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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

【高知県】中大規模木造の実務ポイントとSE構法事例まとめ

  • 【高知県】中大規模木造の実務ポイントとSE構法事例まとめ -

脱炭素社会への移行に向けて、木造化・木質化への流れが加速しています。日本国内においても、各都道府県で県産材の活用などの取り組みを進めています。

高知県は森林面積が県土の約84%を占める日本一の森林県です。高知県は、森林資源が豊富かつ中大規模木造の事例も多いです。2023年4月に運用を始めた「環境不動産認定制度」は、建築物の木造化・木質化の環境価値を評価し優遇措置を講じる、都道府県で初の試みです。

この記事では、高知県における中大規模木造の実務ポイントとSE構法事例についてお伝えします。

 

 

<このコラムでわかること>

中大規模木造の普及が進む高知県の特徴

高知県木造化・木質化で期待される「高知県環境不動産」

・高知県の「高知県産材利用促進方針

高知県における公共建築物等木材利用

高知県中大規模木造に最適なSE構法概要

【高知県のSE構法事例】事務所「建匠新社屋」

【高知県のSE構法事例】事務所「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」

SE構法へのお問合せ、ご相談について

・まとめ

 

 

中大規模木造の普及が進む高知県の特徴

中大規模木造の普及が進む高知県の特徴

高知県は、全国では鳥取県、島根県に次いで3番目に人口が少ない県です。

高知県では日本最後の清流として知られる四万十川や龍河洞、ホエールウォッチングなど自然を売り物にしたものが多く、近年はエコツーリズムにも力を入れつつあります。

高知県は東西に長い四国の南部に位置し、太平洋から四国山地の尾根までの範囲で「海の国」としてのイメージが強いですが、そのほとんどが海の近くまで山が迫る典型的な山国です。

山地率は89 %と全国一位で、全国平均の66 %と比べてもその険しさがよく分かります。

県西部を流れる四万十川、石鎚山から土佐湾に南下する仁淀川、県北部から徳島県へと流れる吉野川など水量豊富な河川が多くあります。

高知県の年間日照時間は2000時間を越え、温暖な地域としての印象が強いですが、年間降水量も日本有数です。

 

下記のような有名な建築物も多数あります。

◾️「牧野富太郎記念館」(設計:内藤廣氏)

◾️「梼原町総合庁舎」(設計:隈研吾氏)

◾️「竹林寺納骨堂」(設計:堀部安嗣氏)

 

関連記事:高知県公式ホームページ

 

 

 

高知県の木造化・木質化で期待される「高知県環境不動産」

高知県の木造化・木質化で期待される「高知県環境不動産」

脱炭素社会に向けて、建築分野において木造化・木質化は重要な取り組みです。

一方で建築投資を行う建築主や投資家がその価値を認識し、木造化・木質化のメリットとして享受する仕組みがないため、「環境価値向上=木造化・木質化」となりにくい現状があります。

そうした状況の中で注目されるのが、高知県が示した「高知県環境不動産」制度です。

この「高知県環境不動産」は、木造化・木質化された建築物を環境価値の見込める環境不動産として認定し、その中でも優れたものに対して建築面や税務面で優遇措置を講じることで、木造化・木質化を促す仕組みです。

この制度で期待されることは、サプライチェーン(供給網)の川下で木造化・木質化を促し、川上で必要とされる原木生産の拡大や川中で必要とされる木材産業のイノベーションにつなげ、木材生産・流通の最適化を図ることです。

 

認定対象の建築物は、下記です。

<用途等>

1.木材を利用した4階建て以上の集合住宅

2.木材を利用した商業施設やオフィスビルなどの非住宅建築物

<規模等>

・延べ面積が300平方メートル以上
・延べ面積1平方メートル当たりの木材使用量が0.15立方メートル以上
・県産木材の使用率が60パーセント以上

 

