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SE構法の大規模木造建築「保育園の構造現場見学会」を京都で開催

  • SE構法の大規模木造建築「保育園の構造現場見学会」を京都で開催 -

中大規模木造の普及に向けてNCNでは定期的に全国でイベントを開催しています。今回は、20191011日に京都にてSE構法の大規模木造建築の構造見学会を開催させていただきました。地元の設計事務所様、建設関係者様を中心に多数の方に参加していただきました。NCNからは中大規模木造に関する情報や、この建築の構造設計のポイント、SE構法の魅力、木造の耐火建築物などについてお伝えしました。

 

<このコラムでわかること>

・じゅばりーインターナショナルプリスクール構造見学会の概要

大規模木造建築の構造見学会でSE構法の概要説明

・岡本銘木店京都工場のSE構法プレカットラインの見学

大規模木造建築の構造見学会でSE構法の技術説明

大規模木造建築の施工者の株式会社デザオ建設の説明

 

じゅばりーインターナショナルプリスクール構造見学会の概要

今回は木造2階建ての「じゅばりーインターナショナルプリスクール様」の施設の構造躯体にSE構法をご採用いただいたことで、構造見学会を開催させていただくことができました。今回の構造見学会は、発注者、設計者、施工者の皆様のご厚意により、構造見学会を開催させていただくことができましたことを改めて御礼申し上げます。

本施設は、延床面積672㎡、木造2階建て、45分準耐火建築物という、SE構法の特徴を活かした大規模木造建築となっております。建築基準法上の用途としては保育園となり、保育室や遊戯室など大空間、大スパンが求められます。

大空間、大スパン、準耐火建築物の要件などをSE構法の構造スペックを活かして、どのように実現したかをお伝えして、実際にその空間を体感していただける構造見学会となりました。

 

大規模木造建築の構造見学会でSE構法の概要説明

NCNからは、まず会社概要とSE構法の開発の経緯から説明させていただきました。SE構法は、住宅、非住宅あわせて、累計で2万棟以上の構造材出荷実績があります。

SE構法は、「地震や台風などを考慮し、厳密な構造計算を行うこと」、「使う材料が強度基準を満たしていること」、「設計通りの精度で確実に施工出来ること」などの条件を満たした耐震性の高い木造の構法です。

SE構法は木造の構造躯体に関する設計、プレカット、施工までの生産プロセスをNCNが管理し、ワンストップサービスで安全な建築を提供するシステムであることをお伝えしました。

 

岡本銘木店京都工場のSE構法プレカットラインの見学

今回の見学会では現場で構造躯体を見学していただく前に、本施設の構造躯体のプレカット加工を担当されている岡本銘木店様の京都工場でSE構法のプレカットラインを見学してもらいました。

岡本銘木店様は、NCNと提携しているSE構法の構造材加工を行うプレカット工場です。参加者の皆様に木材加工の現場に触れていただき、リアルなSE構法のプレカットの仕組みを体験していただきました。

現在、住宅向けのプレカットは、在来仕口用および在来金物用とも一般化しており、柱や梁の木質部材の梁幅120mm、梁せい450mm、材長6m程度のサイズであれば、ほとんどのプレカット工場で対応可能です。

しかし、中大規模木造向けの部材となると、幅もせいも長さもサイズが大きくなりますので、その加工に対応できるプレカット工場が必要になります。SE構法の構造材の加工を行うプレカット工場では、中大規模木造建築における大断面、大スパン、いろいろな角度や複雑な加工にも対応できます。

SE構法では構造設計とプレカットが同じデータで連動するCAD/CAMが実現しており、構造設計のデータがそのまま指定プレカット工場へ送られてプレカットデータと連動しております。

SE構法は、構造部材の品質基準や性能が明確であることとトレーサビリティが条件となるため、独自の供給体制を整備しています。これに伴い、品質協定を結んだ指定プレカット工場以外からの供給を認めていません。

