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ウッドショック等のリスクにSE構法のワンストップサービスが強い理由

  • ウッドショック等のリスクにSE構法のワンストップサービスが強い理由 -

近年、日本では都市建築における木造・木材利用が建築業界で話題になっていますSDGs、脱炭素、ESG投資への流れが、より木造化を加速させています。その一方で「コロナショック」や「ウッドショック」などの世界的なリスクにも直面しています。そうした状況の中で、着実に大規模木造のプロジェクトを実現するために求められるのは、「計画から設計、材料供給、加工、施工までがワンストップで提供される仕組み」です。ワンストップサービスの強みは、継続的に木材や金物等のサプライチェーンと良好な関係を築いていることです。仮に何かのトラブルが生じたとしてもその影響が最小限となり、結果として安定的に材料供給等が可能になることを意味します。このコラムではウッドショック等のリスクに、SE構法のワンストップサービスが強い理由について徹底解説します。

 

<このコラムでわかること>

  • SDGs、脱炭素の流れで、都市建築木造化の時代に
  • ESG投資の普及により発注者は建築物木造で計画する傾向に
  • 建築物の工法として木造が選択される理由
  • 大規模木造の計画で注意すべき、ウッドショック等のリスク
  • リスクに強いSE構法ワンストップサービスとは?
  • 大規模木造SE構法で実現するポイント
  • まとめ

 

SDGs、脱炭素の流れで、都市や建築は木造化の時代に

SDGs、脱炭素の流れで、都市や建築は木造化の時代に

北欧の国では、豊かな森林資源を背景とした「森と都市のサプライチェーン」が存在します。今後、日本も森林を持続可能な資源として捉え直して活用していくことが求められるでしょう。

日本は先進国の中でも有数の森林国で、国土の森林率は約67%です。日本の山には豊富な森林資源が育っています。

現在(2021年5月末段階)、起こっている「第三次ウッドショック」が、世界の木材情勢や国産材の現状などによる、日本国内の木材供給リスクの脆弱性を顕在化させています。

関連記事:ウッドショックが顕在化させた木材供給リスクと国産材の課題

 

日本では都市建築における木造・木材利用が建築業界で話題になっていますが、量としてはまだまだです。戦略的に取り組んでいかないと、ブームとして終わってしまいます。

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」は、低層の公共建築物は原則として木造化を図るというのが主な内容ですが、その動きが民間建築物への木材利用の促進につながることが期待されています。

公共、民間建築物とも低層の建築物に積極的に木造化を進めていることは、将来の潜在的ユーザーや木材のファンを増やすうえで、合理的な方策であると言えます。

日本では、住み心地や労働環境のやすらぎなどの面に加え、森林資源や林業の再構築も絡めて取り組む必要があります。

例えば、学校や公営住宅などを環境負荷の少ない木造にすることは、税金投入に当たっても積極的な理由づけとなるでしょう。また、一般の人々の木造に対する認知を広げるために、都市部の目に付く場所に木造・木材利用を積極的に採用していくことも有効な手法です。

身近に木材がない環境で育つと、木に対する愛着や意識は生まれませんし、材料への関心は持てません。非住宅建築に木材を使う取り組みの意味は大きいです。

また脱炭素社会に向けて、大規模木造の普及は推進する要素の一つになります。木造は建築時に炭素排出が少なく、木は炭素を固定し貯蔵する特性があるなど、「地球環境に優しい工法」として注目されています。

もはや「脱炭素」と無縁でいられる企業はありません。消費者も企業も、家計や事業活動につながる施策には注目します。木材を強く経済につなげるカーボンプライシング等は、無関心層が木材利用に興味を持つきっかけになる可能性があります。

木材や木造に関する規格や法的な整備が進み、利用環境も整ってきています。森林資源の充実で木材製品の供給も増えています。

木材活用の意義や方法を発注者に発信し、カーボンニュートラル実現の大きな目標に向かって取り組みを進めていくことが求められています。

脱炭素社会実現のための課題解決に向けた取り組みが建築業界にも求められています。脱炭素社会に向けて、大規模木造の普及は推進する要素の一つになります。

 

ESG投資の普及により発注者は建築物を木造で計画する傾向に

ESG投資の普及により発注者は建築物を木造で計画する傾向に

「環境、社会、企業統治の要素を考慮する(ESG投資)」のESGとは、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス・企業統治)の頭文字をとったものです。