「高知県環境不動産」の認定基準は大きく2つあります。

・CASBEE-建築(新築)(CASBEE建築評価員による評価)での評価:S、A、B+

・県が独自に定めた木材利用の基準での評価:S、A、B

 

高知県がこうした仕組みを基に認定した環境不動産のうち、独自基準に基づく評価でもCASBEEに基づく評価でも、ともに「A」以上のランクに格付けされた建物に対しては、下記の優遇措置を受けることができます。

・建築面の優遇措置:建築基準法に基づく総合設計制度を用いた容積率の緩和。

・税務面の優遇措置:県税である不動産取得税の課税免除。

 

環境不動産認定制度を定めた条例は、「2028年3月末で効力を失う」と付則で定められています。

それまでの間にこの付則が改正されなければ、認定制度は5年間でその役目を終えることになります。

まずは限られた期間内で、環境価値の表出による木造化・木質化の促進という目的をどこまで果たせるのかに注目が集まっています。

 

関連記事:「高知県環境不動産」の認定制度

 

 

高知県の「高知県産材利用促進方針」

高知県の「高知県産材利用促進方針」

高知県は日本でも有数の森林県です。

ヒノキ丸太の生産量は、令和4年には全国一の生産量となりました。

高知県における県産材の利用を促進するため、「高知県産材利用促進方針」が策定されています。


◾️第1 公共建築物等における木材の利用の促進のための施策に関する基本的事項
1 木材の利用の促進の意義

2 公共建築物等における木材の利用の促進の効果

 

◾️第2 公共建築物等における木材の利用の目標
1 公共建築物への木材利用の推進 

2 公共土木工事への積極的な木材利用の推進 

 

◾️第3 公共建築物等の整備に要する木材の供給に関する基本的事項

◾️第4 その他公共建築物等における木材の利用の促進に関し必要な事項
1 木材利用の促進のための体制の整備 

2 市町村の取り組みへの支援

 

関連記事:高知県産材利用促進方針

 

特に注目されるのが、「県有施設は原則木造とする」という基準です。

その基準が、下記の別表「高知県公共建築物木造化基準」です。

高知県公共建築物木造化基準

出典:高知県公共建築物木造化基準

 

 

高知県における公共建築物等の木材利用

高知県における公共建築物等の木材利用

公共建築物は、広く国民一般の利用に供するものであることから、木材を用いることにより、木と触れ合い、木の良さを実感する機会を幅広く提供することができます。

このため、建築物木材利用促進基本方針では、公共建築物について、積極的に木造化を促進することとしています。

 

林野庁の資料「森林・林業白書」によると、高知県では木造率が下記のように推移しています。

・2017年度:建築物全体(50.1%)、公共建築物(13.0%)、うち低層の公共建築物(23.9%)

・2019年度:建築物全体(51.2%)、公共建築物(22.7%)、うち低層の公共建築物(44.0%)

・2021年度:建築物全体(52.0%)、公共建築物(8.2%)、うち低層の公共建築物(18.2%)

 

2022年度以降に整備に着手する国の公共建築物については、建築物木材利用促進基本方針に基づき、計画時点においてコストや技術の面で木造化が困難であるものを除き、原則として全て木造化を図ることになっています。

関連記事:森林・林業白書

 

 

高知県の中大規模木造に最適なSE構法の概要

中大規模木造に最適なSE構法の概要

耐震構法SE構法(以下、SE構法)は、大規模木造建築物の技術を基に開発された技術です。

SE構法は構造計算された耐震性の高い木造建築を実現する、独自の建築システムです。

SE構法は耐震性の高さ、設計の自由度、コストパフォーマンスの良さ、ワンストップサービス等で高い評価を受けており、さまざまな大規模木造の実績が増えています。

SE構法は、単純に「剛性のある木質フレーム」というだけではなく、さまざまな利点を追求し、大規模木造で求められる大空間・大開口を可能にして、意匠設計者の創造性を活かせる設計の自由度を提供しています。