SE構法は、品質が保証された構造部材を供給しています。プレカットはコンピュータ制御の下、設計図通りにミリ単位の精度で加工されるため、水平・垂直を寸分違わぬように組み立てることが可能です。高い安全性能を約束するために、どこよりも厳格な精度品質を求めています。

 

大規模木造建築の構造見学会でSE構法の技術説明

NCNからは、SE構法の金物の納まり、耐力壁の施工などについて説明させていただきました。SE構法の構造技術のポイントは、柱の柱脚部と、柱・梁の接合部にあります。

SE構法では、主要な柱の直下に柱脚金物を配し、柱と基礎とを堅牢に固定しています。柱脚金物は高強度なアンカーボルトにより、基礎に直接取り付けられるので、地震などの横からの力に強く、建物を支えます。

一般的な木造は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損をまねき構造材本来の強度を低下させてしまいます。そこでSE 構法の柱・梁の接合部には、大きな揺れに対して接合部が破損されない技術を追求し、独自に開発したSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって柱と梁を接合し、優れた耐震性を実現しています。

地震時において、さらなる安全性を確保するために、SE構法では全棟Sボルトを採用しています。これは従来の金物工法の欠点を克服するために開発された特殊なボルトです。

Sボルトは表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性を格段に向上させました。通常のボルトの約2倍の強さを持つこのSボルトと高強度のSE金物の組み合わせにより、ラーメン構造を実現しています。

SE構法は高強度のSE金物とラグスクリュー状のSボルトが柱と梁の接合部にしっかりと食い込み、定着することにより、木の収縮に対しても剛性を確保することができます。

こうした構造技術や耐震性の高さ、プレカット精度の高さなどの基盤により、SE構法は設計の自由度が高いことが大きな特徴です。SE構法は、中大規模木造に求められる大スパンや大空間、特殊形状などにも対応しやすい工法です。

 

大規模木造建築の施工者の株式会社デザオ建設の説明

今回の構造見学会では、施工を担当している株式会社デザオ建設様より、SE構法の施工について施工者の視点で解説をしていただきました。

SE構法では、NCNと技術提携をした建設会社や工務店を対象とした「SE構法登録施工店」という制度があります。株式会社デザオ建設様もSE構法登録施工店であり、SE構法の実績、経験は豊富にあります。

SE構法登録施工店には、必ず一名以上の「SE構法施工管理技士」という資格を持つ技術者がおります。SE構法施工管理技士の取得には2日間の技術研修を受講する必要があり、修了考査に合格した人のみライセンスが与えられます。

SE構法登録施工店には、さまざまな規模や業務内容の建設会社、工務店が登録しています。資格の更新研修なども実施しており、技術力の研鑽に努めていただいております。

大規模木造建築の施工では、精度の高い基礎の施工や、材料の搬入や建て方の手順なども事前の調整が多く必要ととなります。この現場においても、株式会社デザオ建設様による高い施工能力や綿密な段取り、調整により、無事に木造躯体を施工していただきました。

中大規模木造をSE構法で計画する場合には、施工者の選定がポイントになります。施工者選定に関する情報はこちらのコラムを合わせてお読みください。

 

まとめ

今回の構造見学会では、主に関西エリアの建築実務者様に多数ご参加いただきました。木造建築に関する関心の高さを改めて実感することができました。

中大規模木造はプレカット工場の選定が重要となります。住宅用のプレカット工場は多く存在しますが、部材寸法の大きな材や材長の長いものの加工ができるプレカット会社は限定されています。また実務的には、施工図や加工図作成の能力も必要となります。

NCNが提供する耐震構法SE構法は、提携するプレカット工場を指定しており、中大規模木造の加工の実績豊富なプレカット工場を指定して加工、供給する体制を整えております。

今後もこのような構造見学会を開催していきます。中大規模木造に興味のある方は、ぜひ参加をお願いします。

NCNへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。