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SE構法の大規模木造建築「北海道ガス硬式野球部宿舎構造見学会」を開催

  • SE構法の大規模木造建築「北海道ガス硬式野球部宿舎構造見学会」を開催 -

中大規模木造の普及に向けてNCNでは定期的にイベントを開催しています。今回は、201995日に北海道にて初のSE構法の大規模木造建築の構造見学会を札幌市で開催させていただきました。地元の設計事務所様、建設関係者様を中心に約30名に参加していただきました。NCNからは中大規模木造に関する情報や、この建築の構造設計のポイント、SE構法の魅力、木造の耐火建築物などについてお伝えしました。

 

<このコラムでわかること>

北海道ガス硬式野球部宿舎の構造見学会の概要

・土屋ホーム様の講演

・大規模木造建築構造見学会でのSE構法の概要説明

・大規模木造建築において重要なプレカットとの連携がスムーズなSE構法

・大規模木造建築において必須な耐火建築物も対応可能なSE構法

 

北海道ガス硬式野球部宿舎の構造見学会の概要

SE構法の大規模木造建築 構造見学会

北海道ガス硬式野球部様の宿舎の構造躯体にSE構法をご採用いただき、構造見学会を開催させていただきました。今回の構造見学会は、発注者、設計者、施工者の皆様のご厚意により、構造見学会を開催させていただくことができましたことを改めて御礼申し上げます。

本施設は、延床面積約1,300㎡、木造3階建て、耐火建築物という、SE構法の特徴を活かした大規模木造建築となっております。建築基準法上の用途としては寄宿舎となり、1階部分に食堂や厨房、大浴場など比較的大きな空間、スパンが求められる建築となります。

耐火建築物ということで、耐火要件を満たすために使用する石膏ボードの量などが大幅に増えることもあり、建物の荷重は通常の木造よりもかなり重くなります。

大きな空間、大きなスパン、耐火建築物の要件などをSE構法の構造スペックを活かして、どのように実現したかをお伝えして、実際にその空間を体感していただける構造見学会となりました。

SE構法の大規模木造建築 構造見学会

土屋ホーム様の講演

本施設の設計・施工を担当されている株式会社土屋ホームの代表取締役社長である山川浩司様より、土屋ホームの現状と展望について講演していただきました。

山川社長からは、会社の概要、主要事業などについて説明していただきました。土屋ホーム様は、戸建の新築住宅、不動産販売・仲介、リフォームの3つの柱となる事業がありますが、今後は建設部門にもより注力していくとのことでした。

土屋ホーム様は、建設部門を強化する会社の方針もあり、低層の施設建築においては大規模木造建築にも積極的に取り組まれております。

 

大規模木造建築の構造見学会でのSE構法の概要説明

NCNからは、まず会社概要とSE構法の開発の経緯から説明させていただきました。SE構法は、住宅、非住宅あわせて、累計で2万棟以上の構造材出荷実績があります。

SE構法は、「地震や台風などを考慮し、厳密な構造計算を行うこと」、「使う材料が強度基準を満たしていること」、「設計通りの精度で確実に施工出来ること」などの条件を満たした耐震性の高い木造の構法です。

SE構法は木造の構造躯体に関する設計、プレカット、施工までの生産プロセスをNCNが管理し、ワンストップサービスで安全な建築を提供するシステムです。

SE構法 大規模木造建築

SE構法は、独自のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁とを接合し、優れた耐震性能を実現しています。耐震構法SE構法では表面に凹凸加工を施した通常のボルトの約2倍の強さを持つSボルトを木材にねじ込み、高強度のSE金物との組み合わせにより、耐震性の高いラーメン構造を実現しています。

SE構法 大規模木造建築

SE構法 大規模木造建築

SE構法は構造用集成材を採用しています。構造用集成材も「木」であるため、経年変化により木が乾燥・収縮します。SE構法は、高強度SE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。

SE構法 大規模木造建築

SE構法の耐力壁の仕様は、構造用合板貼りとなっています。耐力壁の強さは、構造用合板の両面貼りと細かい釘ピッチにより、最大で壁倍率14倍相当の強度を実現できます。

SE構法 ディテール

 

 

大規模木造建築において重要なプレカットとの連携がスムーズなSE構法

大規模木造においては、構造設計完了後のプレカット工場とのプレカット調整も重要になります。プレカット工場の選定がポイントになります。

SE構法ではCAD/CAMの連動が実現しており、構造設計のデータがそのまま指定プレカット工場へ送られてプレカットデータと連動しております。

SE構法 大規模木造建築

SE構法は、構造部材の品質基準や性能が明確であることとトレーサビリティが条件となるため、独自の供給体制を整備しています。これに伴い、品質協定を結んだ指定プレカット工場以外からの供給を認めていません。

SE構法は、品質が保証された構造部材を供給しています。プレカットはコンピュータ制御の下、設計図通りにミリ単位の精度で加工されるため、水平・垂直を寸分違わぬように組み立てることが可能です。高い安全性能を約束するために、どこよりも厳格な精度品質を求めています。

北海道でも北見と苫小牧に2箇所の提携するプレカット工場がありますので、北海道でのSE構法の構造材供給体制も整っております。

SE構法 大規模木造建築

また基礎の施工や、材料の搬入や建て方の手順なども事前の調整が多く必要となるため、施工会社とのやりとりも重要となります。今回の現場では、建て方施工を担当していただいた株式会社カムズコンストラクション様の高い施工能力や綿密な段取り、調整により、無事に木造躯体を施工していただきました。

 

大規模木造建築において必須な耐火建築物も対応可能なSE構法

木造で耐火建築物を現実的に効率良く設計、施工するには、国土交通大臣認定を正しく理解してうまく活用する必要があります。国土交通大臣認定の耐火構造の仕様は、外壁、間仕切り壁、柱、床、梁、屋根、階段の部位に分かれています。

木造耐火の国土交通大臣認定の耐火構造仕様で選択肢が広がれば、設計の自由度も増します。木住協取得の国土交通大臣認定では、木造でも1時間耐火構造、2時間耐火構造の建築物が建てられます。

SE構法 木造耐火

20196月末に改正建築基準法が施行されました。これまでは、防火地域、準防火地域以外に計画される建築物は、最高高さ13m超または軒高9m超の条件に該当する場合、耐火建築物等にすることが求められました。

今回の改正により軒高の制限が解除され、最高高さ16m以下であれば防耐火要求のかからない、その他の建築物として設計できるようになります。今後、防火地域、準防火地域以外で中大規模木造を計画する場合、これまでのような防耐火要求を満たす必要がなくなることから、設計の自由度やコストパフォーマンスが向上します。

 

まとめ

今回の構造見学会では、主に北海道の建築実務者様にご参加いただきましたが、木造建築に関する関心の高さを改めて実感することができました。施工中の大規模木造建築の構造躯体を見学できる機会は限られておりますので、じっくりと見学される方が多かったです。

寄宿舎のような施設を計画する際に、木造(SE構法)が他工法と比較して優位性がある点として、以下の項目が挙げられます。

・重量が軽いことで、地盤や基礎コストが大幅に低減できる

・工期が鉄骨造やRC造より短縮できる

・減価償却

・省CO2

・室内環境が良い

今後もこのような構造見学会を開催していきたいと考えています。

NCNへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。