関連記事:耐震構法SE構法は全棟で立体解析による構造計算を実施

 

SE構法は「木造の構造設計」と「構造躯体材料のプレカット」そして施工というプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。その合理的なシステムが、設計・施工のプロセスにおいて納期や工期の短縮につながります。

関連記事:「ウッドショック等のリスクにSE構法のワンストップサービスが強い理由」

 

 

【高知県のSE構法事例】事務所「建匠新社屋」

【高知県】中大規模木造の実務ポイントとSE構法事例まとめ

SE構法を用いた3階建の事務所です。

大胆な造形の外観デザインが印象的な木造建築です。

【高知県のSE構法事例】事務所「建匠新社屋」

<「建匠新社屋」の概要>

・用途:事務所

・構造:木造(SE構法)

・階数:3階建

・延床面積:528㎡

関連記事:建匠新社屋」

 

 

【高知県のSE構法事例】事務所「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」

【高知県のSE構法事例】事務所「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」

高知市内に木造2階建で建設された自社のオフィスです。

地元密着型企業として、県産材の積極的な利用が念頭にあり、社内にも顧客にも、SE構法の魅力を伝える場として、大空間を必要とする自社オフィスが実現しました。

高知市内に木造2階建で建設された自社のオフィスです。   地元密着型企業として、県産材の積極的な利用が念頭にあり、社内にも顧客にも、SE構法の魅力を伝える場として、大空間を必要とする自社オフィスが実現しました。   <画像>   <「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」の概要> ・用途:事務所 ・構造:木造(SE構法) ・階数:2階建て ・延床面積:387.54㎡  関連記事:SE構法の事務所の事例紹介「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」

<「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」の概要>

・用途:事務所

・構造:木造(SE構法)

・階数:2階建て

・延床面積:387.54㎡

関連記事:SE構法の事務所の事例紹介「フタガミホーム&ガーデン薊野オフィス」

 

 

SE構法へのお問合せ、ご相談について

SE構法へのお問合せ、ご相談について

大規模木造をSE構法で実現するための流れは下記となります。

 

1.構造設計

SE構法を活用した構造提案を行います。企画段階の無料の構造提案・見積りから、実施設計での伏図・計算書作成、確認申請の指摘対応等を行っております。また、BIMにも対応可能です。

 

2.概算見積り

SE構法は構造設計と同時に積算・見積りが可能です。そのため躯体費用をリアルタイムで確認可能で、大規模木造の設計において気になる躯体予算を押さえつつ設計を進めることが可能です。

 

3.調達

物件規模、用途、使用材料を適切に判断して、条件に応じた最短納期で現場にお届けします。また、地域産材の手配にも対応しております。

 

4.加工

構造設計と直結したCAD/CAMシステムにより、高精度なプレカットが可能です。また、多角形状、曲面形状などの複雑な加工形状にも対応可能です。

 

5.施工

SE構法の登録施工店ネットワークを活用し、計画に最適な施工店を紹介します。(元請け・建方施工等)

 

6.非住宅版SE構法構造性能保証

業界初の非住宅木造建築に対応した構造性能保証により安心安全を担保し、中大規模木造建築の計画の実現を後押しします。

 

↓SE構法へのお問合せ、ご相談は下記よりお願いします。

https://www.ncn-se.co.jp/large/contact/

 

 

まとめ

非住宅木造においては、SE構法の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、施工性向上を実現することができます。

SE構法は構造用集成材の中断面部材(柱は120mm角、梁は120mm幅)が標準なため、住宅と同等の部材寸法でスパン8m程度までの空間を構成できるコストパフォーマンスをうまく活用していただければと考えております。

スパンが10mを超える空間は、特注材やトラス、張弦梁などを活用することも可能です。

計画段階からNCNの特建事業部に相談することで、木造建築に関する知見をうまく利用していただき、ファーストプランの段階から構造計画を相談することで、合理的に設計実務を進めることが可能です。

 

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください。