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WOODEN STRUCTURE中大規模木造

発注者向け大規模木造のスケジュール徹底解説

  • 発注者向け大規模木造のスケジュール徹底解説 -

大規模木造を依頼する発注者にとって、建築物のデザインや性能、コストなどはとても重要なことですが、同じようにスケジュール管理もとても大切です。まずは事業計画をもとに必要な手続きをリストアップしてスケジュールを綿密に立てることが重要です。それらの計画をもとに段階的に設計・施工を進めていけば、総合的に満足の出来る大規模木造が実現できます。そのために必要なことはプロセスごとにやるべきことを理解して順次対応することです。

このコラムでは、発注者向けの大規模木造のスケジュールについてお伝えします。

 

<このコラムでわかること>

大規模木造鉄筋コンクリート造鉄骨造より工期短縮可能

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス1:計画

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス2:設計

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス3:見積り

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス4:施工

・発注者が知っておきたいSE構法のポイントまとめ

・まとめ

 

 

大規模木造は鉄筋コンクリート造や鉄骨造より工期短縮可能

大規模木造(SE構法)で使用する構造用集成材の耐久性

木造は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較して、工期を大幅に短縮できます。

例えば社会福祉法人等が高齢者施設を建設する際には、自己資金に加えて国や県、市から交付される補助金により建設事業費を捻出するケースが多くなります。

補助金事業の場合は、特に「工期」を遵守する必要があります。

補助金事業は地方自治体や役所において年度ごとで管理されるケースが多く、年度始めの4〜6月内示(=補助金交付決定の連絡)、年度末の翌年3月に事業完了という条件が原則となります。

木造で使用する一般流通材の木材・建材は、戸建住宅市場で大量に流通しているため、納期があまりかからず、工期が読みやすいことが特徴です。

構造材に部分的に特注材がある場合でも、早めに発注することで工期に大きく影響することはありません。

大規模木造の施工においては、そうした住宅向けの流通の仕組みをうまく活用することで、鉄骨造と比較して大幅に納期の短縮が可能になります。

施工に関しては、木造は鉄骨造ほど建設職人を手配することは困難ではありません。

建物規模や工期に応じて大工さんや職人さんを手配することが可能となり、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較して工期を短縮できます。

関連記事:木造化が必須な時代に!発注者向け大規模木造のメリット解説

 

 

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス1:計画

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス1:計画

発注者が大規模木造の計画で知っておきたいことは主に下記です。

<計画段階の主なプロセス>

1.企画

建築物の概要(規模、予算、工期、機能等)を決めます。

2.調査

類似の事例を調べたり、依頼する専門家(設計事務所や建設会社等)を調べます。

3.依頼先の決定

候補となる専門家(設計事務所や建設会社等)を比較検討した上で選定します。

 

<発注者として対応すること>

・実現したい建築物の要望、予算、工期、機能等を伝えます。

・与条件の整理:補助金活用の有無、資金計画の立案、金融機関との協議等を行います。

・敷地に関する資料(決定していない場合、敷地選定の条件を整理)を準備します。

 

<ポイント>

・建築物の計画段階においては、専門家にラフな計画・図面による「基本計画」を依頼する方法があります。この提案内容を判断基準として、依頼先を選定することもできます。

・敷地には法規によって様々な制約がありますので、希望する建物を建てるための関連法規・条例等を調査した上で、基本計画の内容で可能性を検証することが重要です。

・基本計画の内容をもとに、概算の建築費等を想定して、具現化するための計画を立てます。

関連記事:発注者が知っておきたい大規模木造のプロの選び方

 

 

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス2:設計

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス2:設計

発注者が大規模木造の設計で知っておきたいことは主に下記です。

<設計段階の主なプロセス>

1.基本設計

発注者からの与条件や、各種法規制などの条件を前提として、基本的な内容を図面で明らかにすることです。その成果品が「基本設計図書」です。計画された案やイメージが敷地の上でどのような形になりうるかの検討作業のほぼすべてが基本設計で決まります。

 

2.実施設計

決定された基本設計に基づき、建築を実際に施工するための設計図書(設計図、仕様書、各種計算書、工事予算書など)を作成する業務のことです。発注者と施工会社との契約に必要な詳細を決める設計でもあります。成果品は「実施設計図書」と呼ばれます。

 

3.確認申請

建築物を一定規模以上の面積で建築する際に、行政に確認を求める行為のことを言い、建築確認申請とも言います。確認申請は、各自治体もしくは指定確認検査機関で受け付け・審査を行ない、建物の設計者や代理者が業務を代行するのが一般的です。

 

<発注者として対応すること>

・計画段階で伝えた要望、予算、工期、機能等が遵守できているかを確認します。

・実際にその建物を使った場合の使い勝手やメンテナンス等を徹底的に検証します。

・完成したイメージをパース、模型、建材サンプル等で確認します。

 

<ポイント>

・設計内容の優先順位を明確にすることです。規模も予算も限りがありますので、優先順位の高い項目を重点とすることで、満足度の高い建築物が実現します。

・設計者は「建築設計のプロ」であっても、「その用途の建物を使用するプロ」ではありません。実際の使い勝手や清掃面、セキュリティなどは発注者の判断が重要となります。

・設計者とのコミュニケーションを円滑にするためには、参考にしたい事例の写真などを豊富に準備してください。イメージの共有はとても重要です。

 

 

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス3:見積り

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス3:見積り

発注者が大規模木造の見積りで知っておきたいことは主に下記です。

<見積り段階の主なプロセス>

1.見積り依頼

施工会社の依頼先候補を選定して、各社に工事の見積りを依頼します。すでに建設会社が決定している場合は、見積り依頼は一社となります。

 

2.コスト調整

提出された見積書を設計者と共に検証し、コスト調整の協議を行います。

 

3.施工者決定

上記のプロセスの結果で、施工者を選定して契約を締結します。

 

<発注者として対応すること>

・建設費用(自己資金、金融機関からの融資など)の段取りをしておきます。

・見積りを依頼するまでに、施工会社への支払条件を決定します。

・工事に関するスケジュール(引渡し日など)を施工者と協議して決定します。

 

<ポイント>

多くの場合、最初の見積り金額は予算を超過します。その理由は、当初に作成された設計図書は発注者の要望や設計者のアイデアなどを全て盛り込んだ結果だからです。

・見積り金額を下げるために、優先順位を再度決定しながら、減額調整を行います。

・見積り金額だけではなく、その施工会社の体制や実績等もふまえて、総合的に判断して決定します。

 

 

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス4:施工

発注者が知っておきたい大規模木造のプロセス4:施工

発注者が大規模木造の施工で知っておきたいことは主に下記です。

※工事区分については、工事内容や建設会社により多少異なります。

<施工段階の主なプロセス>

1.建築本体工事

仮設工事、基礎工事、木工事、屋根・板金工事、石・タイル工事、外壁工事、左官工事、建具工事、内装工事、塗装工事、雑工事等を行います。

 

2.設備工事

電気設備工事、給排水設備工事、空調設備工事等を行います。

 

3.付帯工事

解体工事(必要な場合のみ)、地盤改良工事(必要な場合のみ)、外構工事等を行います。

 

<発注者として対応すること>

・定例会議に参加して、工事の進捗確認や仕様・色決めなどの最終決定を行います。

・地鎮祭、上棟式、竣工式などの行事を行なうかを決定し、開催する際は参加します。

・建物で使用する備品類(家具や雑貨など)を手配します。

 

<ポイント>

多くの場合、建設段階で最終的な内外装の色決めを行います。設計者や施工者と協議しながらサンプル等を見て決定します。

・建物完成後に利用するサービス(給食設備やプロパンガスなど)がある場合は、設計・施工段階からあらかじめ打合せをしておく必要があります。

・見積り金額だけではなく、その施工会社の体制や実績等もふまえて、総合的に判断して決定します。

 

 

発注者が知っておきたいSE構法のポイントまとめ

発注者が知っておきたいSE構法のポイントまとめ

発注者が知っておきたい大規模木造に最適なSE構法のポイントは主に下記です。

<システム>

耐震構法SE構法は大規模な木造建築物の技術を基に開発された技術です。耐震構法SE構法は耐震性の高さ、設計の自由度、コストパフォーマンスの良さ、ワンストップサービス等で高い評価を受けており、さまざまな木造建築の実績が増えています。

関連記事:大規模木造から生まれたSE構法を徹底解説(システム編)

 

<事例>

SE構法は特に低層建築物である店舗、事務所、倉庫、幼児施設、高齢者施設等の非住宅建築を中心に、さまざまな木造建築の実績が増えています。耐火建築物や準耐火建築物への対応も可能です。

関連記事:【解説】大規模木造の可能性が大きく広がるSE構法の事例紹介

 

<構造設計>

SE構法の構造設計プロセスは、「構造計画」「構造設計」「構造計算」の3ステップで進めていきます。

関連記事:【解説】SE構法の構造設計が大規模木造で評価される理由

 

<プレカット>

SE構法は大スパン・大空間が求められる大規模木造において、構造設計、材料加工、施工、コストパフォーマンスの良さを高い次元で成立している工法です。SE構法は徹底した品質管理と、構造計算から部材加工まで一貫したCADシステムにより高精度のプレカット加工を実現しています。

関連記事:【解説】大規模木造で構造設計とプレカット加工が連動するSE構法

 

<施工>

SE構法は、基礎構造から構造体施工に至るまで厳しい品質を追求しています。SE構法は独自の施工管理技術が必要なため、どの建設会社でも施工できるわけではありません。試験に合格したSE構法施工管理技士が在籍し、一定の技術水準を有すると認められた「SE構法登録施工店」がSE構法の建物を施工します。

関連記事:【解説】大規模木造で使いやすいSE構法の施工ポイント

 

<構造用集成材>

構造用集成材は「科学された木材」と言われ、製造過程でひき板一枚一枚の節の大きさや曲げヤング係数を計測・選別して集成材化しており、表示通りの性能が発揮されるので構造材として安定しています。構造の安全性を保証するSE構法は部材の信頼性を重視し、全て構造用集成材を使用しています。

関連記事:【解説】大規模木造に適した構造用集成材をSE構法が採用する理由

 

<SE金物>

SE構法は独自のSE金物により、集成材、耐力壁、床合板それぞれの強さを活かしています。一般的な木造は、接合部に柱や梁をホゾ継ぎするため、地震時に断面欠損をまねき、構造材本来の強度を低下させてしまいます。そこでSE構法は、大きな揺れに対して接合部が破損しない技術を追求し、独自にSE金物を開発しています。

関連記事:【解説】大規模木造で様々な設計に対応できるSE構法の強さの理由はSE金物

 

まとめ

SDGs、脱炭素社会、ESG投資への対応が求められる時代になり、木造化・木質化が急速に進んでいます。

大規模木造(SE構法)の構造躯体の強みを活かした構造設計により、コスト減、納期短縮、施工性向上を実現することができます。

 

NCNは構造設計から生産設計(プレカット)までのワンストップサービスが強みです。計画段階からご相談いただくことで、構造設計から材料調達までを考慮した合理的な計画が可能です。

集成材構法として実力・実績のある工法の一つが「耐震構法SE構法」です。

SE構法は「木造の構造設計」から「構造躯体材料のプレカット」に至るプロセスを合理化することでワンストップサービスとして実現した木造の工法です。

関連:「耐震構法SE構法」へのご相談はこちらです。

 

また構法を問わず、木造の構造設計から構造躯体材料のプレカットに至るスキームづくりに取り組む目的で「株式会社木構造デザイン」が設立されました。

構造設計事務所として、「⾮住宅⽊造専⾨の構造設計」、「構造設計と連動したプレカットCADデータの提供」をメイン事業とし、構造設計と⽣産設計を同時に提供することで、設計から加工までのワンストップサービスで木造建築物の普及に貢献する会社です。

関連:「木構造デザイン」へのご相談はこちらです。

 

株式会社エヌ・シー・エヌ、株式会社木構造デザインへのご相談は無料となっておりますので、ウッドショックでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。