今後は、発注者となる企業や不動産業界に、木造の価値について理解を促していくことも必要です。

ESG(環境・社会・企業統治)投資に関心が向いていますが、発注者となる企業や不動産業の関係者には、木造・木材利用が森林を守り、不動産的な価値を高めることがまだ充分に認識されていないようです。

世界的には、ESG投資関連の投資額は年々増えていくと言われています。その潮流から日本だけが取り残されないよう、森林と都市、それらをつなぐ木造・木材利用をリンクして活用していくのは有益なことです。

建築業界だけでなく、事業者となり得る発注者となる企業や不動産業界が、森林価値や環境資源を守るという観点で木材利用に積極的に取り組めば、もっと街のなかに木造建築が増えていき、「森と都市のサプライチェーン」の再構築につながっていくでしょう。

木質構造については、耐火部材、建設工法などの技術開発を進めていることが、マーケットの拡大を後押ししています。環境に配慮する企業へ投資しようという機運が生じ、相当の金額がESG投資に流れ始めています。

現在、世界の木造の中高層建築物マーケットは拡大傾向にあります。その理由として、環境に関する「パリ協定」「ESG投資」という世界的な潮流から、海外資本の流入、国際的な環境配備の要請があることが挙げられます。

企業がESGに取り組む理由はいくつかの形があります。

まず「社会や環境に良いことが企業として尊敬される」という考えがあります。それが「企業の正しいやり方」という正論がまず先にあるのです。

特にIRを意識している企業からすると、ESGは欠かせないテーマです。

企業は、金融市場に対して説明責任がありますし、環境や社会に優しくない事業があれば、投資対象から外されたりすることが生じる可能性もあります。

このような動きを突き動かすのは気候変動への切迫感ですが、それと共に、ESG投資の高まりがあるのは間違いないでしょう。

財務面だけではなく、リアルの市場においても、ESGへの取り組みは必須になりつつあります。

関連記事:大規模木造とSDGs・脱炭素・ESG投資の相性が良い理由

 

建築物の工法として木造が選択される理由

建築物の工法として木造が選択される理由

建築物において工法として木造が選択されるのは、主に下記のような役割を期待されているからです。

1.コストパフォーマンスの高い、「建築供給ツール」としての木造

2.SDGs、脱炭素、省エネ・高断熱化のための、「環境対策ツール」としての木造

3.工期短縮による、「事業性向上ツール」としての木造

関連記事:木造化が必須な時代に!発注者向け大規模木造のメリット解説

 

木造は、適切な材料選定と構造計画によって、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の構造より建設コストを安くすることができます。発注者もしくはテナント契約者の双方にコストメリットが働く可能性もあります。木造と鉄骨造で使用する建材を部材ごとに比較しても、規格寸法があるアルミサッシなど、ほとんどの建材が木造のほうが安くなります。

基礎の断面寸法が鉄骨造と比較してとても小さいことから、基礎工事の材料費、施工費、残土処分費なども大幅に軽減できます。建物重量がとても軽くなることから、地盤改良コストも抑えることができます。

関連記事:中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント

 

大規模木造の計画で注意すべき、ウッドショック等のリスク

大規模木造の計画で注意すべき、ウッドショック等のリスク

木材の需給が逼迫して、価格高騰、納期遅延等が発生する「ウッドショック」が起こっています。

世界的な建築需要の高まりによって木材価格が高騰しており、日本の住宅・建築業界は強い危機感を抱いています。調達も難しい局面を強いられており、「そもそも木材を調達できない」という状況が表面化しつつあります。

今回のウッドショックの主なポイントは下記です。

  • 日本の木材自給率は約37%なので、輸入材に頼らざるをえない
  • 輸入材の価格は、世界の木材市場の相場に左右される
  • 世界の木材市場の相場は安定していたが、今回は急激な価格上昇に対応できなかった

こうした事態に対して、木造でリスクに強いのは「ワンストップサービス」の仕組みを構築している構法です。

ワンストップサービスの強みは、長年かつ継続的に木材や金物等のサプライチェーンと良好な関係を築いていることです。仮に何かのトラブルが生じたとしてもその影響が最小限となり、結果として安定的に材料供給等が可能になることを意味します。

関連記事:【激震】ウッドショック!木材価格高騰の理由

 

リスクに強いSE構法のワンストップサービスとは?

リスクに強いSE構法のワンストップサービスとは?

美しい木構造による建築物は、企業イメージの向上にも貢献できます。木構造として最適な工法が「耐震構法SE構法」です。

SE構法の構造スペックをうまく活用すると、木造では実現が難しい大空間、大開口などを実現することができます。SE構法であれば、施設建築で求められるスパンの大きい空間にも対応できますし、架構をシンプルにすることが可能です。

SE構法は、全棟構造計算を実施する構造システムですので、意匠のデザインに合わせて構造計画を決定することができます。

SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。SE構法は表面にネジ切り加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。

非住宅のプロジェクトを木造で計画する際には、選択した木造の工法に関わらず、「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」というプロセスが必要になります。

SE構法で大規模木造の設計を進める際には、初回相談から確認申請提出までの時間軸は、目安として3ヶ月程度必要となります。

構造設計側の図面作成や構造計算の他に、意匠設計側との調整も必要だからです。確認申請の対応やプレカット関連業務、工事監理も重要な要素です。

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

SE構法が持つ構造スペックをNCNの構造設計スタッフは熟知しておりますので、構造計画の相談においてはレスポンスよく回答、提案しています。空間やデザインの可能性を広げるためにも早めの相談がおすすめです。

大規模木造では工法に関わらず、「木造の構造躯体の施工の担い手」を確保する必要があります。SE構法であれば、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法で、施工会社選定の選択肢が大きく広がります。

構造材の確保においては、国内トップクラスの集成材メーカーや合板メーカーと長年にわたって継続的に取引実績があり友好的な関係を築いているため、ウッドショック のような事態に直面しても密な連携により、同業他社と比較して材料の調達はしやすいです。

関連記事:SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説

 

大規模木造をSE構法で実現するポイント

大規模木造として店舗をSE構法で実現するポイント

大規模木造をSE構法で計画する場合のポイントは下記です。

 

1.低層建築における木造の優位性

木造の持つ規格化、標準化された設計・施工技術は、多様な建物や空間を低コストで実現することができます。特に、高品質で低コスト、短工期が求められる大規模木造を、確実に設計・施工するために有効な工法が「システム化された木造」であるSE構法です。

関連記事:「店舗、事務所、倉庫には鉄骨造より木造が「安い、早い、うまい」理由」

 

2.コストの優位性(鉄骨造と木造の比較)

構造で木造(SE構法)を選択することで、基礎や構造躯体のコストが安くなります。外壁仕上げには住宅用サイディング、窓は住宅用アルミサッシなどを使うことで、建材費や施工費も抑えることができます。

関連記事:「中大規模木造の建設費の概要とコストを抑えるポイント」

 

3.木造でよりコストパフォーマンスを高める(木造の構法による比較)

大規模木造の計画において、木造建築を慣れていないと過大にコストや工期が膨らんでしまうことがあります。それを避けるためには、構造躯体は一般用流通材を使うことを前提に構造計画を行うことが基本です。

関連記事:「中大規模木造でコストダウンできる構造計画、構造躯体の考え方」

 

4.木造に精通した構造設計者に依頼(SE構法は大規模木造に適している)

SE構法は単純に「剛性のある木質フレーム」というだけではなく、さまざまな利点を追求し、大規模木造で求められる大空間・大開口を可能にして、意匠設計者の創造性を活かせる設計の自由度を提供しています。SE構法は剛性のある木質フレームに囲まれた耐力壁を併用することで、耐力壁の性能を最大限生かすことが可能となり、壁量を少なくできます。SE構法は木造でも明確な構造計算に基づいているので、設計者は安心して意匠設計に集中できます。

関連記事:中大規模木造に適した技術と自由があるSE構法の構造設計」

 

5.木造におけるワンストップサービス(SE構法は使い勝手が良い)

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。大規模木造建築では工法に関わらず、「木造の構造躯体の施工の担い手」を確保する必要があります。SE構法であれば、構造躯体の施工だけをSE構法登録施工店に依頼する「建て方施工」という方法もありますので、施工会社選定の選択肢が大きく広がります。

関連記事:「SE構法はワンストップサービスが魅力!各プロセスごとに徹底解説」

 

まとめ

建築物の木造化で期待されていることは主に下記です。

  • 時代のニーズ:SDGs、脱炭素、ESG投資への対応
  • リスクヘッジ:自然災害、コロナショックなど予測できない事態への対応
  • 着実に建設プロジェクトを実現:コストやスケジュールを遵守する対応

大規模木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

 

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、構造設計から材料調達までを考慮した合理的な計画が可能です。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、ウッドショックでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。