要かつ満たすことが困難とされる耐震性能について、問題なく認定を受けることができます。建築基準法のもとで建てられた木造住宅の耐震等級が1であるのに対し、SE構法で建てられた住宅は耐震等級3を獲得しています。
購入してから十数年が経てば、ライフステージやライフスタイルにもさまざまな変化が訪れることでしょう。出産や親との同居で家族が増えることもあれば、子どもの独立を機に夫婦二人の暮らしに戻ることもあるかもしれません。
住む人のライフスタイルに合わせて間取りを変えやすい家は、中古住宅であっても、一般的な木造住宅よりも資産価値が下がりづらいとされています。
在来工法の木造住宅は、耐震性能を確保するために構造上多くの壁や柱が必要になるため、リフォームがしづらいという難点があります。
SE構法は、家の枠組みと内部の仕切りが独立した「スケルトン・インフィル」にもとづいており、間取りを変えやすい点が特長です。構造躯体が強く、最小限の壁や柱で家を支えられるため、仕切りの壁を自由に動かすことができます。
スケルトン・インフィルの住宅であれば、たとえば吹き抜けに床を足して2階に個室を増やしたり、広いリビングにアウトドアリビングや中庭を作ることも可能です。間取りを変えやすい住宅は、市場でも買い手がつきやすく、価値が下がりづらいのです。
10畳のリビングと3.8畳のキッチンを、16畳のLDKにリフォーム。キッチンの壁を取り払い、廊下をLDKに取り込むことで、居住空間を拡張。さらにカウンターキッチンを備え付けたことで、視覚的にも広さを感じられるようになりました。